はじめに
ヒートマップ上で特定の値を示す部分に斜線（'/'）を描きたかったので，メモ．
やりたいこと
以下のようなヒートマップで，特定の値の部分を斜線でいい感じにしたい．
%matplotlib inline
import matplotlib.pyplot as plt
import numpy as np
np.random.seed(0)
Z =np.random.rand(10, 10)
Zm = Z * 0
Z[3:5, 5:8] = 1
fig, ax = plt.subplots(figsize=(9, 7))
ax1 = ax.pcolormesh(Z)
fig.colorbar(ax1)
上の図では，Z[3:5, 5:8] = 1として図の一部の値を1に設定しています．
このZ[3:5, 5:8]の部分に斜線を引きます．
解決方法
最終的なコードは以下．
%matplotlib inline
import matplotlib.pyplot as plt
import numpy as np
np.random.seed(0)
Z =np.random.rand(10, 10)
Zm = Z * 0
Z[3:5, 5:8] = 1
fig, ax = plt.subplots(figsize=(9, 7))
ax1 = ax.pcolormesh(Z)
Zm = np.ma.masked_where(Z!=1, Z)
ax2 = ax.pcolor(Zm, hatch='/', edgecolor='grey',facecolor='none', linewidth=0.0)
fig.colorbar(ax1)
何をしているか
上記のコードで，最初と異なるのは以下の2行です．
Zm = np.ma.masked_where(Z!=1, Z)
ax2 = ax.pcolor(Zm, hatch='/', edgecolor='grey',facecolor='none', linewidth=0.0)
1行目：行列のマスク
一部のみ斜線で示すために，コードの1行目でその部分を表す行列（Zm）を作成しています．
numpy.ma.masked_where を用いることで，条件に該当する部分が無効にされた（マスクされた）行列を作成することができます．
参考：numpy.ma.masked_where 公式ドキュメント
もともとの行列（Z）とマスクされた行列（Zm）は以下のようになっています．
行列の中身を見ると，Zmでは，条件式(Z!=1)に該当する要素以外は--で表されています．
プロット時にこの行列Zmを用いることで，条件式に該当する部分は無視してプロットを行うことができます．
2行目：hatchで斜線を描画
参考：python – matplotlib 2.0で領域をハッチのみ（背景色なし）で埋めるにはどうすればいいですか？
コードの2行目では，行列Zmを用いて斜線を描画しています．
matplotlib.pyplot.pcolorでは，以下のパターンのhatchを用いることができます．
/ - diagonal hatching
\ - back diagonal
| - vertical
-
- horizontal
-
- crossed
x - crossed diagonal
o - small circle
O - large circle
. - dots
- crossed
-
- stars
参考：matplotlib.collections.Collection.set_hatch
ここで使用したオプションは以下の通りです．
-
edgecolor：hatch の色 -
facecolor：hatchの背景色．'none'に設定することでヒートマップの色を残してhatchのみを表示させることができる． -
linewidth：グリッドの太さ．0より大きい値を指定するとグリッドが表示される．
オプションを変更したときの図の外観は以下のようになります．
（ax.pcolorの行以外は最終的なコードと同じです）
ax2 = ax.pcolor(Zm, hatch='/', edgecolor='grey',facecolor='none', linewidth=1.0)
ax2 = ax.pcolor(Zm, hatch='/', edgecolor='grey',linewidth=0.0)
ax2 = ax.pcolor(Zm, hatch='/', edgecolor='red',facecolor='none', linewidth=0.0)
