#はじめに
会社の上司から是非とお勧めいただき、急遽2日前にきめて行ってきました。
恥ずかしながら自身は存じ上げていなかったために、見たい講演はなかなか埋まっていてショックでしたが。。
その中でも興味深いブースが多かったので、CEATECの開催趣旨等も含めて、以下に記載しています。
1/2では、主に視聴した講演内容について記載していこうかと。
CEATECとは
開催趣旨
「CPS/IoT」と「共創」を軸としたビジネス創出を目的とした、経済発展と社会的課題の解決を両立する「超スマート社会Society5.0」の実現を目指す。
参考URL
#Society5.0:超スマート社会
これは、「2050年頃の社会にあるべき姿」とされ、2030年を目途に具体化するのが現段階での目標であると言われている。
第5期科学技術基本計画では
「必要なもの・サービスを、必要な人に、必要な時に、必要なだけ提供し、社会の様々なニーズにきめ細やかに対応でき、あらゆる人が質の高いサービスを受けられ、年齢、性別、地域、言語といった様々な違いを乗り越え、活き活きと快適に暮らすことのできる社会」
と定義されており、要はより細かいニーズの引き出し、実現を、5G × IoT × AI 等のIT技術を積極的に組み込むことで叶えよう、という試みである。
Society5.0の「5.0」はバージョンを表しており、それぞれ以下の通り。
- 1.0 :狩猟社会
- 2.0 :農耕社会
- 3.0 :工業社会
- 4.0 :情報社会(現在)
IoTやAIの活用は「第4次産業革命」とされている。
SUMMIT
以下、それぞれ実際に見てきたサミットです。
自分が見たものとしては、それぞれ
- デジタルトランスフォーメーションに対する企業間の見解の相違
- ゼロトラスト
- Bluetooth
のテーマで講演が行われていました。
AI Summit ~DXを実現するAI技術の利活用とその課題~
Philipsにおけるデータに対する価値観
データシェアリング/プラットフォーム化
企業一社一社が抱えるデータが多すぎる。
これにより、各企業にとって以下の大きなリスクが伴う。
- コスト超過
- データの流出リスク増大
企業が持つデータをシェアするためのプラットフォームを構築することで、特に医療においては患者に対して最大の貢献ができる。
Amazonにおけるデータに対する価値観
余計なデータを、始めから頂かない
amazonでは、データを持つことに恐れを感じている。
そのため、販売・金融データのみしか持たないようにしている。
顧客の属性は考慮せず、カスタマージャーニーを全てとし、Situation Marketingを行う。
#####所感
あれだけ巨大なデータを持っているamazonが属性等の顧客情報を「いらない」といっているのは、それを可能にする販売基盤を構築してきたからであるものですが、一喝した後は苦笑いしてしまいました。データを持つことが怖いという点も、意外でありながら納得のいく話でもありました。
IoT時代のゼロデイ攻撃と防御、受け入れ必至の"Zero Trust"
- ゼロデイ攻撃
新たな脆弱性(セキュリティホール)が発見された際に、問題の公表や対策、修正が行われる前に攻撃を行うサイバー攻撃。
対策を取る日を一日目と考え、それより前に行われるので0日目=ゼロデイ。
- Zero Trust
「Trust」を「確認しないこと」と捉え、ゼロトラスト=「一切信用しない、必ず確認すること」という考え方。
一切信用せずにシステム管理を行うこと。
コスト高、リソース超過、短期間での非効率化と一見してデメリットが多く感じられるが、これらはIT技術の発達により
解決する問題であり、それを基にしたZero Trustが世の普遍となる。
#####所感
最初にゼロデイ攻撃やゼロトラストについての軽い説明をし、そのあとはサイバー攻撃の事例を紹介する講演でした。
Linuxのsudo権限で実行されてしまう脆弱性や、Eclipseのプラグイン「Eclipse Code Decompiler」に使用者のグローバルIPを公開したり勝手に広告をクリックするようなマルウェア混入の話等、なかなか怖い内容で興味深かったです。
方向検知機能によるBluetooth位置情報サービスの拡張
従来のBluetooth位置情報サービス
