Windows10(2004)のWiFiではTKIPが無効になっているっぽい?
環境
- Windows10 Pro (1909 → 2004)
- 無線LANルーター(2005年発売。WPA2には非対応)
現象
- Windows10を1909から2004にアップグレードしたら、WiFiがつながらなくなった。
- タスクトレイアイコンからSSIDは選択できるものの、キーを入力しても「接続できません」となるだけ。
- もちろんSSIDとキーに間違いないことは何度も確認している。
- ルーター側の無線暗号化を解除しても不変。
調査結果
実はハードウェア側のWiFiドライバ周りに少し問題があり、アップグレード時にWiFiの設定が消えていたので最初はそちらを疑っていたが、ドライバを入れ替えても解決できなかった。
WiFi接続先を手動で設定しようとしてみたら、WPAが選択できずWPA2のみなので、タイトルの通りの疑念を抱いた。
公式発表にはないが、Windows10がTKIPを切り捨てるという話は、噂レベルでは存在するようだ。
対応・検証
無線LANルーターをWPA2(AES)対応のものに交換したところ、復旧した。
その後もキーを入力しても「接続できません」という表示が出ることがあり、他にも原因がある可能性が出てきた。ルーター側のSSIDを非公開にしていると再接続に支障が出るようで、そちらの方に原因があるかもしれない。
反復しているうちに再接続に成功することがあり、一時的な問題だったかどうかは分からない。だが、ルーター側がTKIPだったときにはいくら繰り返しても接続できない状態から改善しなかったし、接続が成立したルータの暗号化設定をAESからTKIPにしたら、はっきりと暗号化強度が弱いと表示され接続できなくなったので、TKIPからAESにしたことには効果があったのではないかと考えている。
試さなかったこと
たまたま使わないWPA2対応ルーターがあったが、なければ無理矢理TKIPを指定して接続する方法を試したかもしれない。
考察
タスクトレイアイコンからではなく手動で接続先を設定する時にWPAが選択できなくなっているのは、Windows8.1の時代から既にそうなっていたらしい。それでもこれまでは、タスクトレイのアイコンをクリックして表示される一覧から設定すればWPA-PSK(TKIP)でも自動判別して接続してくれたが、これからはそういう親切?は期待できないということになる。
WPA-PSK(TKIP)はもはや安全でないとされているので、SSLが廃止されてTLSに移行したようになるのはやむを得ないとは思う。不親切と言うよりMicrosoftの余計な親心ということかもしれない。
15年前のものと思われるルーターをまだ使っていた方も大概だと言われても仕方がないものの、ネットワーク回線が不通になったPCでは原因の検索すら困難になることを考えれば、アップグレード時にWiFiの接続を調べて警告するぐらいのことはして欲しいと思った。
改訂履歴(表現の修正を除く)
- 2020/07/08: 初版
- 2020/07/09: 全体的に少し加筆・改訂
- 2020/07/10: 環境依存の問題の可能性
- 2020/07/12: 検証などを追加