#こんなもの作ります
##概要
社内でアプリやVR作成をしたころがないメンバが集まり、Unityを使ってCardboardのVRアプリ作成を始めていきます。
イメージは以下のようなもの。
UnityではAndroid端末向けのapkファイルの作成やPC向けのexeファイルの作成は最後の最後に切り替えることができます。
そのため、まずはUnityで3Dゲームを作成しその後対象の端末に向けて実行ファイルを作成していきます。
##メイン画面の説明
①問題を表示
②回答1を表示
③回答2を表示
④中心線、トロッコが左右どちらに位置するかで回答をする
(見えていないですが)トロッコは中心線に対して左右どちらに目線があるかで左右にハンドルを切ります。
そして、問題文の下を通るときに左右どちらに位置するかで回答をします。
Android端末であればそのまま目線を指します。PCの場合はマウスの座標が目線となります。
##動かしたものがこちら
動画は貼れなかったのでアニメーションgifでのご提供。
非常にわかりづらいのですが、スマホの傾きによってトロッコが左右にハンドルを切っています。
こうしたスマホ実機を用いたVRアプリを今から作っていきます。
#まずは3Dゲームを作る
##トロッコ
トロッコは3Dオブジェクトを組み合わせています。このトロッコの中にMainCameraを入れ込みトロッコを動かすことでカメラも動くようにしました。
##トロッコを動かす
トロッコを前へ動かすために、GoAheadというスクリプトを追加します。
using UnityEngine;
public class GoAhead : MonoBehaviour
{
public CharacterController eCon;
public int targetX;
public int targetY;
public int targetZ;
private Vector3 destination; //目的地
private float speed; //スピード値
private Vector3 velocity; //速度×方向
private Vector3 direction; //移動方向
// Use this for initialization
void Start()
{
destination = new Vector3(targetX, targetY, targetZ);
speed = 10.0f;
velocity = Vector3.zero;
}
// Update is called once per frame
void Update()
{
if (eCon.isGrounded)
{
velocity = Vector3.zero;
direction = (destination - transform.position).normalized;
transform.LookAt(new Vector3(destination.x, transform.position.y, destination.z));
velocity = direction * speed;
}
velocity.y += Physics.gravity.y * Time.deltaTime;
eCon.Move(velocity * Time.deltaTime);
}
}
Handleというスクリプトを作って、目線の位置によってトロッコのハンドルを切るようにします。
このようにスクリプトを組むとHandle(Script)にObjectという要素が現れるのでEyeのオブジェクトをドラッグして指定します。
Eyeオブジェクトは後述。
using UnityEngine;
public class Handle : MonoBehaviour {
[SerializeField]
private GameObject m_object = null;
// Use this for initialization
void Start () {
}
// Update is called once per frame
void Update () {
if (m_object.transform.position.x < transform.position.x)
{
if (transform.position.x >= -1)
{
transform.position -= new Vector3(0.1f, 0f, 0f);
}
}
else
{
if (transform.position.x <= 1)
{
transform.position += new Vector3(0.1f, 0f, 0f);
}
}
}
}
##目線を作る
トロッコの中にEyeオブジェクトを作っていますが、実際はどこでもいいです。
PCならマウスの位置にこのオブジェクトを持っていき、スマホなら利用者の目線にこのオブジェクトを持っていきます。
今はとりあえずPC用にマウス位置にオブジェクトを持っていきます。
using UnityEngine;
public class EyeTarget : MonoBehaviour {
[SerializeField]
private GameObject m_object = null;
// Use this for initialization
void Start () {
}
// Update is called once per frame
void Update () {
Vector3 touchScreenPosition = Input.mousePosition;
// 10.0fに深い意味は無い。画面に表示したいので適当な値を入れてカメラから離そうとしているだけ.
