謎ロゴとの出会い
先日、YouTubeでプログラミング関係の動画を見ていたらJavaScriptの話題とともにこんな画像が出てきました。
これを見て僕は「あちゃー、JavaとJavaScriptを混同しちゃってるのね 初心者よくある、どんまい」と思い、コメント欄に「JavaとJavaScriptは別物ですよ😃」と書き込み、送信ボタンを押そうとしたその瞬間、突然嫌な予感がしてその手を止めました。
(いや、動画内で一瞬表示させるためにJavaのアイコンとテキストを組み合わせてロゴを作ったとは思えないし、このロゴは本当に存在しているのでは…?)
ググってみたら案の定、素材として配布されているロゴでした。
JavaScriptの公式ロゴ
現在、JavaScriptに公式ロゴは存在しません。(そもそも現在の「公式」というのがEcma InternationalなのかMozillaなのかJavaScriptの商標を持っているSun/Oracleなのかという話もあるのですが)
よく見かける、黄色地に黒文字でJSと書かれているロゴは「JS Logo By The Community」です。
盾っぽいロゴはW3CによるHTML5のロゴに合わせて同じスタイルでCSS3とJSが作られたものだと思われます。(W3CがCSS3のアイコンを提供しているにもかかわらず、別でCSS3の盾デザインが存在しているので、その流れでJSも作られたのではと思っているのですが、ソース無しなので自信ないです)
なのでこの謎ロゴが存在する理由として以下のものが考えられます。
- 過去にいずれかの公式だったもの(あるいはそれを加工したもの)
- JavaScriptコミュニティ向けなど何かしら真面目な理由で作られたもの
- Java≠JavaScriptのパロディとして作られたもの
1はかなり大穴ですが、Java人気にあやかってLiveScriptがJavaScriptに名前を変えたくらいなので、当時はJavaに合わせたロゴにしていたという可能性は捨てきれません。
謎ロゴの出自を探る
謎ロゴ自体の出自がわかれば話は簡単なのですが、画像検索をしてみても素材配布サイトばかりヒットしてなかなか情報が出てきません。
代わりにJavaScriptの歴史を紹介するスライドや記事、コミュニティカレッジのコース紹介などで登場しているのを発見しました。
やっぱり過去に公式ロゴだったのでは?という気持ちが出てきます。
JavaScriptの過去のロゴを探す
NetscapeのJavaScriptドキュメント(Internet Archive)やEcma International、Mozilla、Google Booksで初期のJavaScriptの洋書、YouTubeのNetscape利用動画などを当たってみましたが、JavaScriptのロゴは謎ロゴ含めて全く登場しません。
アメリカ合衆国特許商標庁の商標検索では図案付きのJavaの商標(Serial Number 76495912)は見つかったもののJavaScriptの商標(Serial Number 75026640)には図案がありませんでした。
いかがでしたか?
JavaScriptの謎ロゴについて調査してみましたが、結局わかりませんでした。
このロゴを知っているよ!という方がいましたら、ぜひコメント欄で情報をお寄せください。
謝辞
もともとはQiitadonに何気なく投稿した謎ロゴの話ですが、ユーザーの皆さんの協力があってこの記事がまとまりました。
一緒に調査してくれた方、⭐で後押しをしてくれた方、ありがとうございます。
(もし記事に事実誤認やつまらないジョークが含まれていた場合、その責は私にあります)
おまけ
謎ロゴが載ってる謎ページ
http://computerprogrammingsteppingstone.weebly.com/java-script.html
白背景に白文字の怪しさもさることながら、さらに新しい謎ロゴが登場して調査団を混乱させる。
新しい謎ロゴはGoogleの画像検索では類似画像が見つからないものの、Bingの画像検索に突っ込んだところ機械的に作られたロゴらしいと判明するが、それでもやっぱり存在が謎すぎる…