基本情報の1項目であるCPU性能指数について理解する。
クロック周波数
- コンピュータは「クロック」と呼ばれる周期的な信号に合わせて動くのが決まりになっている。
- CPUもこの「クロック」と呼ばれる周期信号に合わせて動作を行なっている。
- 1周期の時間が短ければ短いほど、より多くの処理ができる(すなわち性能が高い)。
クロック周波数
クロックが1秒間に繰り返される回数のことをクロック周波数と呼ぶ。
例えば「クロック周波数1GHzのCPU」といった場合、1秒間に10億回(1Gは10^9回)振動していることになる。
1クロックに要する時間
1クロックに要する時間 = 1秒 ÷ クロック周波数
CPI
- CPI(Clock cycles Per Instruction)とは、1命令あたり何クロックサイクル必要かを表すもの。
例: 実行に2クロック必要なら2CPIと表記。
命令実行時間
命令実行時間 = 1クロックに要する時間 × CPI
例: 1GHzのCPUで3CPIにかかる時間は
1 / 10^9Hz × 3CPI = 3ナノ秒
MIPS
MIPS(Million Instructions Per Second)とは「1秒間に実行できる命令の数」を表したもの
- 数字か大きくなりがちなので、命令の数は100万単位で表す。
MIPS値
MIPS = 1秒 ÷ 命令実行時間
例: 1つの命令を実行するの平均2ナノ秒かかるCPUの場合のMIPS
1秒 ➗ 2ナノ秒
= 1 / 2×10^9
= 0.5 × 10^9秒
= 500,000,000個
= 500MIPS
命令ミックス
- 命令ミックスとはよく使われる命令を一つのセットにしたもの。
- 出現頻度を%で表す。
命令ミックスの計算方法
例: 1GHzのCPUが次の命令セットでできていた場合のMIPS
命令① 実行時間 10クロック 出現頻度60%
命令② 実行時間 5クロック 出現頻度40%
- クロックサイクル時間 1秒 / 1GHz = 1ナノ秒
命令① 命令実行に要する時間 = 10クロック × 1ナノ秒 = 10ナノ秒
命令② 命令実行に要する時間 = 5クロック × 1ナノ秒 = 5ナノ秒
- CPUの平均命令実行時間
10ナノ秒 × 0.6 + 5ナノ秒 × 0.4秒 = 8ナノ秒
1秒に何百万回実行できるか(MIPS)
1秒 / 8ナノ秒
= 0.125 × 10^9秒
= 125000000
= 125MIPS
基本情報の過去問題①
動作クロック周波数が700MHzのCPUで、命令実行に必要なクロック数及びその命令の出現率が表に示す値である場合、このCPUの性能は約何MIPSか。
命令の種別 | 命令実行に必要なクロック数 | 出現率(%) |
---|---|---|
レジスタ間演算 | 4 | 30 |
メモリ・レジスタ間演算 | 8 | 60 |
無条件分岐 | 10 | 10 |
ア.10
イ.50
ウ.70
エ.100
解説
①1命令ぞ実行するのに必要な平均クロック数は
(4×0.3)+(8×0.6)+(10×0.1) = 7.0
②動作クロック周波数が700MHZのCPUが1秒間に実行できるクロック数は、以下のように表現できる。
1/ 700MHZ = 700百万クロック
③このCPUのMIPS値は
700百万クロック ÷ 7.0 = 100百万命令/ 秒 = 100MIPS
解答:エ
基本情報過去問題②
1GHzのクロックで動作するCPUがある。このCPUは、機械語の1命令を平均0.8クロックで実行できることが
わかっている。このCPUは1秒間に平均何万命令できるか。
ア.125
イ.250
ウ.80,000
エ.125,000
解説
1GHzのクロックで動作するCPUは、1秒間に1G回のクロックを発生させる。
「1命令を平均0.8回クロックで実行できる」ということは、
「1クロックで平均1÷0.8=1.25命令を実行できる」と言い換えられる。
したがって、1秒間に1G回のクロックを発生させるCPUでは
1G×1.25= 1.25G命令=125,000万命令を実行できる。
解答:エ
参考
令和02年 キタミ式イラストIT塾 基本情報技術者 きたみりゅうじ
令和03年【上半期】基本情報技術者 パーフェクトラーニング過去問題集