●初期 RAM ディスク
システム起動時に仮の環境としてまずメモリ上にファイルシステムを展開し、そこでカーネルを動作させてから本来のファイルシステムをルートにマウントし直す、といった段階的なブートを実現する機能。
高度な機能を使うにはまずカーネルを動作させなければならないので、仮の環境でまずカーネルを動かす。そのためには仮のファイルシステム環境そのものを保存したイメージファイルが必要だが、形式に2種類がある。initrd 形式と initramfs 形式。
現在は cpio アーカイブを gzip で圧縮した initramfs 形式の方がよく利用される。
●「initrd」「initramfs」両形式の基本的な扱い方の違い
■initrd形式
ファイルシステムイメージをgzip圧縮したもの
作成方法
mkinitrd 出力ファイル名 カーネルバージョン
展開方法
gunzip initrd.img.gz
mount -o loop initrd.img マウント先
※-o loop でループバックマウント設定(イメージファイルを使う設定)
■initramfs形式
cpioアーカイブをgzip圧縮したもの
作成方法
mkinitramfs -o 出力ファイル名 カーネルバージョン
展開方法
gunzip initrd.img.gz
cpio -id < initrd.img
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※initramfs 形式の初期 RAM ディスクは dracut コマンドでも作成できる。
dracut 出力ファイル名 カーネルバージョン
例) dracut initramfs.img uname -r