touchScreenPosition.z = 10.0f;
Camera gameCamera = Camera.main;
Vector3 touchWorldPosition = gameCamera.ScreenToWorldPoint(touchScreenPosition);
m_object.transform.position = touchWorldPosition;
}
}
##ゲームクリア画面の作成
1.シーンの作成
「File」→「NewScene」からシーンを作成。
2.画面の作成
テキストとボタンを貼り付け、位置やフォントサイズなどを整えて作成。
3.ボタンの設定
ボタンを押したとき、タイトル画面に戻るように設定。
using UnityEngine;
using System.Collections;
using UnityEngine.UI;
using UnityEngine.EventSystems;
using UnityEngine.SceneManagement;
[RequireComponent(typeof(Button))]
public class GameOverScript : UIBehaviour
{
protected override void Start()
{
base.Start();
// Buttonクリック時、OnClickメソッドを呼び出す
GetComponent<Button>().onClick.AddListener(OnClick);
}
void OnClick()
{
// 「title」シーンに遷移する
SceneManager.LoadScene("title");
}
}
※同様の手順でゲームオーバーの画面も作成。
※タイトルのシーンも作ってます。説明は割愛。
##PC用の実行ファイルを出力する
###実行ファイル出力用の設定をする
メニューのFileからBuild Settings...を選択します。
Build SettingsのAdd Open Scenesを押し、必要なシーンをすべてチェック済み状態にします。
Player Settings...を押します。
Inspectorが開かれるので、Company NameとProduct Nameを適当に決めます。
ここでは、「DefaultCompany」「torokko」としました。
下矢印のタブがPC用の設定です。今回は特にいじりません。
PC用の設定が完了したら、Build SettingsでBuildを押します。
_Dataフォルダと、exeファイル、UnityPlayer.dllの3つのものが出来上がります。
exeファイルをダブルクリックすればPC上で起動できます。
#Android用の実行ファイルを作る
ここから本番です。まずはVRは横に置いておき、Android用の実行ファイルを作ることに注力します。
##設定をいじらずにそのままビルドしてみる
Android SDKの場所を求められてしまいました。
##Android SDKをインストールする
https://developer.android.com/studio/index.html
ここからAndroidStudioをインストールします。AndroidSDKは単体ではダウンロードできないようです。
AndroidStudioを初回起動したときにAndroidSDKのインストールが始まります。
AndroidStudioは利用しませんが、1回は起動しましょう。
Unityに戻って、EditのPreferences...からUnity Preferencesを開きます。
そのExternal ToolsからAndroidSDKとAndroidJDKを指定します。
##Android SDKのtoolsを差し替える
さて、もう1回ビルドします。
https://qiita.com/niusounds/items/bcbeee622b2114b4016e
ここに記載のように、AndroidSDKのtoolsを差し替える必要があるようです。差し替えます。
http://dl-ssl.google.com/android/repository/tools_r25.2.5-windows.zip
ここからzipを落としてきて、解凍します。
AndroidSDKのtoolsに上書きします。左から右へ上書きします。
##パッケージ名を合わせましょう
さて、もう1回ビルドします。
Company NameとProduct Nameは、AndroidタブのOther SettingsのPackage Nameと合わせる必要があります。
com.Company.ProductNameからDefaultCompany.torokkoへと修正しました。
##JDKは1.8までのようです
さて、もう1回ビルドします。
先ほど、JDK10を指定していましたがJDK1.8まででないといけないようです。
JDK1.8に設定を変更します。
##Android用実行ファイルが作成されました
ひとまずAndroid用実行ファイルが作成されました。まだ、VRという言葉はどこにも出てきていません。
#VR化する
##VR化の設定をする
VR化するのは簡単です。
AndroidタブのXR SettingsのVirtual Reality Supportedをチェックします。
今回はCardbordを選択します。(VR機器を何も持たない状態でVRアプリを作るのが目的の1つだったりします)
##Androidの動作環境を設定する
さて、もう1回ビルドします。
Cardbordは最低のAPIレベル19が必要なのに対し、16を選択している状態だと怒られています。
AndroidタブのMinimum API Levelを16から19に修正します。
##VR化されたAndroid実行ファイルが作成されました
このapkファイルをAndroid端末でインストールすればもうVR化されています。
しかし、もう少しだけ続きます。
#VR上の目線でトロッコを操作する
##どういうこと?
最初に3Dゲームを作ったときに、マウスの位置を目線とするようにスクリプトを組みました。
それでPC上ではうまくいっていましたが、Android端末ではマウスはないのでうまく動きません。
VR上では利用者の目線方向にトロッコを動かしたいのです。
##EyeTargetスクリプトを修正する
EyeTargetスクリプトの中でマウスの座標位置を取得しEyeオブジェクトの座標としていました。
そして、Eyeオブジェクトの座標が中心より左か右かでハンドル操作をするスクリプトも組み終わっています。
つまり、EyeTargetスクリプトでVR上の目線をEyeオブジェクトの座標とすれば他の処理は変更しなくてよいはずです。
以前のロジックを一部コメントアウトし、以下のようにロジックを修正します。
using UnityEngine;
public class EyeTarget : MonoBehaviour {
[SerializeField]
private GameObject m_object = null;
// Use this for initialization
void Start () {
}
// Update is called once per frame
void Update () {
//Vector3 touchScreenPosition = Input.mousePosition;
// 10.0fに深い意味は無い。画面に表示したいので適当な値を入れてカメラから離そうとしているだけ.
//touchScreenPosition.z = 10.0f;
Camera gameCamera = Camera.main;
//Vector3 touchWorldPosition = gameCamera.ScreenToWorldPoint(touchScreenPosition);
Vector3 touchWorldPosition = gameCamera.transform.position;
touchWorldPosition.z = 10.0f;
m_object.transform.position = touchWorldPosition;
}
}
修正後に、再度ビルドしなおしたら完了です。
#感想
VR化は簡単だよっていう情報を元に始めたのですが、予想外のところにつまづきが多かったです。
とはいえ、苦戦しつつ初めて実機でVRが動いたときの感動は大きかったです。
開発環境面での障害は取り除けたと思うので、今度は内容がともなったVRアプリの作成に励んでいきたいと思います。