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Rover製作09 Ardupirotで駆動系の設定をする

Last updated at Posted at 2022-02-27

環境

この記事は以下の環境で動いています。

項目
CPU Core i5-8250U
OS Windows10
MissionPlanner v1.3.80
項目
Board Pixhawk(v2.4.8)
Ardupilot Rover V4.2.3

概要

とうとう移動ロボットの要の駆動系部品の組み立て、設定を行います。Pololuのエンコーダー付きギアモーターを使い、WheelOdometryが使えるようなセットにします。モータードライバとしてRoboClawを使います。今回はモーターをプロポ経由でコントロールすることを目標にします。

09_controll.jpg

予備知識

バッテリーモニター

今回使うPDBにはバッテリーモニターが組み込まれていて、バッテリー電圧と使用電流を計測することが出来ます。
電流系はDroneでの数十Aの大電流を想定したもののようで、Roverで使う数Aスケールだと誤差は大きめです。
また、残量も起動時は100%と表示して、消費電力を積算して表示しているようであまりあてにはなりません。

バッテリーフェイルセーフ

Ardupilotではバッテリー残量が低下したときにアクションを行う機能があります。ロボットを動かしているとバッテリー定電圧になったことを見落とすこともあるので設定しましょう。バッテリー残量の閾値とアクションの内容をパラメーターで設定できます。

Onboard Displayの設定(I2C)

モードの状態やArmの状態を表示してくれます。MissionPlannerをつなげば大体のArdupilotの情報が見えるのですが、今後組み込んだ時にArmできないときなどに理由を表示してくれるので便利です。対応しているディスプレイが2種類ありますが今回は「SSD1306」を使います。これはI2C接続の物ですが、同じSSD1306でもピン配列が違うものがいくつかあるので注意です。
ardupilotの機能で、FPVゴーグル用の映像伝送に文字をオーバーレイするOSD(On Screen Diaplay)があるのですが、これとは別機能です。

DSC_1243.JPG

SafetySwitchについて

このスイッチが「safe」である間はモーターが回らないようになっています。初期設定では起動時は「safe」でボタンを長押しすると切り替わります。パラーメーターを変更すると起動時「unsafe」に変更できます。

状態 LED 説明
safe flashing モーターが回らない状態
unsafe solid モーターが回る状態

ARMとprearm check

Ardupilotは起動時は「DISARMED」状態でARM操作をすることで「ARMED」状態になります。
ARM操作をするときに「prearm check」が行われて、これがNGが出ると「ARMED」状態にはなりません。
デフォルトでは様々な項目をチェックしていますが、今回の使い方では、GPS受信できていない等の確定でNG項目があります。チェック通過するために「prearm check」で検査する項目を編集します。

Ardupilotのモードについて

モード名 説明
Hold モーターを動かさないモードです
Manual スティック軸の値をそのまま出力するモードです
Acro 自己位置のフィードバックをしながら出力をするモードです
Guided 自律機能が使えるモードです。CompanionComputerからの指令値に従う動作もできます。

事前条件

必用なハードウェア

  • WindowsPC
    • MissionPlanner導入済み
  • Pixhawk(ardupilot roverインストール済み)
    • MissionPlannerと接続可能なこと
  • バッテリー&モーター一式
    • 過去回で製作済みの物
  • Futaba送信機&受信機
  • I2C接続モニター(SSD1306)
  • ブザー
  • セーフティースイッチ
  • サーボケーブルx2

手順

PDBとPixhawkの接続

  • PDBの5V電源とPixhawkの「Power」コネクタを接続する。

バッテリーモニターの設定

  • WindowsPCでMissionPlannerを起動して、Ardupilotと接続する
  • 「初期設定」->「オプションハードウェア」->「バッテリーモニター」を選択する。
  • 以下のように設定する
    • モニター Analog Voltage and Current
    • センサ 4:3DR Power Modul
    • APM ver 4:The Cube or Pixhawk

bat1.png

  • Pixhawkに電源を再投入する。
  • 「フライト・データ」で表示されるウィンドウで以下のように電圧・電流・残量が表示されることを確認する。

bat2.png

バッテリーフェイルセーフの設定

  • WindowsPCでMissionPlannerを起動して、Ardupilotと接続する
  • 「設定/調整」->「パラメーターツリー」を選択した画面で、以下のパラメーター設定をする。
項目 説明
BATT_LOW_VOLT 15 15Vを下回ったら発動
BATT_FS_LOW_ACT 2 HOLDモードに遷移する
  • 「パラメーター書き込み」を押す。

周辺機器の接続

  • ssd1306のI2CコネクタをI2Cエクステンダー経由でPixhawkのI2Cコネクタに差し込みます。
  • ブザーをPixhawkの「BUZZER」コネクタに差し込みます。
  • セーフティースイッチをPixhawkの「SWITCH」コネクタに差し込みます。

