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プロジェクトマネージャーが持てるスキルをすべて活用して婚活を実施した結果

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序文

この記事はFLINTERS10周年記念として133日間ブログを書き続けるチャレンジの72日目の記事です。

私事ですが今年6月に結婚しました!そこに至るまでの流れでプロジェクトマネジメントを中心に自身のスキルすべてを用いて婚活を行いました。その時のお話を記載しようと思います。

前提

なんで婚活したか?という所なのですが以下が主な理由となります。

  • リモートワークが長く、人と面と向かって会話してなかった
  • 対面でのコミュニケーションが元々得意ではなかったのに、する機会が増えそうだったから
  • 知り合いで結婚相談所を経営してる人がいて、上記を相談したら婚活してみる?と提案されたから

そんなこんなで婚活をすることになりました。結婚をしたいじゃなくて人と会話したかったからというのがスタートでした。
この理由はコロナ禍前の自分からは想像もできないものでした。人と会話するのそこまで好きじゃなかったので。

目標

なんらかの活動をスタートする時には目標が必要です。婚活の目標なら結婚だろ?と思うかもしれませんが、前提の部分に記載した通り、人と会話するのが目的なので結婚は目標になりません。

ただ会話すると言っても、結婚相談所は結構お金使います。ただ人と話すのでは割に合いません。そこで結婚相談所の婚活におけるコミュニケーションがどのようなものかを考えました。

自身の人生に大きな影響を与える相手を探す場所。

まぁこれにつきるのかなぁっと。こういう場でのコミュニケーションは大変シビアなものであることが想像されます。
なのでコミュニケーション能力を磨くにはちょうどいいのかなと思いました。

その考えのもとに婚活における私の目標は
コミュニケーション能力の向上
になりました。

なので結婚相談所に行くではなく、ビジネススクールに入会し、コミュニケーション能力を向上しにいく!という風にこの時点で脳内変換していました。(後述に出てくる相談員の方はそこの講師といった感じで認識してました)

戦略

さて婚活における目標を定めたのはいいですが、どのようにして目標を達成していけばいいのでしょうか?
幸い結婚相談所での婚活では相談員という頼れる人がいます。この人に協力してもらいどのように進めていくのかを相談しながら決めていくことができます。

ここで重要なのは相談員は相談をしてくれる人ということです!

何を当たり前なことを?と思うかもしれませんが、金払ってるんだから全部やってくれるだろ?みたいな感覚だと前に進まないということです。相談員はあくまでも相談に乗ってくれる人、物事を進めるのは自分です。

色々相談員の人と話してて感じたのはこれはプロジェクトだなということです。婚活はとにかくハードなので、短期決戦で!だったり、期間を設けてどう進めていくかを考えるのが非常に重要であるということを相談員から聞いたからです。

プロジェクトとしてみなせばやることは見えてきます。私はまずインセプションデッキの作成を実施しました。
これは結果としてとてもよいアプローチでした。相談員の人との期待値やら認識を合わすのに有効でした。やはりインセプションデッキ重要です。ちなみに内容はこんなノリでした。

インセプションデッキ

私たちはなぜ、ここにいるのか?

私のコミュニケーション能力向上及び、ワンチャンで結婚

エレベーターピッチ

リアルでの対面コミュニケーション能力向上することにより、社会人としてのレベルアップを目指しつつ、ついでにいい人を探す​

(ここでは相談員の人に私の婚活PJを説明するための文言という風にチューニングしています。)

やらないことリスト

外見に関わる意思決定を私がしない(メタル好きの服のセンスは壊滅的なので)

期限を決める

  • 最初の一か月中で継続可否を判定
    • 最初は最速で失敗するために最速でお見合いを組み最速でお見合いを実施し、失敗しフィードバックサイクルを回す。
  • 三か月以降でそれまでの経験を元に戦術を構築する
    • 最初の三か月は様子見、その後本気を出して継続するかやめるかの判断をする
    • 継続の場合は髪を切ってプロフィール写真を撮りなおして清潔感を押し出す
    • 写真変えた前後のお見合い申し込み受諾率とか振られるまでのデートの回数とかを可視化
  • 五か月~八か月の間に一回でも真剣交際にもっていく
  • 最長1年

