JSTQB Advance Level TA (Test Analysis)
JSTQB Advance Level TAとは、テストアナリスト向けの国際ソフトウェア資格のひとつです。JSTQB Advance Levelの資格としては3つ存在しており、テストマネージャ、テストアナリスト、テストテクニカルアナリストのうちのひとつになります。
私は、2025/3/Eに一度受験を行いましたが、残念ながら落ちてしまいました。
再度挑戦するため、学習内容を綴っていこうと思います。
下記は本試験を運営しているJSTQBが一般公開しているシラバスになります。
JSTQB TA シラバス
JSTQB ホームページ
ソフトウェア開発ライフサイクル:SDLC (Software Development Life Cycle) とは
ソフトウェア開発ライフサイクルとは、ソフトウェアを企画から運用・保守まで段階的に進めるフレームワークです。JSTQB TAシラバスで扱われるライフサイクルモデルは以下の通りです。
- イテレーティブ開発(反復型開発)
- インクリメンタル開発(漸進型開発)
- アジャイル開発(柔軟な反復・漸進型)
- ハイブリッド開発(複合型、状況対応型)
1. イテレーティブ開発(反復型)
概要
システム全体のプロトタイプをまず作成し、その後、何度も繰り返し(イテレーション)で改善・拡張していく開発スタイル。
事例
・NASAのソフトウェアプロジェクト(特にリスクの高いミッションにおける初期設計の評価に)
・ユーザーインターフェースの初期評価に用いられるプロトタイピング
ポイント
・要件が明確でなくても始められる
・各イテレーションの評価が重要
イテレーション … ソフトウェア開発やプロジェクト管理において、設計、開発、テストなどの工程を短い期間で繰り返し行うことです。この反復的なプロセスを通じて、段階的に製品やサービスを改善していく手法です。
2. インクリメンタル開発(漸進型)
概要
全体を小さな機能単位(インクリメント)に分けて、段階的に機能を追加していく。
事例
・Windows OS のような大規模ソフトウェアにおけるバージョンごとの機能追加
・モバイルアプリのリリース(例:最初はログイン機能のみ→次にチャット→通話)
・ NBCユニバーサルは、IBMのDevOpsソリューションを導入し、継続的インテグレーションとデリバリーを自動化することで、リリース時間を75%短縮しました。これにより、迅速なフィードバックと高品質なソフトウェア提供が可能となりました。
ポイント
・最初から全機能を作らない
・「機能ごとに完成・リリース」が可能
3. アジャイル開発(漸進型開発)
概要
イテレーティブ+インクリメンタルの融合型。要求の変化に柔軟に対応しながら、短いスプリント(1〜4週)で機能を反復・漸進的に開発。
事例
・Scrum を活用した Web サービス(例:Spotify、Amazonなど)
・スタートアップに多く採用される(変更対応力重視)
・City of Hopeは、DevOpsを導入することで、開発速度を25%向上させ、2.5時間かかっていたパイプライン構築を30分に短縮しました。これにより、がん研究の進展に貢献しています。
ポイント
・顧客との密な連携(プロダクトオーナーとの対話)
・テスト(TDD、CI/CD)とフィードバックが鍵
・DevOpsと高い親和性(自動化・迅速リリース)
4. ハイブリッド開発(複合型)
概要
ウォーターフォールとアジャイル、もしくは他の複数の開発モデルを組み合わせたもの。組織やプロジェクトの特性に応じて最適化。
事例
・金融・医療システムなど高信頼性が求められる分野:
上流工程はウォーターフォールで厳密に設計し、下流工程(画面やUXなど)はアジャイル的に対応。
ポイント
・大規模プロジェクトでよく使われる
・リスクやコスト、柔軟性をバランス良く扱える
★ 近年の技術トレンドと今後の復旧傾向
技術・手法 | 傾向・補足 |
---|---|
DevOps | 開発と運用の一体化 → 継続的インテグレーション・デリバリー(CI/CD)によってスピードと品質両立。インフラもコード(IaC)として扱う。 |
MLOps(AI開発向け) | 機械学習モデルの学習・デプロイ・監視を統一管理。従来のSDLCに「データ」「検証ループ」「再学習」などが加わる。 |
AIによるテストの自動化 | AIによるテストケース生成、障害予測、バグ分類。テストエンジニアの負担軽減。 |
アジャイル at Scale | Scaled Agile Framework(SAFe)、LeSS、Spotify Modelなど。大企業がアジャイル導入するための枠組み。 |
ハイブリッドモデルの標準化 | 特に公共・大規模案件ではウォーターフォールをベースにアジャイルを部分導入するモデルが定着傾向。 |
DevOpsの課題: DevOpsの導入には組織の学習と変革が必要であり、75%のDevOpsイニシアティブが期待に応えられないというGartnerの調査結果があります。
・devops.com
ツールの複雑さ: DevOpsとMLOpsのツールが分断されていることで、冗長な作業や非効率が生じ、統合が求められています。
・techradar.com
★ JSTQB TA試験に向けた学習ポイント
項目 | 学習の観点 |
---|---|
各開発モデルの特徴・利点・欠点 | システムの複雑性、変更要求への対応性、リスク管理に注目 |
テスト戦略の違い | ウォーターフォールではVモデル的に段階ごとに、アジャイルではスプリント単位の小刻みなテスト(継続的テスト) |
品質保証活動の位置付け | プロセス全体にQAをどのように組み込むか。テスト自動化とCI/CD連携なども押さえる。 |