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システム開発における「認知・判断・実行」とは

Last updated at Posted at 2017-12-16

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この記事はiRidge Advent Calendar 2017の17日目のエントリーです。

アイリッジではプロジェクトマネジメントを生業としています。
趣味はサッカー(観る/やる)です。
子供(10歳/小学校4年生)が少年サッカーをやっていることもあり、たまにサッカーの育成に関する書籍や記事読むのですが、最近目についた「認知・判断・実行」について書いてみます。

「認知・判断・実行」

サッカーでは「認知・判断・実行」という言葉があります。

プレー1つひとつの局面で「認知・判断・実行」があり、「止める・蹴る・運ぶ」という個人のスキル(テクニック)とは別次元で重要な要素と言われています。

スキルが高い(ボールの扱いが上手い)だけではダメで、正しい状況判断がなければ有効なプレーにはならないよ、ということですね。
例えば、ドリブルが超絶上手いプレーヤーでも相手が密集した地帯に突っ込んでいってもボールを取られるだけで、逆にカウンターをくらいピンチを招くかもしれません。
個人スキルが高くてもチームを勝利に導くプレーをしているとは言い難いです。

この「認知・判断・実行」はサッカーでは重要な概念とされ、最近では育成年代(少年サッカー)でこの能力をいかに身に着けることができるのか、が活発に議論されています。

本エントリーのテーマ

私はサッカー選手でも指導者でもないので、本エントリーでは
システム開発での「認知・判断・実行」
とはどういうことなのかを考えてみます。

認知

サッカーではプレーの局面で状況を把握できるか、という文脈になります。
例えば敵と味方の位置、スコア、時間帯、自分の能力(テクニック/フィジカル)などが認知の要素でしょうか。
システム開発での認知と言うと、開発プロジェクト自体の情報リアルタイムでのプロジェクト状況というように分類できそうです。

開発プロジェクト自体の情報

  • システム構成はどのようなものか
  • 関連するシステムは何か
  • ステークホルダーは誰か
  • ステークホルダーがこのシステムに感じている価値は何か
  • チーム、組織はどのように振る舞うべきか(サービスレベルや契約による制約がどのようなものか)

リアルタイムでのプロジェクト状況

  • 開発の状況(工程、進捗)
  • プロジェクトの今後の雲行きはどうか
  • 周り(チームメンバー)の状況はどうか

判断

認知できている状況から選択肢をいくつか持つことができ、それをどのように判断するかが重要です。
サッカーではどのようなプレーを選択するのかということになります。
ドリブルをするのかパスをするのか。それともシュートか。左右前後どちらに進むべきか。

システム開発では、

  • 設計や実装の方式をどのようにすべきか
  • 要件や仕様をどのようにすべきか
  • テストはどこまでやるのか

などなど予算と期間が有限なのですべての側面で判断をしていくことになります。
誰も使わない機能を作るべきではないですし、過剰な品質もまたしかり。
バグは決してゼロにはならないのでやろうと思えばテストを無限にすることができます。
(費用対効果を忘れてしまったかのように品質強化を執拗に求めるマネージャーもいますし)

プロジェクトはトレードオフとの闘いです。
判断をするために認知ができていることが重要ですね。
サッカーでは認知と判断のことを「個人戦術」と呼んだりします。
刻一刻と状況が変化するサッカーのゲーム中において、常に認知と判断を繰り返し、有効なプレーをし続けられる選手が良い選手です。
システム開発でも認知と判断がしっかりできることが重要ですね。

実行

認知と判断が正しければあとは実行するだけですが、実行する際にも考慮すべき要素があるでしょう。
サッカーは足でボール扱うという性質上、ミスのスポーツと言われています。実行にはミスが伴うことが多いため、ミスを少なくする努力とミスした場合のことを考えます。
システム開発ではも同じように、

  • 実行に伴うリスクは何か
  • そのリスクが顕在化した時のアクションは何か

を考える必要があるでしょう。 システムでもミスはつきものですし。

まとめ

サッカーでもシステム開発でも同じように状況を理解し、適切な判断をすることが求められます。
いくらテクニック(技術力)が高くとも、認知と判断で拙いようではチームを勝利に十分貢献できないでしょう。

サッカーでは練習やトレーニングマッチ(練習試合)で能力の向上を行いますが、システム開発の現場での練習となるのはどういうもなのでしょうか。

そのあたりはチームビルディングや人材育成の話になってくると思うので別の機会に考えたいと思います。

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