何がどれだけ必要か

  • スキル
    • ヒアリング能力
    • デート設定能力
    • 各種年代での会話デッキ
    • 美容系の能力
    • 衣服のメンテナンススキル

内部では全部ちゃんと作りましたが、一旦イメージを掴んでもらうものとしてはこんな感じでしょうか。この情報を元に相談員の人にどのように活動をしていくかの認識のすり合わせを実施していました。

ピラミッドストラクチャー(クリティカルシンキング)

グロービスのクリティカルシンキングにて出てきたコミュニケーションのスキルを用いて婚活を実施することにしました。

お見合いを実施する時に相手の自己紹介の文言を情報源にピラミッドストラクチャーを作成、それを元に会話デッキを組み立てていくことを実施していました。

基本的にイシューは「次にまた会いたいと思えるか」でした。
これはお見合いにしろデートにしろ次があることが重要と思ったからです。

イシューを支える根拠としては

  • 価値観の一致
  • 最低限の礼儀
  • コミュニケーション能力
  • 清潔感

を軸にしていました。

マーケット調査/分析

プロジェクトを進めるに当たって必須のマーケット調査です。婚活の調査とかどうすればいいんだ・・・と最初は思いまいしたが、相談員の人と話しながら色々調査の軸を増やしていきました。

調べてみると結構結婚相談所の経営している人が情報を発信してくれています。基本的にそれらの人の情報をメインとしています。統計データや、論文をもとに語るエンジニアが好きそうな人もいれば、主観とパッションゴリ押しな人もいるのが面白かったです。

あとIBJ加盟店に入ると婚活ウェディングブックというものがもらえます。これも婚活において網羅的に情報が記載されていたのでとてもよかったです。ちなみに私は女性に配布されるものも気になったのでこちらは別途購入しました。

同じ婚活してる人のSNS等の情報は、うまくいってるかどうかわからない情報なので、参考にするのは危険と判断しました。

さらにIBJでは成婚白書という成婚者の統計上を出してくれています。これはとても面白いデータです。自身がどのような人と比較されているのか?自身の活動は成婚者と比較して良い状態なのか?悪い状態なのか?を知る大きな手がかりとなります。

実行

ここまで来たらあとは実行するだけです。

入会後アプリやら会員サイトへのアイパスが共有されます。その後やることはもちろんデバッグ作業です!
開発者ツールを開きあれはどうなってる?これをこうしたらどうなる?と2日間くらい遊び倒したあと、普通に婚活をスタートしました。(なお相談員の人にバグ報告したら笑われました)

IBJの婚活には厳格な流れ、ルールがあります。大まかな流れは以下になります。

婚活の流れ

お見合い申込→お見合い→ファーストコール→仮交際→真剣交際→成婚退会

流れ 概要
お見合い申込 アプリからお見合いを申し込むことを指します。相談所によって月の申込数上限があったりします。
お見合い 上記の申込でOKもらったら、実際に合って小一時間お話することを指します。オンラインでもできたりします。が私は目的的にオフラインのみ実施してました。
ファーストコール 上記のお見合いでお互い仮交際に行ってもよいと判断された場合に、電話をして最初のデートの約束をすることを指します。
仮交際 相談員いわく、友達以上恋人未満の状態。この状態で3~n回デートを繰り返し、結婚相手としてどうかを見極めていきます。この期間は1〜3ヶ月くらいで、複数の人との並行交際がOKとされています。
真剣交際 結婚を前提にお付き合いしている状態。この状態から並行交際、お見合い申込がNGとなり、一人と向き合う状態となります。この期間は1〜3ヶ月くらい。
成婚退会 プロポーズ成功後、成婚退会料を相談所に払って退会するところまでを指します。この後実際に入籍するまでは二人で進めるのが基本となります。

各流れの間で合わないなと判断される、判断するとお断りとなるわけです。

婚活の実行方針

各フェーズ毎に目的が異なりますので、ピラミッドストラクチャーを相談員の方にレビューしてもらいながら婚活を進めていきました。プロジェクトにおける主要ステークホルダーとのMTGの事前準備みたいなものです。

今までは事前準備がメインでしたがここからは実行フェーズです。ここでもソフトウェア開発の基本的な営みを参考に進めました。

  • 機能に対する様々な事前調査/検証
  • コードを書く
  • ユニットテストを書く
  • レビュー実施
  • 結合テスト等各種テストの実施
  • 本番反映
  • サーバー等のモニタリング
  • 働き方の改善

これらを婚活で実施するとこんな感じでしょうか?

