研究室のB4に向けた記事です。
何故、同時進行で論文を書かなければならないのか?
論文執筆に慣れていない場合、日本語の表現でつまずくことがよくあります。
論文執筆では、専門的な内容だけでなく、日本語表現についてもチェックが必要です。
そのため、教員や院生から「解析が終わっていないと思うけれど、同時進行で論文を書いてね」と言われることがあるのです。
特に、「である調」など普段使わない文体を使うため、間違いが起きやすくなります。
書ける部分から少しずつ執筆を進め、修正頻度を増やすことで、一度に修正する負担を軽減することが大事です。
早めに仕上げられる部分は前倒しで完成させ、年明けの自分を楽にしましょう。
謝辞から書こう
11月末の論文仮提出の段階で、全てのデータが揃っていることはほとんどありません。
「全部終わっていないのに論文なんて書けない!」と思うかもしれません。
「要旨」や「はじめに」のように論文の冒頭部分を順序通りに書こうとすると、全てのデータが揃うまで執筆に取りかかることができなくなります。
しかし、「謝辞」であればデータが揃っていなくてもすぐに書き始めることができます。
謝辞とは
簡単に言えば、感謝の気持ちを表すセクションです。
指導教官やお世話になった教員、研究に協力いただいた外部機関や自治体などの名前を挙げましょう。
以下に、私が卒業論文を執筆した際の謝辞の例を紹介します(固有名詞は伏字にしています)。
本研究にあたり,指導教官の〇〇教授には,厳しくも温かく丁寧なご指導をいただきました.また,〇〇大学〇〇センターの〇〇様・〇〇様,〇〇研究室の〇〇准教授には,観測方法に関する貴重な知見をいただき,心より感謝申し上げます.
観測機器の設置にご協力いただきました〇〇市の皆様には大変お世話になりました,厚く御礼申し上げます.
事前準備や片付けを手伝っていただいた〇〇研究室の皆様にも深く感謝申し上げます.
謝辞の次は手法を書こう
秋には観測データが出揃っているはずです。
「どこで・どのように・どのようなデータを取得したのか」を、地図や写真を交えて具体的に書きましょう。
研究室に保管されている先輩たちの卒業論文を参考にすると効率的でしょう。
最後に
解析が終わるまでの間、具体的に執筆できる内容はおそらく「謝辞」と「手法」のみです。
これらを先に仕上げることで、後の執筆がスムーズになります。
同時進行で解析も進め、本格的な論文執筆に取りかかってください。
データのバックアップはPC内、USB、クラウドの3点保存を徹底しましょう
健闘を祈ります。