はじめに
この記事は以下のような人たちに向けて書きます。
- 個人でECサイトを持つメリットがイマイチ分からない人
- メリットはわかるが、個人サイトに乗り換えるまでに至らない人
- ぶっちゃけAmazonや楽天でよくない?という人
- ECサイトでものを売る時に必要なことは何かを知りたい人
概要
世の中にはたくさんの「ECサイト」と呼ばれるものが存在しています。
有名なものに、Amazon や 楽天 がありますね。
海外へ目を向けると、eBay なんてサービスもあります。
中国の Tモール というサイトでは、楽天の1年間分の売上を1日でかせぐスーパーセールが有るとか。
そんな大きなショッピングモールがたくさん世の中にある時代、我々はなぜ今、EC-CUBEを使う必要があるのでしょうか。
それを解説していきたいと思います。
コンテンツ
- Amazonや楽天等の大型モールでやるメリット
- 独立したECサイトを開くメリット
- ECサイトの中でも、EC-CUBEを使うことのメリット
大型モールサイトでやるメリット
インターネットでモノを買うこの時代、ネットショッピングをしたことがある人は、Amazonか楽天はどちらか利用したことが一度は有るのではないでしょうか。
なぜ、Amazonや楽天でものを買うのか。
知名度
これは言わずもがな。
「Amazon」と聞くと、「楽天」と聞くと、みなさんなんのサイトかご存じですし、どんなものが変えるのかご存知ですよね?自分が仮に使ったことがなくても、周りの人達に聞くことでそのサイトの使いやすさや便利さをリサーチすることは簡単です。
「どこで買おうかな?」と考えた時に、真っ先に浮かんでくる。
もっというと、「まずAmazonのサイトに行ってから何を買おうか決める」という人も中にはいるかもしれません。これは凄いことです。
検索順位
次に圧倒的なSEOの優位性が有ります。
クリスマスも近いということも有り、試しにGoogleで「パーティーグッズ」と検索してみましょう。すると、結果は以下のような画面が出てきます。
最初に出てくる4サイトのうち、2つはAmazon、あとの2つはそれぞれドン・キホーテのサイトと東急ハンズのサイトがそれぞれ出てきました。
私達人間は検索結果を見た時に、 目的とするサイトが目に入ると真っ先にそれをクリックしますよね? スクロールすることも中にはあるかもしれませんが、おそらくその必要に駆られることは極めて少ないはずです。
つまり、検索した時にそのサイトに流入する可能性が高いのは、言わずもがな検索結果の順位が高いサイトです。いわゆる「SEO上位」のサイトですね。
※正確に言うと、一番上のリンクは広告になるのでSEOの順位ではないのですが、SEO3位のサイトが広告で最上位に出てきた時のインパクトを考えると、とても大きなものが有ります。
買い物の見込みとなるお客さんの数が前提として多い、これは商売においてとても優位性が高いことを示します。10人の中で何人買うか、よりも100万人の中で何人買うか、の方が夢がありますよね。
手軽さ
すでに世の中に存在しているサービスに参加するのと、イチからサービスを立ち上げるのでは、どちらが簡単に進めることが出来るでしょうか。
きっと前者の方ですよね。
Amazonや楽天のマーケットに出店する時は(最初こそ面倒な手続きはあれど)初期コストも比較的掛かりませんし、後々商品を追加したりするのも簡単です。うまく軌道に乗れば、売上もコンスタンスに入ってくるでしょう。
サイトを構築するのに、プログラミングを必要とする機会も、技術的な知識もさほど必要がありません。掛ける労力を少なく出来るということは、メリットになりえます。
独立したECサイトを開くメリット
では、逆にそういった大型モールサイトを使わずに、独立したECサイトを立ち上げるメリットとは何でしょうか。
出品の制限がない
Amazonで出店するには、楽天で出店するには、様々なルールを守らなければなりません。
例えばAmazonには以下の出品に関する規約が有ります。
基本的には、公序良俗に則った内容ではありますが、一部はAmazonの利益を守るための制約があったりします。これは自由に自分の売りたい商品を売ることができないことを示しています。
ロイヤリティーが発生しない
Amazonや楽天に出品すると、売上の一部をロイヤリティーとして納める必要があります。当たり前といえば当たり前です。サイトの管理や購入者の情報管理をする必要がない分、そのコストを負っているモール側に金銭を支払うのは当然の結果に思えます。
しかしこの、「額は少量でも決済される度に取られる」という仕組みは塵も積もれば山となる理論で、取り扱う商品や顧客の数が増えてくるとだんだん無視できない額になってきます。
個人でECサイトを開けば、この取られるロイヤリティーは消滅します。
