n分の1の確率で当たる宝くじ
確率$\frac{1}{n}$で当選する宝くじを$n$個購入することを考えます。
$n$個のうちひとつでも当選すればよいので、当選する確率$P_n$は$1$からひとつも当選しない確率を引いた値で表すことができます。
$$ P_n = 1 - \left( 1 - \frac{1}{n} \right)^n $$
たとえば$n = 10$のとき、1つの宝くじが外れる確率は$1 - \frac{1}{10} = \frac{9}{10}$なので、$10$個引いたときの当選確率$P_{10}$は
$$ P_{10} = 1 - \left(\frac{9}{10}\right)^{10} = 0.65132\dots $$
となります。
ここで$n$を非常に大きくとった場合、確率$P_n$はどんな値に収束するかを考えます。
$$ \lim_{n \to \infty} P_n = 1 - \lim_{n \to \infty}\left( 1 - \frac{1}{n} \right)^n $$
定数$e$を下記の通り定義します。(自然対数の底、またはネイピア数)
$$ e = \lim_{h \to \infty} \left( 1 + \frac{1}{h} \right)^h $$
$e$をこのように定義すると、下記のような関係を導くことができます。
\begin{align}
\lim_{n \to \infty} \left( 1 - \frac{1}{n} \right)^n
&=
\lim_{n \to \infty} \left(\frac{n - 1}{n} \right)^n \\
&=
\frac{1}{\lim_{n \to \infty} \left(\frac{n}{n - 1} \right)^n} \\
&=
\frac{1}{\lim_{n \to \infty} \left(1 + \frac{1}{n - 1} \right)^{n-1} \left(1 + \frac{1}{n - 1} \right) }
=
\frac{1}{e}
\end{align}
この関係式を上の式に代入すると
$$ \lim_{n \to \infty} P_n = 1 - \frac{1}{e} $$
$e \fallingdotseq 2.71828$であることが知られているので、$P_n$の収束先は
$$ \lim_{n \to \infty} P_n \fallingdotseq 1 - \frac{1}{2.71828} = 0.63212 \dots $$
であることがわかります。
感覚と一致してるか
ソシャゲなどで最高レアカード排出率0.1%だから1000回引けば...などと冗談っぽく言うこともあると思います。が1000回引いても63%程度の確率でしか求めるものは得られないんですね。
解決策
当たるまでくじを引けばいい。