Amazon Corretto 11 を Ubuntu にインストールして Hello World する
こんにちは、@studio_meowtoon です。今回は、WSL の Ubuntu 22.04 に Amazon Corretto 11 をインストールする手順と、Hello World を出力する方法を紹介します。
目的
Windows 11 に Linux の開発環境を構築します。
こちらから以前の関連記事がご覧いただけます。
実現すること
- Windows 11 の WSL Ubuntu 22.04 に Amazon Corretto 11 をインストールして、AWS に対応した Java プログラムをビルド、実行するシンプルな開発環境を構築します。
技術トピック
Amazon Corretto とは?
こちらを展開してご覧いただけます。
Amazon Corretto
Amazon Corretto 11 は、Amazon が提供する OpenJDK (Java Development Kit) ディストリビューションの一つで、Java 11 のバージョンを含んでいます。
特徴 |
---|
OpenJDK は、Java のオープンソースの実装であり、JVM (Java Virtual Machine) や Java プログラムを実行するためのライブラリ、開発者用ツール、および Java 言語仕様を含んでいます。 |
Amazon Corretto 11 は、長期サポート (LTS) バージョンである Java 11 をベースにしており、高いパフォーマンスとセキュリティに加え、安定性が高く、ライセンスコストが無料であることが特徴です。 |
Amazon は、Corretto 11 を AWS 上で利用可能にすることで、AWS 上で Java アプリケーションを実行するために必要な開発環境を提供しています。 |
Amazon Corretto 11 は、Linux、Windows、macOS、および Docker コンテナーなどの多くのプラットフォームで利用可能です。 |
また、Amazon は、Corretto 8 および Corretto 17 という別のバージョンも提供しています。 |
開発環境
- Windows 11 Home 22H2 を使用しています。
WSL の Ubuntu を操作していきますので macOS の方も参考にして頂けます。
WSL (Microsoft Store アプリ版) ※ こちらの関連記事からインストール方法をご確認いただけます
> wsl --version
WSL バージョン: 1.0.3.0
カーネル バージョン: 5.15.79.1
WSLg バージョン: 1.0.47
Ubuntu ※ こちらの関連記事からインストール方法をご確認いただけます
$ lsb_release -a
No LSB modules are available.
Distributor ID: Ubuntu
Description: Ubuntu 22.04.1 LTS
Release: 22.04
この記事では基本的に Ubuntu のターミナルで操作を行います。Vim を使用してコピペする方法を初めて学ぶ人のために、以下の記事で手順を紹介しています。ぜひ挑戦してみてください。
Amazon Corretto 11 インストール
Amazon の公開鍵をダウンロードします。
$ sudo apt update
$ sudo apt install -y gnupg
$ wget -qO - https://apt.corretto.aws/corretto.key | sudo apt-key add -
Amazon Corretto 11 のリポジトリを Ubuntu に追加します。
$ sudo add-apt-repository 'deb https://apt.corretto.aws stable main'
Amazon Corretto 11 をインストールします。
$ sudo apt update
$ sudo apt install -y java-11-amazon-corretto-jdk
ここまでの手順で、Amazon Corretto 11 を Ubuntu にインストールすることができました。
Java のバージョン切り替え
Java コンパイラのバージョンを切り替えます。
※ 2 で Amazon Corretto 11 を選択します。
$ sudo update-alternatives --config javac
alternative javac (/usr/bin/javac を提供) には 5 個の選択肢があります。
選択肢 パス 優先度 状態
------------------------------------------------------------
0 /usr/lib/jvm/java-11-amazon-corretto/bin/javac 11100018 自動モード
1 /usr/lib/jvm/graalvm-ce-java17-linux-amd64/bin/javac 1017 手動モード
2 /usr/lib/jvm/java-11-amazon-corretto/bin/javac 11100018 手動モード
3 /usr/lib/jvm/java-11-openjdk-amd64/bin/javac 1111 手動モード
* 4 /usr/lib/jvm/java-17-openjdk-amd64/bin/javac 1711 手動モード
5 /usr/lib/jvm/java-8-openjdk-amd64/bin/javac 1081 手動モード
Java バージョンを切り替えます。
※ 2 で Amazon Corretto 11 を選択します。
$ sudo update-alternatives --config java
alternative java (/usr/bin/java を提供) には 5 個の選択肢があります。
選択肢 パス 優先度 状態
------------------------------------------------------------
0 /usr/lib/jvm/java-11-amazon-corretto/bin/java 11100018 自動モード
1 /usr/lib/jvm/graalvm-ce-java17-linux-amd64/bin/java 1017 手動モード
2 /usr/lib/jvm/java-11-amazon-corretto/bin/java 11100018 手動モード
3 /usr/lib/jvm/java-11-openjdk-amd64/bin/java 1111 手動モード
* 4 /usr/lib/jvm/java-17-openjdk-amd64/bin/java 1711 手動モード
5 /usr/lib/jvm/java-8-openjdk-amd64/jre/bin/java 1081 手動モード
バージョンを確認します。
$ java -version
openjdk version "11.0.18" 2023-01-17 LTS
OpenJDK Runtime Environment Corretto-11.0.18.10.1 (build 11.0.18+10-LTS)
OpenJDK 64-Bit Server VM Corretto-11.0.18.10.1 (build 11.0.18+10-LTS, mixed mode)
JAVA_HOME を確認します。
WSL Ubuntu の再ログインが必要です。Windows 11 のコマンドプロンプトで以下のコマンドを実行してください。ターミナルが終了したら、再度ターミナルを立ち上げてください。
> wsl -t Ubuntu-22.04
Ubuntu のターミナルで確認します。
$ echo $JAVA_HOME
/usr/lib/jvm/java-11-amazon-corretto
※ 環境変数が Amazon Corretto 11 に変更されていることを確認できました。
このように Java JDK のバージョンをプロジェクトにあわせて手軽に切り替えることが出来ます
Hello World を表示する手順
プロジェクトフォルダを作成します。
※ ~/tmp/hello-java をプロジェクトフォルダとします。
$ mkdir -p ~/tmp/hello-java
$ cd tmp/hello-java
Java ソースファイルを作成します。
$ vim HelloWorld.java
ファイルの内容
public class HelloWorld {
public static void main(String[] args) {
System.out.println("Hello World!");
}
}
コンパイルします。
$ javac HelloWorld.java
実行します。
$ java HelloWorld
以下のように、ターミナルに "Hello World!" と表示することが出来ました。
Hello World!
ここまでの手順で、Amazon Corretto 11 を Ubuntu にインストールして Hello World! と表示することができました。
まとめ
- Ubuntu に Amazon Corretto 11 をインストールして、AWS に対応可能な開発環境を構築することが出来ました。
実際の開発では、軽量なテキストエディタである VS Code や、IDE (統合開発環境) を使用して、Java プログラムを開発することが一般的です。しかし、javac コマンドでコンパイルしたり、java コマンドでクラスファイルを実行したりすることも、AWS 開発環境を理解する上で役立ちます。
どうでしたか? Window 11 の WSL Ubuntu に、Java の開発環境を手軽に構築することができます。ぜひお試しください。今後も AWS の開発環境などを紹介していきますので、ぜひお楽しみにしてください。