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iRICソフトウェア version3の格子生成プログラムをversion4に対応させる

Last updated at Posted at 2022-06-09

概要

iRICソフトウェアversion3からversion4へのバージョンアップに伴い、cgnslibは使用されないように変更され、iriclib内部の関数について追加、削除、関数名の変更が行われました。(詳しくはこちら)

そのため、iRICソフトウェアversion3で使用していたソルバー、格子生成プログラムをiRICソフトウェアversion4で使用するには更新作業が必要となります。

本記事では格子生成プログラムを更新する方法を紹介します。

0.全体イメージ

今回の更新作業は、iRIC ver3で使用していた格子生成プログラム内のcgnslibおよびiriclib(ver3版)の関数を、iriclib(ver4版)の関数に置き換える作業となります。

ver3で使用されていたcgnslibの関数については、同様の機能の関数がiriclib(ver4版)に追加されています。
(ただし、複数の格子や非構造格子を使うような一部のソルバーなどで必要な関数は iRIClib では提供されません。そのようなソルバーでは、cgnslib で用意された関数を直接利用する必要があります。)

image.png

01.更新する対象

iRICで追加したい格子生成プログラムを使用するには、ver3ではiRIC\gridcreatorsにフォルダを作成し、プログラムの実行ファイルの他にdefinition.xml(定義ファイル)やtranslation_ja_JP.ts等の辞書ファイルやREDOMEファイルを配置していました。
格子生成プログラムのver3→ver4対応の更新だけであればプログラム実行ファイル以外のこれらの変更は不要です。

更新するのはあくまで格子生成プログラムです。

image.png

02.更新手順

今回はiRIC ver3に搭載されていた「多機能格子生成ツール」を例にver4に対応できるように更新を行います。

(1)格子生成プログラム用のフォルダを作成する

上でも少し触れましたが格子生成プログラムをiRICで使用するにはそのプログラム専用のフォルダを作成しその中に定義ファイル等を配置する必要があります。

iRIC ver4ではiRIC_v4\giridcreatorsiRIC_v4\private\gridcreatorsにプログラム専用フォルダを作成しますが、オリジナルの格子生成プログラムの場合は標準のプログラムと区別するため、iRIC_v4\private\gridcreatorsに作成するようにしてください。

今回はすでに存在するプログラムの更新なので、ver3のiRIC\gridcreatorsに保存されている格子生成プログラムのフォルダをiRIC_v4\private\gridcreatorsにコピーして対応します。

なお、iRIC_v4\private\gridcreatorsにコピーした方のフォルダに入っている実行ファイル(.exe)はプログラムをver4対応版に更新後差し替えるので消してしまいます。

fuguai1.gif

問題が無ければiRIC ver4の格子生成アルゴリズムの選択画面で一覧に追加した格子生成プログラムの名前が表示されているはずです。(実行ファイルがないのでまだ格子生成自体はできませんが。)

iRIC_v4_01.png

(2)ver4版のヘッダファイルとライブラリに差し替え

格子生成プログラムをビルドする際にはヘッダファイルとライブラリが必要となります。
これらはiRIC ver4のインストール時に同梱されているため、特段入手のために何かをする必要はありません。

標準的な場所にインストールをした場合ファイルはC:\Users\(userid)\iRIC_v4\sdkにあります。

使用している言語に合わせたヘッダファイルとライブラリをver3からver4のものに差し替えて下さい。

(3)格子生成プログラム内の関数を修正する

以下のiRIC ver3からver4へバージョンアップに伴うiriclibの変更点をまとめた記事を参考に、格子生成プログラムのソースコードの修正を行います。

関数についての解説

iRIC ver4のiriclibの関数について詳しく知りたい場合は以下のver4版のマニュアルをご確認ください。

ver3版のマニュアルは以下です。

(4)格子生成プログラムをコンパイルして作成したフォルダに格納する

ヘッダファイル、ライブラリの更新の差し替え、ソースコードの修正ができたら格子生成プログラムのコンパイルを行います。

コンパイルされた実行ファイルは手順(1)で作成した格子生成プログラムのフォルダの中に格納します。

以上で格子生成プログラムのver3→ver4対応は終了です。

iRIC ver4上で格子生成プログラムを動かすことができました。
image.png

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