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はじめに

Adventカレンダー「エンジニアのためのWebマーケティング」の8日目です。
サクッと読める記事を目標に。異論・ツッコミ大歓迎。
できるだけ専門用語を使わないように気をつけます。

それでは参りましょう

LTV とは

最近マーケティング界隈でよく言われるこの言葉。
みなさんも耳にしたことがあるかもしれません。
LTVは Life Time Valueの略です。日本語でいうと「顧客生涯価値」になります。

簡単に言うと、
「お客さんが人生で自分の商品・サービスにどれだけ金額を使うか」
の指標になります。

言い換えると 「末永くご愛顧頂いている指数」

LTVを構成しているのは、
購買単価 × 購買頻度 × 利用継続期間 になります。
つまり、どれだけ長い間継続してお金を払っていただいているか、です。

例えば、
1冊260円のジャンプを毎週購入する人が、それを5年間続けた場合。
260(円) × 52(週) × 5(年)となり、
LTVは、67,600円となります。

1回1冊の購入額は低くても、末永くご愛顧いただくことで大きな利益を生み出してくれることを表しています。

LTVが高い=顧客がファン化している率が高い

お客さんが定期的にお金を使い、それが長く続いているということは、商品・サービスを気に入ってもらえている可能性が高いです。

言い換えるなら、お客さんに商品・サービスに対して愛着を持ってもらえれば、LTVは高まっていきます。ということは、お客さんに商品・サービスを何より気に入ってもらうことがビジネスに於いてはとても大事になってきます。
まあ、アタリマエのことではあるのですが。

よく分かる事例

Adobe Systemsのビジネス転換

PhotoshopIllustratorで有名なAdobe Systemsは、
昔から「Creative Suite」という買い切り型の利用形態を展開していました。

この買い切りモデル、一回買えばずっと使える便利なものではあったのですが、値段は安いとは言い難く、「非常に高価なツール」というイメージがどうしても付きまとっていました。

実際に筆者も昔、2005年に発売されたCS2というVersionの製品を、2008年頃に安く買ってずっと使っていました。バージョンアップ版がその間に幾度も発売されましたが、「新しくまた買うか!」とはなかなかなりませんでした。

Creative Cloudの登場

そんな買い切りビジネスのAdobeは、2012年5月から「Creative Cloud」というサブスクリプションモデルの利用形態をスタートしました。

これは、毎月5000円ほどの金額を支払うことで、Adobeの製品を何でも使っていいですよ!というものです。

ちなみに、当時その何でも使える製品を買い切り型の「Creative Suite」の方で購入した場合、なんと40万円ほどの値段がかかりました。なかなか買おうという気持ちにはなりにくいですよね。元を取るには何年かかるだろう?と思いますね。

でも、その40万が1ヶ月5,000円で始められるのであれば、買おうかな?という気になります、

実際にAdobeの売上は上がった

ここ数年のAdobeの業績グラフです

capture 2018-12-08 4.57.22.png 画像出典:[Stockclip](https://www.stockclip.net/companies/6754)

2012年以降、売上が年々大きく成長しているのがわかります。

株価も上がりました。

capture 2018-12-08 4.58.05.png 画像出典:[Stockclip](https://www.stockclip.net/companies/6754)

左端が2013年12月。その時点では**$54(USD)だったのが、5年後の今、2018年12月には$250(USD)**まで上がっています。約5倍の成長。おそるべしです。

購入頻度と利用継続期間、さらには顧客の数そのものも増やすことにAdobeは成功します。

ビジネスモデルの転換は、大きなターニングポイントになった

元々、クリエイターからは人気のあったツールではあったのですが、サブスクリプションモデルにすることによって、Adobeのビジネスは大成功しました。この転換によって、LTVの構成要素である「顧客単価」は確実に減少します。しかし、かわりに毎月支払ってもらうことによって、その他の構成要素である「購入頻度」はあがります。

さらに、お客さんは利用料を支払い続けることで、バージョンアップの恩恵も常に受けることができるようになりました。このことによって最後の要素である「利用継続期間」も長くなります。

Adobeの利用者は、Creative Cloudのファンがたくさんいるのです。

これからは「開発費の回収」ではなく「サービスの利用料」へ

多額の商品代・サービス料を支払わなければ行けないビジネスでは、消費者がそもそもの購入に抵抗を感じる場合が多いです。その場合、新規顧客獲得のハードルはあがってしまいます。そして買わなくなる、買わなくなるからさらに高くなる。

住宅や車の購入、SIerへの開発発注がまさに買い切りビジネスの典型的なものにあたります。
買った時点で、顧客との関係性は終わり。次の購入がいつ来るのか予測するのはなかなか難しいです。LTVは少ないままになります。

それよりも、
単価は低いけども、お客さんが長い間利用していくビジネスにすることがLTVを伸ばしていく工夫になるのかもしれません。短い目で見るよりも、長い目で見ましょう、ということですね。

逆に消費者の立場でみた場合、住宅とかだと賃貸料を毎月支払うほうがLTVは当然高くなるので、住む側の目線で見るのであれば、マイホームを買うのがお得なのかもしれません。

どうでもいい話

Adobe Fireworksの更新がCS6の時点で止まっているのですが、意外と周りにこのツールを愛用している人が多く、ぜひともAdobeさんにはこのツールをアップデートしていただきたいなと思っております。

おわりに

明日は、Web広告業界でよく言われる「コンバージョン」が一体何なのか、を解説します。

参考

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