OBDの設定

  • WindowsPCでMissionPlannerを起動して、Ardupilotと接続する
  • 「設定/調整」->「パラメーターツリー」を選択した画面で、以下のパラメーター設定をする。
パラメーター名 説明
NTF_DISPLAY_TYPE 1 ssd1306を使用する
  • 「パラメーター書き込み」を押す。
  • Pixhawkの電源再投入後に、OBDに情報が表示されることを確認

RoboclawとPixhawkの接続

ArdupilotのサーボレールとRoboclawの接続をします。

Pixhawk(サーボレール) Roboclaw
MAIN1 S1
MAIN3 S2

ServoOutputの接続

  • PixhawmのサーボレイルとRoboclawをサーボケーブルで以下のように接続する。
Pixhawk Roboclaw
Main1 S1
Main3 S2

駆動系パラメーターの設定

共通の手順としてMissionPlannerでardupilotを接続します。Roverの設定をしていきます。

パラメーター名 説明
FRAME_CLASS 1(default) Rover
SERVO1_FUNCTION 73 左モーター出力
SERVO3_FUNCTION 74 右モーター出力
MOT_SLEWRATE 300 モーター出力の変化率の最大値の設定[%/s]
BRD_SAFETYENABLE 0 safety switch が起動時にunsafeになる
ARMING_CHECK 310 Barometer、Compass、INS、Parameter、Battery Levelのみチェック

モーターの駆動動作確認

  • safety swtichが「unsafe」であることを確認する。
  • 「初期設定」->「オプションハードウェア」->「モーターテスト」を選択する。
  • モーターが回転しても安全であることを確認する。
  • 「Test motor C」を押す。
    • この時左モーターが進行方向に向けてゆっくり(30deg/s程度)で2秒ほど回ることを確認
  • 「Test motor D」を押す。
    • この時右モーターが進行方向に向けて同様に回ることを確認

motor_test.png

プロポ操作でのモーターの動作確認

  • safety swtichが「unsafe」であることを確認する。
  • 左肩のスイッチを奥に倒し、フライトモードを「HOLD」にする。
  • 右スティック左右軸を右いっぱいに数秒間倒し続けるARM操作をする。
    • 正常にARMが完了するとブザー音が鳴る。
  • 左肩のスイッチを真中に倒し、フライトモードを「MANUAL」にする。
  • ボリューム軸で前進後退、右スティック軸左右で旋回します。

motor_test2.gif
※上記の動画では軸の設定が違うため右スティック上下で前進後進方向の動きをしている。

  • Roboclaw単体の時とは違い、各軸の情報がMixされた出力となっていることを確認する。

エンコーダー接続ケーブル(Pixhawk)の作成

上基板側 Pixhawk
XH4 2550 4P
1 EN1A 1 AUX6
2 EN1B 2 AUX5
3 EN2A 3 AUX4
4 EN2B 4 AUX3

モーターケーブル3.JPG

WheelEncoderの設定

  • WindowsPCでMissionPlannerを起動して、Ardupilotと接続する
  • 「設定/調整」->「パラメーターツリー」を選択した画面で、以下のパラメーター設定をする。

ピンの設定

パラメーター 説明
servo11_function -1 AUX3をGPIOとして使う
servo12_function -1 AUX4をGPIOとして使う
servo13_function -1 AUX5をGPIOとして使う
servo14_function -1 AUX6をGPIOとして使う

エンコーダー1(左側)の設定

パラメーター 説明
WENC_TYPE 1 WheelEncoder有効
WENC_CPR -4480 1回転あたりのエンコーダーのパルス数(負値は回転方向逆を示す)
WENC_PINA 55 エンコーダー1のA相はAUX6
WENC_PINB 54 エンコーダー1のB相はAUX5
WENC_POS_Y -0.17 モーター1のY位置[m]
WENC_RADIUS 0.072 モーター1のタイヤの半径[m]

エンコーダー2(右側)の設定

パラメーター 説明
WENC2_TYPE 1 WheelEncoder有効
WENC2_CPR 4480 1回転あたりのエンコーダーのパルス数
WENC2_PINA 53(default) エンコーダー2のA相はAUX4
WENC2_PINB 52(default) エンコーダー2のB相はAUX3
WENC2_POS_Y 0.17 モーター1のY位置[m]
WENC2_RADIUS 0.072 モーター1のタイヤの半径[m]
  • Pixhawkに電源を再投入する。

エンコーダーの動作確認

  • 「エンコーダー接続ケーブル(Pixhawk)」で上部配線基板とPixhawkを接続する。
  • WindowsPCでMissionPlannerを起動して、Ardupilotと接続する
  • 「初期設定」->「Advanced」を選択、中央画面の中から「MAVLink Inspector」を選択する。
  • ツリーを開いて「WHEEL_DISTANCE」の値を確認する。
  • 駆動輪を回して、各軸が進行する方向に1[m]分進むと、1.0数値が増えることを確認する。
    • 最初の要素が左エンコーダー、2つ目が右エンコーダーに対応する。

WHEEL_DISTANCE.png

参考

Ardupilot Rover モーター設定
Ardupilot Rover Failsafe
Ardupilot WheelEncoder

目次ページへのリンク

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ROS2講座の目次へのリンク

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