はじめに
エンジニアをやっていればシステムトラブルと無縁ではいられません。システムトラブル時は対応しているエンジニアも復旧できるか不安でしょうが利用者や関係者は状況がわからずもっと不安になっています。
そこで本記事では技術的な問題解決の仕方ではなく、システムトラブル時に関係者がどのように思っているか、またエンジニアとしてどのように関係者の不安な気持ちと向き合ったほうが良いのかということを記載します。
特にお客様や多方面への報告の経験が少ない人向けの記事となっておりますので、普段からお客様や関係者と向き合う人にとっては当たり前のことかもしれません。
システムトラブル時の対応
システムトラブル時にエンジニアや関係者は様々な対応をとると思います。
1.システムトラブル内容の特定
2.ログの収集・調査・分析
3.影響範囲確認
4.原因特定
5.復旧方法検討
6.各所への伝達・報告
7.再発防止策の検討
8.同様の問題が他のプログラムにはないかの確認
等
※セキュリティ事故の場合はサービス継続検討などもありますし上記以外にも色々あります。
今回は
6.各所への伝達・報告の時に意識したほうがよいと思っていることを書いてみます。
各所への伝達・報告
システムトラブル時にはエンジニアは原因調査や影響範囲の特定などに集中するため普段はエンジニア自身は直接の上司への報告が多いのではないでしょうか。しかし、最終的には上司を通じて社内の責任者やお客様など様々な方面への報告を行うことになります。最終的に報告を受け取る人を意識してどのような方向を行えばよいのでしょうか。
大きなシステムトラブルが起こったりトラブルが繰り返したりしている場合、システム関係者は大きく分けて、不安 という感情を持っていると考えています。
エンジニアの皆さんが報告する際にはこの不安という感情を解消する内容になっているかを意識してみると、報告のクォリティが上がるのではないかと思っています。
不安
不安=これからどうなるかわからない状態。例:トラブルが再発しないか、ほかにもないか、いつ解決するのかわからない。
システムトラブル発生時には、システム利用者や関係者は、いつシステムが再開されるのか・業務影響はどの程度なのか・再発はしないのか・他に同様の問題はないのかという不安な気持ちが生じます。
従って、システム利用者や関係者にはこれらの不安を払拭するための報告を意識してみるとよいでしょう。
いつシステムが再開されるのか
もちろんこれがわかっていれば話は簡単です。しかし、システムトラブルの原因がわからなければ再開のめどは立ちません。その場合、何がわかっていて何がわかっていないのか問題点や課題を可視化・明確化することにより、多少不安を和らげることができると思います。何がどうなっているかわからない、先行き不透明な状態が最も不安になるので問題点や課題をきちんと可視化しましょう。
また、問題点が明確になっていれば問題解決に対するプランを提示できればより不安な気持ちが減少します。
どうしても調査や問題解決に夢中になるあまり報告がおろそかになってしまいがちなので、時間や日程をあらかじめ決めておいて定期的に中間報告することも安心材料になるでしょう。
再発はしないのか・他に同様の問題はないのか
このあたりは、システムトラブルから復旧した後に不安になるポイントです。復旧した後で構わないのでこういった観点の報告も積極的に行っていくとシステム利用者や関係者の不安が軽減されるでしょう。
おわりに
以上、非常に簡単な内容ではありますが、皆さんのお役に立てれば幸いです。