8日目の nosu_Z さん に続く、KiCad Advent Calendar 2015 の9日目です♪
#はじめに
まず最初にお断りしておきます。
バリバリにKiCadを使ってる方には面白みのないネタで申し訳ありません。
軽くスルーしていただけますよう、よろしくお願いします。。
お時間のある方、暇つぶしがてら眺めて頂ければ幸いです。
コンポーネントと回路図の作成に関する小ネタです。
#本文
先ずは、コンポーネント作成の小ネタを2つほど。
KiCadのライブラリに登録されているコンポーネントを見て、おやっ?っと思ったことはないでしょうか?
1つ目はピン番号のつけ方です。
下図はコンポーネントライブラリにあるダイオードのピン名とピン番号を表示させたものです。
ダイオードの方向とピン番号が統一されていません。
"IPC-7351 Surface Mount Land Pattern Zero Orientation"では、カソード(K)のピン番号は1番と定義されています。
新しく作られたものはこれに準拠してカソードを1番にしたようですが、古くに作られたものが逆になっています。
これでは分かりずらいので、個人で使うローカル・ライブラリではカソードを1番に統一しています。
次にトランジスタですが、こちらは下図のように名前のサフィックスがピン番号順になっています。
パッケージのピン並びに合わせてシンボルを使い分けるようになっています。
便利なようなんですが、私は逆に名前とピン番号が違うほうが分かりずらいのでBCEの1種類しか使わないようにしています。(フットプリントのほうを合わせています)
これ以外の部品についてのピン番号のつけ方ですが、基本的にはフットプリントのピン番号に合わせています。
上→下(Y軸)、左→右(X軸)の順で左上が1番です。
(但し、ICのピン番号は下図のように1番から反時計回りで番号を振られます。)
2つ目はICのシンボルです。
下図はコンポーネント・ライブラリにあるICの例です。
論理記号や信号毎のピン並びなので、ロジックを追うには便利ですね。
しかし、これでは部品のイメージが掴みにくく、例えば、インバータICが何個使われているか直感的に分からないです。
オペアンプにしても、1/2/4個入りと種類があるので、パッケージが何個使われているか分かりにくいです。
そこで、個人で使うローカルライブラリでは下図のようにパッケージが分かるようにシンボルを作っています。
これなら電源ラインも分かりやすく、実装を意識した回路図にも適しています。
続いて、回路図作成の小ネタです。下図をご覧ください。
入力のGND側がそのまま伸びているのがお分かりでしょうか?
あっ石を投げないで下さ~い
GNDシンボルを使えばいいのに何て冗長な!とのご批判、ごもっともです。
ハードウェアの記述にはHDLを使うことが増えており、冗長さをなくして簡潔に記述できるため大規模な論理回路には大変便利です。
しかし図面には、同じ回路の表現でも容易に違う記述ができる冗長さを逆手にとって他の情報を持たせられるメリットがあります。
実はこれ、実装を意識した回路図で、GNDラインをパターンで分離する意味が込められています。
ステレオ信号のクロストーク、モーター等の大電流ラインのリターン、デジタル回路のノイズ等を考慮すると、回路設計の段階でGNDラインを分離したい部分がしばしば出てきます。
このように回路図へ反映させておくと、パターン設計者が別でも意図を伝えることができます。
また後で電源、GNDを見直す時にも便利です。(電源ラインの考え方も同様です)
#おわりに
デジタル回路全盛になり、接続さえ正しければ動作することが多くなりました。
またアナログ的要素もデジタル回路の高速化に伴い、高周波回路のノウハウの方が重視されています。
もはやあまり顧みられることのない低周波のアナログ回路ですが、パターンや実装のちょっとした変更でトラブル回避できることもあります。
実装を意識した回路図は、このような場合に役立つのでお勧めです。
(学生の方、学校では使わないで下さいね。直すよう指導されたり、減点されても責任は負いかねます。)
10日目は やま しょう さん です♪
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