この記事を書くきっかけ

2014年に、Babel から必要な言語パックだけ選びましょうというタイトルではてなダイアリーに日本語化の注意点を書きました。その時は、Eclipse の Version は Luna という単語で表現されていました。

それから5年経過したところ、rt.rap の言語パックを選択するとトラブルになり、外すと解消する、という報告を @onozaty さんからいただきました。わたしの環境でも起きるか確認してみました。

調査の準備。必要な言語パックだけ選択

確認には、Eclipse 2019-06 の Java 開発環境を使用しました。(これは、メニューからヘルプ＞Eclipse について　を選択してダイアログを Welcome（ようこそ）画面と一緒に表示したものです。Babel 言語パック適用後の状態です)

メニューから Help(ヘルプ)＞Install New Software(新しいソフトウェアをインストール)を選び、Work With(作業対象)欄に Babel R0.17.0 の 2019-06 用データ (https://download.eclipse.org/technology/babel/update-site/R0.17.0/2019-06/) を選びます。

言語パックのリストを表示するまでにしばらく時間がかかります。表示されたら、Babel Language Packs for Japanese を選びます。この時にチェックボックスにチェックしてはいけません。
左端の＞記号をクリックしてツリーを広げてから、個別の Babel Language Pack だけにチェックをつけていきます。

下の2枚の画像では、eclipse, emf, mylyn, technology.egit, technology.jgit, technology.packaging.mpc, tools.gef, webtools の8種類にチェックをつけました。

次の確認画面で選択した種類を確認できます。それぞれの重要度および影響を受ける機能をまとめました。

パック名	重要度	影響を受ける機能
eclipse	★★★	必須です。各所に影響します
emf	★	適用しなくてもOK。モデリング・フレームワーク
mylyn	★	Mylyn によるタスク管理
technology.egit	★★	Git によるコード管理
technology.jgit	★	同上
technology.packaging.mpc	★	マーケット・プレイス
tools.gef	★	適用しなくてもOK。色パレット
webtools	★★	Web 開発および XML 編集

キー画面の表示を確認

今回報告をいただいた検証がおきるか、確認してみます。
rt.rap パックをまだ入れていない状態では正常に表示できます。

rt.rap パックを入れたあとに同じ画面を表示すると、Invalid thread access が表示されます。

rt.rap パックと eclipse パックとの間で競合が起きている模様です。

過去に、rt.rap パックの中には、org.eclipse.rap で名前が始まるプラグインの翻訳データだけを含むようにしてほしい、とリクエストを出したのですが、再発しているのでしょうか。別途確認してみます。
https://bugs.eclipse.org/bugs/show_bug.cgi?id=411460

ちなみに私の環境では、rt.rap パックを除去してから同じ画面を表示してもエラーを起こし続けました。ワークスペースをクリーンしても、ini ファイルに clean を記述してもダメでした。
報告では rt.rap パック除去後はエラーが解消したとのことですので、何か残り続けてしまっているものがあるかもしれません

余談。過去のバグが再発していないことを確認

2014年の Eclipse Luna で、パッケージ・エクスプローラーで右クリックするとメニューが表示されない、という話がありました。
rt.rap をまだ入れていない状態の Eclipse 2019-06 でバグが再発していないか確認します。問題ありませんでした。

この件については、rt.rap パック追加しても再発しませんでした。

まとめ

Eclipse の Babel 言語パックのうち、rt.rap パックを適用するとトラブルが起きることがあります。Babel Language Packs for Japanese で選択されたすべてのパックを適用する代わりに、本当に必要なパックのみを選んで適用することをおすすめします。
環境により rt.rap パックを除去しても問題が発生し続ける場合があるようです。