概要
携帯電話を充電していると、USBのアダプタやモバイルバッテリーの給電能力はもちろん、接続する充電ケーブルによっても充電時間に大きな違いが出てくるという感覚がある。そこで、手元にあるUSBの電流測定器を用いて、流れる電流にどの程度の違いが出るものなのか、調査してみた。
実験方法
手元にあった、USB Power checker(RouteR製)を用いて、手持ちのiPhone13に充電を行う際の供給電流の比較を行った。また、使用した電源、対象としたケーブルは次のとおり。
実験に用いた電源
実験に用いたUSBケーブル
実験結果
初めに、それぞれの電源について、無負荷時の電圧の観測を行った。結果は次のとおり。なお、EC-AC22WHには無負荷時の出力停止がかなり早く設定されているようで、少々測定に手間取った。
電源名 | 無負荷時電圧 |
---|---|
SMARTCOBY Pro PLUG | 5.29V |
EC-AC22WH | 5.05V |
Note PC | 5.08V |
次に、iPhone13のバッテリー残量を変化させながら各ケーブルでの充電電流を測定した。なお、測定に当たっては、起動しているアプリをすべて停止し、通信機能をOFFにした。
バッテリー残量75%時
電源名 | 光るケーブル | type C 分割 | microB兼用 |
---|---|---|---|
SMARTCOBY Pro PLUG | 1.5A | 1.00A | *1.06A |
EC-AC22WH | 1.3A | *1.06A | *0.96A |
Note PC | 1.2A | *0.96A | *0.39A |
バッテリー残量50%時
電源名 | 光るケーブル | type C 分割 | microB兼用 |
---|---|---|---|
SMARTCOBY Pro PLUG | *2.02A | *2.05A | *1.85A |
EC-AC22WH | *1.83A | *1.93A | *0.95A |
Note PC | *1.63A | *1.51A | *0.39A |
バッテリー残量35%時
電源名 | 光るケーブル | type C 分割 | microB兼用 |
---|---|---|---|
SMARTCOBY Pro PLUG | *2.03A | *2.04A | *1.93A |
EC-AC22WH | *1.74A | *2.03A | *1.70A |
Note PC | *1.55A | *1.62A | *0.36A |
結果の考察
microB兼用ケーブルについては、NotePCとの接続時に目立って電流が小さくなっている。通信機能を持っているため、NotePCとの接続時には充電電流が制限されているのかもしれない。これは、ほかの端末でも起こることなのか、iPhone特有の現象なのかはわからない。
また、数字の上では、光るケーブルが一番安定して電流供給ができているように見えるが、思ったよりも電流値が暴れて、正確な測定ができていない。また、実験を行っている中で、バッテリー残量が増えてくると、それに伴って充電電流が減ってくる傾向も見られた。電流測定を行う順番が影響を与えることも考慮しなければならない。
本来であれば、開始状態をそろえて、充電にかかる時間を評価するほうが良いのだろうが、この手法での実験には時間がかかり、簡単には結果を出せない。この計測器には、mAhを計測する機能もあるので、次は、ある電流を流す時間から、平均値を取る方法を試すことにしたい。
そして、100円ショップのケーブルを評価しておいてどうかと思うが、モバイルバッテリーの炎上等が問題になっており、電源周りには、それなりにお金をかけたほうがいいと思う。