サイトカスタマイズが自由にできる
独自でECサイトをもつ理由は、一番これが大きな理由になります。
以下にカスタマイズによるメリットを幾つかあげます。
独自ドメインが持てる
URLというものは単純ですが、大事です。
それが自身のブランドの名前や社名であるか、それとも他社のモールサイトのURLであるかは、外から見た時に大きな違いとなってきます。
URLはいわば、サイトの住所に当たります。
例えば、自動車で有名なTOYATAが豊田市にあると、それだけで認知のされやすさや人に与える印象は変わってきます。
もしくは、元々自社で持っていたコーポレートサイトと同じドメインでECサイトも運営できると、顧客に安心感も与えられますし、そのサイトの運営者がきちんと表に立っている企業だということをアピールできます。
自社のデータベースに顧客情報を登録できる
大手モールサイトの出店していると、先程も述べましたが顧客の管理は自分ではなくそのサイトに任せることになります。顧客の購入情報を元に、メールマガジンの会員登録を促したり、その他自社で展開する他のサービスに連携したりといったことが、独自ECサイトでは可能になります。
これは非常に大事なことです。
顧客情報の管理はもっとも気をつけないことの1つであり、万が一漏洩に繋がったりした場合には社会的責任がつきまといます。しかし、管理を怠ることなく、セキュリティにも配慮したサイト運営を心がけることができれば、その情報は運営者のみなさんにとってかけがえのないマーケティングデータとなります。
実店舗をお持ちの会社になると、例えばPOSレジのデータと連携したり、その他基幹システムと連携することにより、ECサイトのデータがより尊いデータとして活躍します。
インターフェース(見た目)を自由に変えられる
Amazonを使っていると、「Amazonらしさのデザイン」から脱却することはできません。自分でそのデザインを変更することはできないからです。Amazonが定めたレイアウト構成に則り、自分の出品物が表示されます。
「もう少し写真の領域を広げたい」とか
「色合いを暖色で可愛らしくしたい」
といったことはできません。
楽天のサイトでは、自身でデザインしたレイアウトをある程度適用することはできますが、それでも楽天のメニューを消したりすることはできません。
ところが、独自ECサイトだと、デザインは思うがままです。
自分の思った素敵なデザインを適用するのも自由ですし、制約も受けません。
ナビゲーションのメニューも独自のデザインを適用することができます。
購入するときの手順も変更することができますし、上記で述べたような途中でメールマガジンの購読を促すフォームを置くことも可能です。
分析・実行のサイクルが圧倒的に回しやすい
筆者が個人的に一番推したい機能になるのですが、これが非常に大事だと思っています。
Amazonや楽天でもある程度購入者のログや傾向をとることは可能ですが、「じゃあもっと的を絞った分析を任意のタイミングで回したい」となった時にその願望に叶えるのは難しいです。
例えば、
- Google Analyticsのタグを設置して顧客のサイト動線を調査する
- 売上のデータベースの中を覗いて、時間や商品軸を詳しく分析する
- 分析する上で「足りない」と思った指標をすぐに追加することが出来る
- 新しく分析するツールをサイト内に導入する
- 離脱しそうなユーザーにポップアップの画面を設置して、購入を促進させる
- 縦に長いサイトが、どこまで読了されたかを計測する
- 顧客がリアルタイムで抱いている疑問に答えるために、チャットツールを導入する
- 等々
自社でECサイトを運営する上で
「これをやったほうが良いんじゃないか?」
「これをやってるとまずいんじゃないか?」
といった意見・要求に対して柔軟に対応できるのは、独自で運営しているサイトだからです。Amazonや楽天のサイトでは、「じゃあチャットツールを導入しよう!」なんてことはまずできません。
その他
他にも、経理部門からの要望に答えて、データベースに保存されている売上データの持ち方をカスタマイズしたり、倉庫で持っている在庫数を連携して表示するようにしたり、考えるだけでも色々なカスタマイズ方法が浮かびます。
一番お伝えしたいのは、ECサイトを運営するにあたって、 運営するみなさんが頭に思い浮かんだ「あ、これやってみたら売上伸びるかも!」をすぐに実践することが出来る という所にあると思っています。
少し古い表現を使えば、可能性は無限大。
みなさんが思いつく限りのマーケティング施策を、思いつく限り試すことができる。それが独自ECサイトを持つ一番の強みです。
「EC-CUBE」を使うことのメリット
では最後に、なぜ数あるECサービスの中でも「EC-CUBE」を使うのか。それをご紹介したいと思います。
シェアNo.1