1. 近接通信ソリューション
2台のデバイスの位置関係を把握し、そのデバイス間のおおよその距離を推定。
それを可能にするのは、以下の二つのソリューション。
-
探索ソリューション(個人所有物のタグ)
鍵や財布などの持ち運ぶものに、「スマートタグ」や「忘れ物防止タグ」と呼ばれる
小型のバッテリー駆動式Bluetoothデバイスを取り付けることで、関連アプリを使用してスマートフォンのBluetooth通信によって
タグを探知し、特定のタグまでの距離を推定することができる。 -
POI情報ソリューション(近接マーケティング)
小型でバッテリー駆動のBluetooth発信機「ビーコン」によって、近くにあるBluetoothの情報を収集することができる。
例えば、小売施設での買い物客別の購入商品情報等を取得することができる。
2. Bluetooth測位システム
デバイスの物理的な位置を検知し、知らせるためのシステム。
現在、数メートル単位でデバイス位置を絞り込める。
測位システムの中でも最もよく使われているのが以下の二つのシステム。
- リアルタイム位置情報システム(RTLS)
資産および人の追跡に用いられるソリューション。
施設内の決められた場所にBluetooth信号を受信する「ロケーター」を設置する。
そして、各ロケーターは「ロケーションエンジン」という集中管理サーバに接続されている。
追跡したい資産や人に「タグ」と呼ばれるBluetooth発信機を取り付け、各ロケーターは
タグから周期的に発信される信号からタグとの距離と受信信号強度を検知してロケーションエンジンに報告する。
これにより、エンジンは受け取った情報と各ロケーターの位置を基に、三辺測量によってタグの位置を推定する。
- 屋内測位システム(IPS)
ショッピングモールの買い物客や空港の利用者などに対して施設内の道案内を行うためのシステム。
Bluetoothの受信機や発信機の代わりに、ロケータービーコンと呼ばれるものが施設内の決められた位置に配置され、
訪問者はスマートフォンのアプリと、スマートフォンのBluetooth通信を使ってロケータービーコンを探知する。
アプリはどのビーコンを探知したかという情報と、そのビーコンの位置と受信信号強度から三辺測量を使って現在の位置を算出する。
Bluetoothによる方向検知
追加された方向検知機能では、位置を特定したデバイスから見た、他のデバイスの位置を特定することができる。
これにより、従来のRTLSとIPSソリューションの位置情報精度が格段に向上し、数メートル⇒数センチの単位の精度を実現できる。
-
受信角度(AoA)による方向検知
方向を特定されるデバイスが、RTLSのタグのように単一のアンテナから特殊な信号を発信する。
受信デバイスでは、複数のアンテナを配置したRTLSのロケーターのように受信し位置を特定する。
また、各アンテナ間の距離は異なるため、アンテナごとに受信角度が異なる。この角度から信号の相対的な方向を計算する。 -
放射角度(AoD)による方向検知
AoAとは逆に、IPSのロケータービーコンのように施設内の各所にある発信機が複数のアンテナから信号を発信し、
それをデバイスが単一アンテナで受信することで、各アンテナとの角度からデバイスの相対的な方向を計算する。
これによりどんなことが可能になるか
- ウェアハウス等での物の正確なトラッキング
- 巨大駅での各訪問者の正確なポジショニング
#####所感
何の気なしに使用していたBluetoothについて、仕組みからサービス内容、方向検知の実現やBluetoothの方針・方向性まで知れる点で、個人的に満足のいく講演でした。
強いて言えばそれによって何が可能になるのか、その意外な活用可能性まで含めて知りたいなという気持ちはありました。
#全体的な感想
各所が話題のテーマに対してどの程度の温度感で接しているか、その違いも含めて興味深い点が多かった印象です。
個人的に興味深いブースのみについて記載しましたが、それ以外には現在注目されている技術(IoT、AI、5G等)を各社サービスでどう活用していくか、がメインでありましたが、データレイク等の技術よりのブースもあり、そちらの方が個人的に聞いていて面白かったです。
来年は今年とはまた違った内容になっているのかなと、楽しみにしています。