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HRBrainAdvent Calendar 2022

Day 22

EMの役割は鼻

Last updated at Posted at 2022-12-21

はじめまして、HRBrainの川田と申します。

先日2回目の新型コロナ感染を経験してしまいました。

前回は呼吸器系が少しやられ、今回は咳がとにかく大変でした。

熱もまあまあ出ましたが、仕事ができないかつ妻子とも完全に隔離生活をしたため、一人で考える時間ができて逆に思考がクリアになるといいますか、サウナに入っているときの感覚でその点は良かったです。

さてそんな新型コロナ生活ですが、一点辛いポイントがありました。

それは匂いがしないということです。

数日間嗅覚が機能しなくなるというのは今回が初めてで、この経験が自身の仕事に通じる部分があると感じたので、今回はそれを書きます。鼻ポエムです。

body_hana.png

匂いがしなくなって、行動が変わった

私は嗅覚が重要なタイプでして、焼酎、お香、沈丁花、楽器、雨の降り始めのアスファルト、ガソリンなどなどの匂いが最高に好きです。

そんな私ですが、今回新型コロナに感染して鼻の粘膜がやられてしまい、匂いが分からなくなってしまいました。

その結果、どう行動が変わったかというと、食べ物に全くこだわらなくなってしまいました。

普段は全く食べないし好きでもないカップ麺を、けっこうな頻度で食べるようになってしまいました。

なぜ?

元々食べるのが好きで、少しでも美味しいものを食べるためには労力を惜しまないタイプでした。

出汁、トリュフオイル、ホールの山椒などなど、ちょっとめんどくさいこだわりおじさん的なやつは一通り通ってきました。でもそれもこれも、良い匂いを得るためだったということが分かりました。

匂いが分からなくなった結果、お腹が膨れればなんでも良いのでカップ麺でも良いと思うようになりました。安いし。

健康に良くないことは分かっているけど

最近はお年頃もあり、健康にはまあまあ気を遣っています。運動したり、できるだけ野菜を食べてみたり、お酒を減らそうと念じてみたり。

しかし、匂いがしなくなったことでそういうことは全くどこかに行ってしまい、カップ麺を食べてしまいました。

長期的なメリットよりも、安くて手軽でお腹が満たせるという短期的なメリットに軍配が上がったということになります。

この自分の行動を俯瞰して考えた結果、ある気付きが得られました。

時間がかかるフィードバックと即時性のあるフィードバック

今回の出来事を抽象化すると、時間がかかるフィードバックよりも、即時性のあるフィードバックの方が行動を変えやすいと捉えることができます。

健康が重要なことは誰でも知っています。適度な運動をし、野菜を中心に摂取し、お酒を控えることが大事。だけど、これらを頑張ったとしても良いフィードバックが得られるまでに時間がかかります。

良い匂いそれ自体は栄養面で健康に良い影響をもたらしません。気分が良くなるのでメンタル面での効果はありそうですが、栄養が摂れるわけではありません。一方、フィードバックはすぐに得られます。

カップ麺を食べるという健康上好ましくない行動を取ったのは、後者の即時性のあるフィードバックが無くなった影響だと言えそうです。

EMのお仕事

ここで突然EMの話をします。

エンジニアリングマネージャーの仕事は、開発組織の成果を最大化させることだと言われています。
以下の本でも同様のことが言及されています。

マネジメント[エッセンシャル版] - 基本と原則: 投入した資源の総和よりも大きなものを生み出す生産体を創造すること

HIGH OUTPUT MANAGEMENT(ハイアウトプット マネジメント) 人を育て、成果を最大にするマネジメント: マネージャーのアウトプット = 自分の組織のアウトプット + 自分の影響力が及ぶ隣接諸組織のアウトプット

成果を最大化させるには何かしらの変化が必要で、そのためには個々人の行動も変わることが必要不可欠です。

ではどのように行動変容を促すのか。ここで先程のフィードバックの話を重ね合わせてみます。

  • 最終的には事業成果につながるが、得られるまでに時間がかかるフィードバック
    • 例: AよりもBの方が売上に良い影響がある->アポ取って商談して受注が決まるまで長い時間がかかる
  • 事業成果とは直接の関係は薄いが、すぐに得られるフィードバック
    • 例: AよりもBの方がXさんが喜ぶ->アクション後すぐに喜ばれる

この2つは、どちらが人の行動を変えやすいでしょうか。

これまでは事業成果の最大化を意識して前者を重視してきました。最終的に価値があることをロジカルに理解してさえいれば、日々の行動は正しい方を選択できるはずです。

しかし今回の自身の体験から、考えを見直すことにしました。

最終的なゴールをロジカルに説明できることは当然重要ですが、それに加えて即時フィードバックもセットで実施するとより良さそうです。

ということで、EMは開発組織の鼻として良し悪しを香りに乗せて即座にメンバーに伝える役割といえるのではないでしょうか。

さいごに

『行動分析学マネジメント』という本に「行動随伴性」として似たような話が書いてありました。

良い行動にはポジティブなリアクションをし、良くない行動は無視するかネガティブなリアクションをすることで行動を減らすという内容です。

でもやっぱり漢字が多くて難しいので、鼻でいいんじゃないですかね。EMの役割は鼻です。

さて、HRBrainでは鼻を担う方を募集しています!

一緒に鼻道を極めていきませんか。

どことなくバスケっぽい雰囲気もしてきたところで、結びとさせていただきます。

ご清覧ありがとうございました。

おしまい。

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