●make install を用いずに手作業でカーネルをインストールするには
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ビルドしたカーネルイメージファイル bzImage を vmlinuz-(VERSION) という名前で /boot に置く
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System.map を同様にSystem.map-(VERSION) という名前で /boot に置く
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/boot/vmlinuz, /boot/System.map というバージョンがつかない名前でもアクセスができるよう、シンボリックリンクを張る
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必要に応じて mkinitramfs または mkinitrd で初期 RAM ディスクを作成し、/boot/initrd.img-(VERSION) とする
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ブートローダに新しいカーネル用の設定を追加する。GRUB Legacyならば /boot/grub/menu.lst、GRUB2 ならば /etc/grub.d/ ディレクトリ配下のファイルなどを適切に編集する(GRUB2 ではさらに grub-mkconfig(またはgrub2-mkconfig)コマンドで、設定内容を /boot/grub/grub.cfg 設定ファイルに反映させること)
●/boot/vmlinuz-(VERSION)
カーネルイメージのファイル(ビルドしたカーネル本体)。
zImage 形式と bzImage 形式の二種類があり、ロードされるカーネルのデータが自己伸長可能なフォーマットで圧縮されている。
●/boot/config-(VERSION)
該当するバージョンのカーネルをビルドする際のカーネル設定ファイル(カーネルコンフィギュレーション)である /usr/src/linux/.config のバックアップ。
カーネルのビルド時に make oldconfig として読み込むことができる「現在動いているカーネルのカーネルコンフィギュレーション」
●/boot/initrd.img-(VERSION)
段階的ブートを行う際の、仮のファイルシステムの内容をまとめたイメージファイル(初期 RAM ディスクイメージ)。
make install を用いた場合は必要に応じて自動的に生成。
手動でインストールを行う場合には、mkinitrd、mkinitramfs、dracut コマンドで作成できる。
●/boot/System.map-(VERSION)
カーネルがメモリ上に展開される際の、シンボルとアドレスのマッピングを記述したファイル(アドレスマップ)。
カーネルのビルド時に /usr/src/linux/System.map として同時に作成
●カーネルモジュールのインストールを行うと、モジュールは /lib/modules/(VERSION)/ にインストールされる。VERSION の部分は、uname -r として得られるカーネルのバージョン文字列。