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ラクスAdvent Calendar 2024

Day 11

「タックマンモデル」に改めて気付かされた、振り返りの重要さ

Last updated at Posted at 2024-12-10

この記事は、ラクス Advent Calendar 2024 11日目の記事です。

概要

筆者は新しい会社へ2024年9月に転職した。
本記事執筆時点で3ヶ月ちょっとが経過している状態。その中で新しい開発チームにアサインされることとなり、そこのメンバーと日々開発とコミュニケーションを行っている。

その中で毎週振り返りをおこなっており、その振り返りの内容がまさにタックマンモデルのような成長を遂げているように感じたので書くことにした。

タックマンモデルって?

筆者は以前から、チームビルディングについて「タックマンモデル」のようにフェイズが存在するということを聞いていた。
タックマンモデルというのは以下のようなもので、チームの形成には大きく「形成」「混乱」「統一」「機能」「散会」の5フェイスがあるというもの。

tuckman_model.png
画像出典元:タックマンモデルでチームビルディングを効果的に行う方法

めちゃくちゃ雑に言うと

  • 最初は緊張と遠慮があり(形成期)
  • 次に価値観のぶつかりあいがあり(混乱期)
  • それが徐々に価値観が揃っていき(統一期)
  • チームとしてハイパフォーマンスになる(機能期)
  • そしていつかは解散する(散会期)

という感じ。

結論

さきに結論を言っておくと、混乱期と統一期は反復横跳びのようにぐるぐるなりながら、繰り返す。そしてその後、統一期の完全体へと進化していく印象を感じた。

以下ではそれの詳細を書いていく。

振り返りをする頻度は週一

私がチームに入るまでは、月に一回振り返りを実施するのがルーティーンだった。ただ前職でアジャイル開発をしていた経験もあり、振り返りは1週間に1度のほうが良いという提案を行った。

手探りでも良いのでやらせて欲しいと言ったところ、上司・チームメンバー共に快諾してくれたのは本当に感謝している。

最初は振り返りに時間がかかる

振り返りの手法としてはKPT(Keep/Problem/Try)を採用した。
KPTが何かについては、調べた方がいい記事がたくさんあるのでここでは割愛する。

週に1回行なうというルーティーンの変更と、時間以内に集中してアウトプットするという負荷をチームにかけることとなったため、最初からうまくいったわけではなかった。
ただ、これは当たり前というか、最初からパフォーマンスを発揮した振り返りができるわけではないというのは認識を持っていた。

ここはまさに 「形成期」 であるがゆえのことだったと感じている。

何をもってKeepとするか、Problemとするかが異なる

その中でも面白いなと感じたのは、ある人は「認識がズレていたとわかったのでKeep」と言っているが、別の人は「認識がズレていたのでProblem」といっていたりした部分。事象として観測しているのは一つのことなのに、 人によってそれを問題と捉えているのか、知見を得たと捉えているかは感じ方が異なっていた。

興味を持っている部分が異なると視点も変わる

自分はどちらかと言うと「チームの問題が顕在化したこと」にたいしてはポジティブに感じられるタイプだが、それがPJのスケジュールへクリティカルに影響するとネガティブに感じるという発見があった。

別のメンバーは改善点が見つかったので、PJの状況に関係なくKeepだとポジティブに捉えている人もいた。この考えに僕はチームメンバーとして大変救われることになるが、それはまた別の話なので今回は割愛する。

言いたかったのは、どこに視点を持っているかによって捉え方が変わるということ。
これは「スケジュール」もっというと「デリバリー」を重視している人は仕様変更があったり、すり合わせられていない問題が露見するとそこが後ろ倒しになる関係からProblemと認識する。

反対に、チームの立ち上げを重視している人からすると、そういった認識のズレに気づけたことはKeep=良いことだと捉えることができる。

まさに、向いている方角が違うがゆえの価値観のぶつかり(というほどでもないかもしれないが)が発生しているので、 「混乱期」 のフェーズに差し掛かったのではと思うようになった。

やがて認識は揃ったりブレたりを繰り返す

こういった認識の違いが起きても、「認識が違っていたよね」ということをお互いが自覚できれば、次の週の振り返りでのアウトプットに影響が出てくる。具体的には、ズレていた視点が揃い始めてくるので意見が揃いやすくなってくる。「自分もそれを思っていた」という部分が出てくるようになる。
(これは今思い返すと結構偶然もあったのかもしれない)

この感覚が身についてくると、意見を出す時に「みんなもきっと同じことを思っているだろう」という安心感を抱きやすくなり、結果的に振り返りでの発言レベルが上っていく。

もう少し具体的に言うと、「この文脈で話をしても誤解なく伝わるだろう」「センシティブな言葉を使っているがネガティブに捉える人はいないだろう」という安心感が生まれる。良く言われる言葉を使えば、心理的安全性が向上しているといえる。
ここは 統一期 に向かっているのかも・・・という自信を抱き始める。

しかし、一方で全ての視点・観点においてみんなの意識が揃っているわけではない。
別のまた異なるイベントが発生した時に人によってそれをポジティブに捉えるか、ネガティブに捉えるかというのはまた異なったりする。
ここはまだチームが 混乱期 を脱せていないことを自覚したりする。

つまるところ、混乱期から統一期に向かう途中ではある種反復横跳びのような、その両方の状況を不定期に繰り返すような現象が発生しているといえる。

一部統一期、一部混乱期

世の中のチームはきっと、この一部混乱が起きていて、一部意思が統率されているというハイブリットな状況にいるチームが多いのではないかと思う。いや、具体的な調査をしたわけではなく単なる経験則で喋っているが。

それが統一期に完全に移行したら「機能期」として一番ハイパフォーマンスな状態になるのかもしれないと思った。

現在私がいるチームはまだ混乱期を脱しているとは言えない気がする。
ただ日々の振り返りの質の向上や、メンバーの意識の変わり方を見ているとやがて統一期に完全移行できるであろうという希望は持っている。

タックマンモデルと振り返り

今回は、タックマンモデルを題材に扱ったが、これはチームの状況を表す物差しとしてやはり洗練されているのだろうと思う。またその現在地確認として振り返りという行為が非常に有用なイベントであることに気づいた。

あなたが見ている一つの事象が、他の人から見たらどう写っているか?はすり合わせていくことできっとあらたな視界が開けるかもしれない。

さいごに:個人的に心がけていること

振り返りをするうえで、私が個人的に一番心がけていることがある。
(十分にできている自信はまだないが)

それは、自分の失敗を正直にアウトプットすること。 これが意外と難しい。

プライドとか、後輩を前にした意地とか、評価を下げたくないとか、いろんなしがらみが邪魔をする。もっというと、その思いが「自分は失敗してないのでは?」という錯覚すら起こすときもある。

でもその感情に支配されて正しい失敗のアウトプットが出来ていないと、おそらくチームの統一は訪れない。周りの人が失敗の原因が明らかになっているのに、自分だけそれに気づいていないのは「同じ方向を向けていない」からだ。

言うのは簡単でも、実行するのは難しい。自分も日々この感情と戦いながら毎日を過ごしている。
でも、意外と失敗を認めてしまえばリラックスできたりする。

自分は真言宗の開祖、空海のこの言葉を思い出すようにしている。

心を楽にする秘訣は弱みをさらけ出すことである。
――弘法大師空海

ぜひ、みなさんが

  • 心を楽にして
  • チームのパフォーマンスを上げて
  • 混乱期を乗り越えられること

を祈っております。

このチームがその後どうなったか・・・は、またどこかのタイミングで、続編として報告します。

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