Oracle Standard Edition における DR を考える
こんにちは。インサイトテクノロジーの須貝です。
前回の記事では、Oracle DatabaseのDR(Disaster Recovery)について、特にエディションに依存しない基本戦略を解説しました。今回は、その中でも Oracle Standard Edition(SE)環境 に焦点を当て、エンタープライズ向けの高度な機能が制限されている中で、効果的なDRを実現する手段について掘り下げます。
多くの企業が Oracle SEを選択する理由 は、コストパフォーマンスの高さです。しかし、SE環境では Data Guardが利用できない という大きな制約があります。この制約に対する解決策として Dbvisit Standby Multiplatform (以下 Dbvisit StandbyMP) が注目されています。
Oracle SE環境のDR課題
Oracle Databaseを利用する企業の多くは、 障害発生時の迅速な復旧 を求めています。しかし、SEではエンタープライズ向けのHA/DR機能であるData Guardを利用できず、レプリケーションやフェイルオーバーを独自に実装する必要 があります。
代表的な課題は以下の通りです。
課題 | 詳細 |
---|---|
Data Guardが利用不可 | SE環境では標準機能でのスタンバイDB作成が困難 |
スクリプトベースのレプリケーション | 運用負担が増加 |
RTO(復旧時間目標)の確保が難しい | 手動復旧では時間がかかる |
また、SE環境でDRを実装するにあたってのコストを考えてみます。これはData Guardが使用できる Enterprise Edition (EE) と比較した場合のイメージです。
項目 | Oracle SE | Dbvisit StandbyMP |
---|---|---|
DR機能 | Data Guard利用不可 | 利用可能 |
導入コスト | 比較的低い | 比較的低い |
運用負担 | 比較的高い | 比較的低い |
このような制約を克服し、手軽に運用できるDRソリューション として、Dbvisit StandbyMPが適しています。
Dbvisit StandbyMP とは?
Dbvisit StandbyMP は、Oracle SE環境にも対応したDRソリューション であり、Oracle環境において、Data Guardの代替として機能します。主な特徴は以下の通りです。
- Oracle SE環境でのスタンバイDB構築を支援
- 増分アーカイブログ転送による軽量な同期
- GUIによる直感的な管理
- フェイルオーバー・スイッチオーバーの自動化
- クラウド環境やハイブリッド構成への対応
特に 操作の容易さとシンプルな構成 により、 スクリプト不要でDR環境を短期間で構築可能 という点が大きなメリットです。
Dbvisit StandbyMPの導入による効果
実際にDbvisit StandbyMPを導入すると、以下のようなメリットが得られます。
メリット | 説明 |
---|---|
短時間でのDR構築 | 手動スクリプトなしで数時間以内にDR環境を構築可能 |
スムーズなフェイルオーバー/スイッチオーバー | スタンバイDBをワンクリックで本番DBとして昇格可能 |
自動化による運用負荷の削減 | 増分ログ適用のスケジュール自動化により、メンテナンス作業が軽減 |
クラウド対応 | AWS, Azure, OCI(Oracle Cloud)にも対応し、ハイブリッドクラウドDRを実現 |
コスト削減 | Data Guardと比較すると、ライセンスコストが大幅に削減 |
多様な環境への適用 | オンプレミス・仮想化環境・クラウドをまたいだレプリケーションが可能 |
Dbvisit社の概要
Dbvisit StandbyMP製品について日本国内では、株式会社インサイトテクノロジーが総代理店として市場展開しています。
Dbvisit社は2008年に設立された、データベースの災害復旧(DR)と継続性を支援する専業ソフトウェア企業 です。企業規模や業界を問わず、全世界の1,800社以上に採用されており、特にOracle Standard Edition向けのDRソリューションとして高い評価を受けています。
企業概要
項目 | 詳細 |
---|---|
設立年 | 2008年 |
主要製品 | Dbvisit Standby Multiplatform |
顧客数 | 1,800+ 社 |
事業拠点 | 北米、欧州、アジア太平洋地域 |
顧客満足度 | 99% 以上 |
継続更新率 | 97%(過去5年間で91%から向上) |
保護対象 | 120カ国で数千のデータベース |
Dbvisitは、オンプレミス、クラウド、ハイブリッド環境に対応し、特にSMB(中小企業)市場において強力な災害復旧ソリューションを提供 しています。
まとめ:Oracle SE環境に最適なDRとは
Oracle SE環境では、Data Guardが使えないという制約があるため、 Dbvisit StandbyMPのような専門ツールを活用することで、低コストかつ効率的なDRを実現 できます。
特に、
- 短時間でDR構築ができる
- 運用負担を最小限に抑えられる
- クラウドにも対応可能
- コストを抑えて実装できる
といったポイントは、 限られたリソースの中でDR対策を検討する企業にとって、大きなアドバンテージ となります。
次回の記事では、より高度なDR構成や マルチクラウド環境 について取り上げますので、そちらもぜひご覧ください!
参考リンク
- 【日本国内総代理店】株式会社インサイトテクノロジー
製品ページ:https://www.insight-tec.com/products/dbvisit/ - Dbvisit社:https://dbvisit.com/