日本国内でのEC-CUBEのシェア率は、他のECプラットフォームを含めてシェアNo.1。検索すればこのQiitaでもたくさんの情報がヒットしますし、Qiita以外でもたくさんの構築事例やノウハウが共有されています。
情報が豊富にあるということは、困った時の解決策を見つけやすいということ。先人たちがぶつかった壁や、やってみてよかったTipsなどが数多く吸収して自社のサイトに役立てることが可能です。
パートナー企業が豊富
ECサイトを独自で構築するときには、それなりに専門的な知識が必要です。勿論、通常のサイト構築と比べると圧倒的に簡単にできますが、それでもテクニカルな部分は開発コストが掛かることもあります。そんな時は日本国内に豊富に存在しているパートナー企業を頼りにしましょう。
前述のシェアNo.1にもかかってきますが、国内のEC-CUBEの情報を共有してくれている人たちは、開発元の株式会社ロックオンを始め、数多くのパートナー企業から成り立っています。より実践的で、より有用な情報を持った方々が国内にたくさんいるということをぜひ知っておいてください。
日本語であること
これは地味なことですが、非常に大事なことです。
世の中に溢れているシステムは日本製のものもあれば、海外製のものもあります。海外製のものになってしまうと、その情報源は英語になっていることが多いです。日本人で英語が苦手な人は、どうしても英語の情報を読むのに苦労します。
しかし、EC-CUBEはほとんどの情報が日本語です。開発元の株式会社ロックオンが日本法人であることは勿論のこと、コミュニティの情報や 細かいところで言うとソースコードのコメントも日本語 で記述されています。
あなたが日本人であるならば、この導入障壁の低さが大変価値を持っていることに気づくはずです。
独自の機能がある
EC-CUBEには他のプラットフォームにはない独自の機能があります。
一番の目玉はFacebook連携プラグインです。
今までECサイトの運営に加えて、それを宣伝するSNSサイトの運営を同時にしていることも多く、その運用負荷が課題となっていました。
このFacebook連携プラグインはFacebookジャパンと共同開発されたもので、Facebookの画面にEC-CUBEで展開している商品を紹介することができます。そのまま購入画面までシームレスに連携することができ、この連携機能は実はEC-CUBEが国内初です。
以下に詳細な情報がきさいされているので 一読してみてください。
開発が活発であること
システムというものは、常に更新していく必要があります。
それは、新たなるセキュリティの脅威が発見されたり、最新の技術が開発されたり、利用するECサイト運営者のニーズが絶え間なく変化しているからです。
EC-CUBEも例外ではなく、常にシステムをアップデートしていく必要があります。
ただ、このアップデートしていく作業というのが地味ではありますが大変な労力を伴うものになっており、世の中にある多数のシステムはアップデートが終了したために使用されなくなることもあります。
利用者からしてみれば、脅威から守ることを放棄されたり、要望を受け入れることを拒否されたりすればたまったものではありません。そのシステムに対して不安を抱き、独自ECサイトをやめてまたも~づが他のサイトに戻ることもあるかもしれません。
しかし、EC-CUBEは常に開発者が日々新しい情報をキャッチアップし、アップデートを行なっています。また、開発コミュニティと呼ばれるエンジニアやデザイナーから成り立つコミュニティが非常に活性化しており、情報交換も盛んに行われております。
そんな人々が日々、不具合を見つけては修正したり、便利な機能を追加したり、EC-CUBEをより良くするために活動しています。
システムを作るのは人であり、その人が目に見えて、なおかつ前向きに日々「EC-CUBEという製品を良くするためにはどうすればいいだろうか」というディスカッションを行っています。日本語で(笑)
多くの人が支えているシステムというものはそれだけで価値があり、また安心感の有るもtのになると筆者は思っています。
さいごに
記事の内容としては、EC-CUBEの持つメリットを説明させていただきましたが、前述した通り、Amazonや楽天に代表されるモール型のショッピングサイトもたくさんのメリットが有るサービスになっています。
大事なのは、それぞれの持つメリット・デメリットを理解した上で、 「自分が運営するのであれば、どれを選択するのが最適なのだろうか」 というのを考えることです。運営する人・会社の特性ややりたいことに合った、最適なECサイトの構築をぜひ見つけてくださいませ。
この記事が、ECサイトを運営したいと思った方々のお役に立てば幸いです。
※誤字・脱字その他あれば、遠慮なくおっしゃってください