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Wi-Fi6の個人的なまとめ

Last updated at Posted at 2022-07-03

概要

Wi-Fi6 (IEEE802.11ax)の個人的なまとめ。
Wi-Fi6が謳っているのは、高速化・効率化・省エネの3点。

1.高速化

1024QAMサポートとサブキャリア数増加

1024QAMサポートとサブキャリア数増加により、最大理論速度がWi-Fi5(IEEE802.11ac wave2)の6.93GbpsからWi-Fi6は9.60Gbpsになっている。

データを無線で通信するためには「1次変調」→「2次変調」を行う。なお、その次にさらに通信路多重化を行うこともある。
「1次変調」では、1,0のデータを搬送波に乗せるための符号化に関する変調である。QAM等がある。
「2次変調」では、1次変調したデータを効率よく送信するために周波数多重を行う変調である。ODFM等がある。

Untitled Diagram-Page-5.drawio.png

OFDM方式では、1ch(20MHz)の帯域をサブキャリアに分割し送信する。1サブキャリアあたり通信容量が増えれば当然全体の通信容量が増える。

Wi-Fi5(IEEE802.11ac wave2)では、1次変調方式が最大256QAMでありlog2 256で1シンボルあたりの送信容量が8bitに対し、Wi-Fi6では、1024QAMに拡張し、log2 1024で1シンボルあたり10bitの通信容量となっている。

またWi-Fi5では周波数拡散した際に1シンボルの帯域幅が312.5MHz(サブキャリア数は63)であったものが、Wi-Fi6では78.125MHz(サブキャリア数は252)に狭めることができており、1chあたりに送信できるデータ容量が増えている。

Untitled Diagram-Page-6.drawio.png

2.効率化

MU-MIMO

Wi-Fi5ではSU(Single User)-MIMOまたはDL(Down Link) MU(Multi User)-MIMOのサポートであった、Up Linkにも対応した。

MIMOはアンテナ多重技術アンテナ最大8本を用いて、通信路多重化を行い、通信容量を増やす技術。1クライアントあたり4本(ストリーム)の多重が可能。

SU-MIMOは、1:1でAPとSTAで通信を行い、MIMOの多重化により1アンテナで1ストリームの通信を行うより、通信容量を増やすことが可能。Wi-Fi4(IEEE802.11n)から登場。

DL MU-MIMOでは、1:多でAPとSTAでダウンリンク(AP→STAs)に送信する際に複数端末へ同時に送信する技術。Wi-Fi5より登場。

UP MU-MIMOでは、アップリンク(STAs→AP)への通信も同時に送信できるようになっている。

Untitled Diagram-Page-2.drawio.png

背景として無線LANは、通常CSMA-CA方式で通信を行うため、他の端末が通信している場合は端末は通信を一定期間待つ方式である。MU-MIMOにより複数の端末が同時に通信できることで通信帯域の効率的な使用実現し、無線LANネットワーク全体の効率化を実現する。

OFDMA

Wi-Fi5までの無線LANは、OFDM方式であり、1ch(20MHz)は1:1でAPとSTAによる通信しか行うことができなかった。Wi-Fi6では1chをOFDMAと呼ばれる、サブキャリアごとに異なる端末と送信できるようにする技術である。これにより、複数の端末に対して同時にデータ送信することが可能となる。

Wi-Fi6で割り当て可能なサブチャネルは26本のサブキャリア(2MHz)であり、20MHz帯には、最大で9つ(=252/26)の異なる端末に送信が可能である。サブチャネルを示すためにRU(Resorce Unit)という概念で表現する。RUはサブキャリア数に合わせて26,52,106,242,484,996の任意の組み合わせで使用可能である。

なお、OFDMAは少量のデータを複数の端末と同時に送信する際には効率化可能であるが、大容量のデータを同時に送信するには不向きの技術である(1端末あたりに一定時間に送信できるデータ容量は減るため)。少量のデータを多数の端末で同時に通信するIoT機器向け等での活用を想定していると思われる。

Untitled Diagram-Page-1.drawio.png

カラーコード

無線LAN端末はCAMA/CA方式で同一チャネルで他の端末が通信している場合は端末は通信を一定期間待つ(CCA)。

仮に同一チャネルで異なるAPが複数近くに存在するケースで、自STAのCCAの判断閾値を自身が接続するAPと異なるAPで分けて考える方式である。
自身が接続するAPのネットワークをMYBSS、他のAPをOBSSと呼び区別する。OBSSの通信判定のCCAの閾値を高く設定する(通信していると判断しにくくなる)とともに自身の送信出力を下げて送信するOBSSとの通信に影響せずMYBSSのAPとの送信を効率的に行うようになる(CCAによる送信待ちが減るため)。
高密度なAPの配置を可能にすることで、複数の無線LANネットワーク全体を効率化する技術である。

Untitled Diagram-Page-3.drawio.png

3.省エネ

TWT(Target Wake Time)

無線LANのSTAは自身がデータ送信しない時間帯はSleepモードになり電力を消費しないようにする。ただし対向のAP側からデータ送信してされる可能性があり、APで定めるDTIM周期ではSleepモードを解除し、APが送信するBeaconを受信し自身宛のパケットがAPにバッファリングされていないを確認する。

TWTではあらかじめSTAがAPに対して自身が起きる時間を先に伝えた上でSleepモードに入り、DTIM間隔ごとに起きないようにする技術である。

Untitled Diagram-Page-4.drawio.png

IoT機器のように1日1度状況を通知するだけ、のようなユースケースでの活用が期待される技術である。TWTはもともとIoT機器向けの通信規格IEEE802.11ah(Wi-Fi HaLow)で導入された規格である。

参考

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