  • お見合いやデートの場所のレビュー、事前に現場に赴き場所や支払い方法等の確認
  • お見合いやデート時の会話の流れをピラミッドストラクチャーを用いて記載
  • 上記会話の流れや会話デッキを問題なく切り出せるようにする、シミュレーションの実施
  • 服装、化粧のレビュー
  • お見合いやデートの実施
  • 次回のデートの取り付けのためのLINEでのやりとり
  • 上記のような同期的コミュニケーションやLINEのような非同期コミュニケーションのレビューをしてもらう
  • お見合いやデート完了時のフィードバックを元に振り返りを実施

このように普段プロジェクトを回すときと同じように、を心がけて婚活を進めました。

その結果なのかはわかりませんが、インセプションデッキで記載していた下記の

最初は最速で失敗するために最速でお見合いを組み最速でお見合いを実施し、失敗しフィードバックサイクルを回す。

はスケジュール上ほぼ最速で実現!この時点手応えを実感したのもあり1ヶ月でやめるという選択肢はなくなり、少なくとも3ヶ月は婚活やろうという認識になりました。

複数交際中のデートの設定はかなり大変で、デート場所の選定やスケジュール調整。ピラミッドストラクチャーの構築、レビュー、各デートでどの人にどの会話デッキを切ったのかの管理、あとシンプルにお金wとマネジメントすべきものが多くて大変でした。

といっても関係する人数が大したことないので、スプレッドシートとgoogleカレンダーで十分管理できるものでした。

またデート自体も一般的なデートとは異なり、私はコミュニケーション能力向上のためやっていたので、相手に悟られないようにしつつも実際にはクライアントの接待をしているような感覚で実施していました。ただ完全に営業みたいな感じでいくとそれも相手に悟られるので、そこのバランス感覚がとても難しかったです。

こんな時にアジャイルソフトウェア開発宣言を思い出しました。

プロセスやツールよりも個人と対話を、契約交渉よりも顧客との協調を、計画に従うことよりも変化への対応をより価値があるものとすればいいのです。

事前準備をしっかりしつつ、目の前にいる人との対話、協調を大切にし、計画がうまくいかなかったときには変化すればいいのです。

結果

10月後半に婚活を開始
12月序盤に真剣交際を開始
2月下旬に成婚退会となりました。

その他の結果の情報は以下となります

お見合い申込数 16
お見合い申受数 5
お見合い回数 6
交際数 5
交際日数 89
デート回数 29

89日中29回デートという時点で如何に婚活がハードであるかということがわかると思います。実際めっちゃ大変でした。

成婚白書と色々比較したのですが婚活市場の中でもそこそこなパフォーマンスが残せたので、プロジェクトマネジメントや自身のキャリアで得たスキルを持って婚活市場でも十分に戦えた!ということがとても嬉しかったです。

上記の数値を理由にコミュニケーション能力も一般的な成婚退会者と同等レベルにはあるといえそうだったので、コミュニケーション能力の向上という目標も果たせたのかなと思います。

総括

ここまでの書き方だと、全然楽しくなさそうに見えてしまうかもですが、自分としてはやったことないことや知らないことだらけの事を体験できてとても楽しかったです。

あと最終的にいい人が見つかり結婚するかどうか?みたいになった時には自分は結局どうしたいんだろう?みたいな自分を見つめなおす事を真剣にできたのも非常に良い機会でした。

最終的に成婚白書との比較の情報やこの記事のような情報をすべてまとめ、婚活レポートとして相談員さんに提出したら爆笑されました。

ということで、プロジェクトマネージャーが持てるスキルをすべて活用して婚活を実施した結果、結婚できてしまったというお話でした。

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