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HULFT10 for Container Services 拡張性構成の考え方

Last updated at Posted at 2024-06-14
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1. はじめに

こんにちは、すぎもんです:smile:

いわゆる「コンテナ版HULFT」であるHULFT10 for Container Services(以下CS版)を少しずつ触っております。
CS版では従来のクライアントOSインストール版HULFT(以下OS版)と異なり、AWSのインフラ構成(インスタンス数、ストレージ、DB、ネットワーク等)によりファイル転送のパフォーマンス向上(同時集配信数、全体スループットの向上)が期待できます。このコンテンツでは、HULFT10の集配信性能を高めるためのAWS構成の考え方、気を付けるべきポイントなどを考えてみます。


2. OS版とCS版の拡張対応方法

2-1. OS版

基本的に、CPU, メモリ、ネットワークなどの増強でボトルネックを解消するアプローチです。ロードバランサー対応はされていないため、スケールアップでの対応になります。

2-2. CS版

ロードバランサーによる分散処理(タスク起動数を増やす)ことで全体スループットを上げるアプローチです。ロードバランサー対応のアーキテクチャとなり。スケールアウトでの対応ができます。

OS版 CS版
ロードバランサー対応していない ロードバランサー対応している
CPU, メモリ、ネットワークなどの増強 タスク起動数を増やす
スケールアップ スケールアウト

3. CS版の拡張性構成のポイント

HULFT 10 for Container Servicesのスケーリングに関する詳細についてはこちらの記事を参照してください。

管理コンテナと転送コンテナのタスク増加ケースと考慮ポイントです。

3-1. 管理コンテナのタスクを増やすケース

3-1-1. 管理画面にアクセスが集中する

DBアクセスが多くなるため、起動数を増やして対応します。

3-1-2. 少量多頻度転送が多い

こちらのケースもDBアクセスが多くなるため、起動数を増やして対応します。

3-2. 転送コンテナのタスクを増やすケース

3-2-1. 同時多重転送が多い

転送処理を分散させるため、転送コンテナの起動数を増やして対応します。

3-3. その他考慮ポイント

3-3-1. 転送コンテナのタスク数を増やしても効果がない

タスク数を増やしても効果がないときは、スケールアップのアプローチを考慮します。具体的には、EC2インスタンスの性能向上(CPUやメモリの増強)を検討します。

例えば、「10GBファイルを短時間で送りたい」などのシナリオです。大きなファイルの転送では、タスク数を増やすことでの効果は見込むことができません。


表:管理コンテナと転送コンテナのタスク増加ケースと考慮ポイント

対応方法 ケース 解説
3-1. 管理コンテナのタスクを増やす 3-1-1. 管理画面にアクセスが集中する DBアクセスが多くなるため、管理コンテナ起動数を増やして対応します。
3-1-2. 少量多頻度転送が多い こちらのケースもDBアクセスが多くなるため、管理コンテナ起動数を増やして対応します。
3-2. 転送コンテナのタスクを増やす 3-2-1. 同時多重転送が多い 転送処理を分散させるため、転送コンテナの起動数を増やして対応します。
3-3. その他 3-3-1. 転送ファイルサイズが大きい 転送コンテナのタスク数を増やしても効果がないときは、スケールアップのアプローチを考慮します。具体的には、EC2インスタンスの性能向上(CPUやメモリの増強)を検討します。

4. おわりに

いかがでしたでしょうか。
柔軟な拡張性は、HULFTがコンテナ対応したことで得られるメリットの一つだと思います。皆さんもHULFT 10 for Container Servicesならではのスケーリングを生かした運用を計画してみてはいかがでしょうか。

このブログでは、今後も様々なTopics記事や接続検証等、皆さんの参考になるような記事を投稿していきたいと思います!
ここまで読んでいただきありがとうございました。それでは、また!:raised_hand:

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