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【伝わるコードレビュー】読書感想 - PRを書くすべての人へ

Last updated at Posted at 2025-07-16

はじめに

コードレビューはエンジニアにとって日常的な行為ですが、つい「なんとなく」で済ませてしまっていないでしょうか?

私自身、レビューを受けたり書いたりする中で、「もっと良いやり方があるのでは?」と感じることが増えてきました。
そんなとき、ネットで見かけたのが『伝わるコードレビュー』という一冊です。

実際に読んでみると、自分のレビューの質を見直すきっかけになり、「伝える力」を伸ばすためのヒントがたくさん詰まっていました。
今回はその学びと感想をまとめます。


なぜこの本を読んだか?

レビューの質に伸びしろがあると感じたから

最近はAIがコードを書く機会も増え、PRの数も自然と増加しています。
その結果、レビューが開発フローのボトルネックになりつつあるのを実感し、レビュー力を高めたいと思うようになりました。

同僚のPRがとても見やすく、自分もそうなりたいと思ったから

さまざまな企業出身のメンバーがPRを出す中で、ある同僚のPRが非常に丁寧で分かりやすく、レビューの負担を大きく下げてくれていました。
自分もそんなPRを書けるようになりたいと強く思ったのがきっかけの一つです。

今まで「なんとなくの雰囲気」でやっていたから

前職ではチーム開発やGitの文化があまり根付いておらず、レビューも雰囲気頼り。
今こそ体系的に学び直すタイミングだと感じました。


この本は誰におすすめか?

  • チーム開発を始めたばかりの人
  • 自己流でレビューしてきた中堅〜ベテランの人

本書では、ベテランとジュニアをモチーフにしたキャラクターのやりとりを通じて、現場でありがちなすれ違いや勘違いが丁寧に描かれています。

PRの「よくあるパターン」がケース別に扱われており、「これ、自分にもあったな……」と思わされる場面が多く、思い込みや思考のクセをリセットするのに役立ちます。


説明することの難しさを再認識

変数名や処理の流れに意図があっても、それが相手に伝わらなければ意味がありません。
レビューは「コードを書くこと」ではなく、「意図を共有すること」。
この視点を持つことの大切さを再認識しました。


特に印象に残ったポイント

伝わるコードレビューの5大ルール

  1. 決めつけない

    • 想像や感情ではなく、事実に基づく。ハンロンの剃刀を意識する。
  2. 客観的な根拠に基づく

    • 想像と事実を分け、エビデンス(ログや仕様)を添える。
  3. お互いの前提知識を揃える

    • 対話を重視し、前提を確認し合う。
  4. チームで仕組みを作る

    • テンプレートやLintなどで一貫性を保つ。
  5. 素直さを心がける

    • 防衛的にならず、率直に意見を交わすことがチームの成長につながる。

前提知識を揃える重要性

  • コードを見ても、背景や目的が分からなければレビューできない。
  • PRには「背景」「目的」「試行錯誤したこと」「結果」を丁寧に記載する。
  • スクリーンショットや動画などで視覚的に伝えるのも効果的。

説明不足がコストになる

  • 「Issueを見れば分かるでしょ」は避ける。
    情報を探しに行く時間はコストになるし、Issue自体が消えている可能性もある。

  • 将来の自分もチームメンバーも、記憶しているとは限らない。


やって「できなかったこと」も記録する

  • 試したけどうまくいかなかったアプローチも記録しておくことで、同じ議論の再発を防げる。
  • プロセス自体がチームの資産になる。

期日の明示とレビュアーの指定

  • 「いつまでにマージしたいか」をPRに明記する。
  • 「誰かが見てくれるだろう」は思考停止。レビュアーは明確に指定する。

指摘に従うだけにならない

  • 指摘を受け入れるだけでなく、「なぜそう感じたか?」の背景を共有することで、対等な対話が生まれる。

実践したいTipsまとめ

  • 命令調ではなく、提案や共感をベースに伝える
  • LintやPRテンプレートで仕組み化する
  • はい/いいえで答えられる質問を使い、レビューの負荷を下げる
  • 論破よりも納得を重視する
  • before/afterの視覚的比較を使う
| 変更前 | 変更後 |
| ----- | ----- |
| <img alt="スクショ1"/> | <img alt="スクショ2"/> |

まとめ

改めて振り返ってみると、コードレビューは単なる技術行為ではなく、テキストベースのコミュニケーション能力が問われる場面だと強く感じました。

レビューは、チームでプロダクトを良くするための大切な「対話」です。
この本を通して、「どう伝えるか」の視点を持ちながら、より良いPR・レビューを実践していきたいと思います。

書籍リンク:伝わるコードレビュー

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