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作品の上手な写真の撮り方

Last updated at Posted at 2023-09-10

概要

電子工作やロボット等の実在する「モノ」をMakerFaireなどの展示会に出展する時など、作品の写真を撮る場面はたびたび発生します。
この時に「上手に」撮影を行うことで、訴求度や魅力度をぐっと上げることが出来ます。

上手な写真は使ってもらえることがあります。筆者の写真は過去にMakerFaire2017出展者情報公開MakerFaire2018出展者情報公開のページで掲載されたことがあります。
物撮りをする上でのポイントを順に解説します。

静止画撮影のポイント

個人的な意見ですが、撮影に効く順に要素を挙げると以下のようになります。

  • 背景
  • 撮影対象
  • ライティング
  • 撮影設定

順番に説明していきます。

背景

これはシンプルで背景をいかに白く/余計なもの無くできるかです。
自宅で撮影しようとすると意外と背景に物が写ってしまいます。部屋を片付けるのもそうですが、素直に白背景を用意しましょう。
以下は同じものを「自宅の出来るだけものが少ない場所」と「白背景(後加工無し)」で撮影した比較です。効果は言うまでもないでしょう。

背景差分.jpg

小物ならライトボックスがおすすめです。

LightBox.JPG

  • LEDが付いているものもありますが、カメラ側にフラッシュがあれば不要です。
  • サイズは思ったよりも大きめにしましょう。撮影の画角を考えると撮影対象の2倍のサイズは必要です。
  • 安く済ませたい場合は、大きめの模造紙を使う手もあります。

大物ならスタンド+背景布がおすすめです。

backscreen.jpg

  • 本来は人物撮影用なので大きいですが、床の分まであるので大型のものがおすすめです。
  • 背景は布と紙の物がありますが、布の方が扱いやすいこと、小さく折りたためることのためお勧めです。しわがつくのが欠点ですが、正しくライティングすればそこまで目立ちません。
  • 布をL字に垂らすと、角の部分が撮影で分かってしまいます(上記のサンプル画像はこの傾向がある)。Rが大きくつくように設置するのがポイントです
  • 撮影前は掃除をしっかりしましょう。髪の毛はとても目立ちます。

撮影対象

ここは作っている人のこだわりの部分なので軽めに、個人的に思ったことをいくつか

  • 余計な配線やテープ等は無いほうが良い。
    メカメカしくてかっこよいと思うこともありますが、余計なものがあると余計なポイントに気を取られるので減らしましょう。
  • 垂直線を合わせる
    水平線はとる角度によって撮影画面上で水平にならない(下図青)ですが、垂直線は必ず垂直になります(下図赤)。
    実は以下のロボットはもともと縦のフレームが1deg程度後ろに傾斜しているのですが、そのまま撮影すると違和感がありました。そのために紙を挟んで、垂直に立つようにしています。

垂直線.jpg

ライティング

一番写真で差がつくポイントです。簡単に言うとフラッシュをバウンスで焚きましょう。
フラッシュは必須です。ない場合は影がついて非常に見ずらい写真になります。人が直接見ているときは不思議と細かい影は気になりませんが、写真にしたとたん影が気になって見ずらい写真になります。

フラッシュといってもスマホについているような直接光を当てるものではなく、間接的に当てる「バウンス撮影」が出来るものが必要です。
直接フラッシュ撮影をすると、フラッシュに正対している面が反射で白飛びしてしまったり、細かい部品に影がついてしまします。一方バウンス撮影なら光が点でなく、面で照射されるのでこれらの点で改善します。

flash.png

フラッシュの強さは「ガイドナンバー」であらわされます。数字の2乗が光量に比例します。
強ければ強いほど撮影シチュエーションが増えて便利ですが、30程度あれば十分です。
ソフトボックスやパラソルなどの撮影用品がありますが、天井や壁が白ならバウンス撮影で十分です。

撮影設定

解像度

最近の一眼カメラなら特に問題はないですが、大きく引き伸ばすなら解像度に注意です。

  • 雑誌などの写真のようにきれいに乗せるには450dpi(=180 dot/cm)の解像度あれば十分です。
  • そこそこの画質なら300dpi(=120 dot/cm)あれば十分です。
  • 200dpi(=80 dot/cm)まで下がると粗さが見えます。

大きく掲載することを考えると以下のような解像度が必要です。

サイズ 300dpiでの解像度
A5(148×210mm) 1748x2480
A4(210×297mm) 2480x3507
A3(297x420mm) 3507x4960

フォーカス設定

作品の撮影はフォーカスがしっかりあっているかが命です。
今回の例のロボットのようにある程度厚みがある場合に、手前から奥までピンとがあっていることが大事です。そのためにある程度絞りを絞る必要があります。最低でもF8は絞る必要があります。
ある程度絞ればAFでも構いません。

露出設定

カメラのプレビューで見て判断することもありますが、それから1段、2段明るくして撮影しましょう。明るめの方が細部までよく見える写真になります。
カメラで表示される明るさの目安などは画面全体での評価値です。今回の撮影の設定では背景が白なので、それに引っ張られて明るいと判断されますが、今回は背景でない撮影対象物が肝心なため、それより数段明るくする必要があります。

このような設定ではヒストグラムの確認が重要です。背景が白く飛んでいること、撮影対象が広いレンジで色が撮れていることを確認します。

ヒストグラム.png

焦点距離(ズーム)

出来る限り望遠で撮影しましょう。複眼スマホなら一番倍率が高いもので撮りましょう。

ホワイトバランス

基本的にAutoで構いませんが、複数のカットをとって並べるときにWB設定がずれていると違和感が出ます。このような場合は手動で設定しましょう。

設定例

参考までにこのページに貼ったサンプルでの撮影設定です。

項目
絞り F13
シャッター 1/60
ISO 1600
W/B フラッシュ
フォーカス AF
焦点距離 41mm(24-105ズームレンズ)

参考

ガイドナンバー

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