無料版で使える生成AIの比較:ChatGPT,Claude,Gemini
最近,生成AIが注目されていますが,どのモデルがどのように違うのか気になる方も多いでしょう.この記事では,無料版で使えるChatGPT,Claude,Geminiのモデルや機能を比較してみます.それぞれの特長や使い方について詳しく解説します.
生成AIの正確さはだいぶ高まってきているので,今回の比較では使える機能なども重視していこうと思います.
1. ChatGPT
ChatGPTはOpenAIが開発した生成AIです.生成AIのブームの火付け役とも言え,多くの人々に利用されています.他のllmを知らなくても,ChatGPTは知っているという人は多いでしょう.
モデル
- GPT-4o: 現在のOpenAIの最新モデルで,シンプルにすごいです.
- GPT-4mini: GPT-4oよりは正確性が少し劣るものの,軽量で速いです.
無料版でもGPT-4oを使用できますが,使用時間帯や状況によって異なる回数制限があり,それが適用されるとGPT-4miniに切り替わります.
GPT-3.5はもう使われないようです.
ただし,GPT-4miniでも性能は十分高いです.
マルチモーダル
- 画像認識: 画像を入力することで,画像に関連するテキストを生成することができます.
- 画像生成: 現在では無料版でも画像を生成できます.モデルはDALL-Eです.
- 音声読み込み: もちろん可能です.
- ファイル読み込み: 以下の様々なファイルを読み込むことができます.
All common file extensions for text files, spreadsheets, presentations, and documents.
すべての一般的なテキストファイル、スプレッドシート、プレゼンテーション、ドキュメントのファイル形式
機能・特長
- アプリ: OpenAI公式のアプリがiOSとAndroidとMacで利用可能です.
macではoption
+space
で起動できるというショートカット付きです.
iOSでも18.0以降でSiriで使えるようになると噂されているのと,現在ではすでにショートカットアプリでも使えます.
-
メモリ機能:
ユーザーとの過去の対話から重要な情報を記憶し,新しいチャットセッションでもその情報を活用できます.これにより,ユーザーの好みや指示の傾向を学習し,より関連性の高い回答を提供することが可能となっています.
登録されたメモリは個別に削除することも可能です.
-
Python インタープリター:
ChatGPTはPythonコードを実行し,結果を表示できます.データ分析やグラフ作成も可能です. -
カスタム命令:
ユーザーは特定の指示や設定をChatGPTに与えることができ,それに基づいて応答を生成します.これはメモリ機能とは異なり、特定の会話スタイルや応答方法を指定するのに使用されます. -
プラグイン機能:
ChatGPTは様々なプラグインと連携することができ,これにより外部のデータソースやツールにアクセスして情報を取得したり,特定のタスクを実行したりすることができます.(今はGPTsに包含されている感じかと思います.) -
GPTs(カスタムバージョン):
ユーザーは特定の目的や専門分野に特化したChatGPTのカスタムバージョンを使用することができます。これにより,特定のタスクや分野に最適化されたAIアシスタントを利用できます.
世界中の人が作成したGPTsを利用できることもあり精度は高いです.他のツールと連携しているものもあります.
現在GPTsを作成できるのは有料ユーザーのみであり,無料ユーザーはGPT-4oの制限がくるとGPTsも使用できなくなってしまいます.
-
ウェブブラウジング機能:
インターネット上の最新情報にアクセスし,それを基に回答を生成する機能があります.
簡単にまとめると
原点にして頂点といったところでしょうか.
GPTsや最新のモデルを無料提供しているところが個人的な好みです.
2. Claude
ClaudeはAnthropicが開発した生成AIで,安全性と倫理性を重視した設計が特長です.
モデル
- CLaude-3.5Sonnet: 現在のAnthropicの最新モデルで,シンプルにすごいです.
一応Claudeは他のモデルもありますが,現在はこのモデルが最も性能が良いのでこのモデルを使用しましょう.
Claudeは一定の制限に達すると,一定期間使用ができなくなります.他のモデルに切り替わるわけではないので注意しましょう.
マルチモーダル
- 画像認識: できます.
- 画像生成: Artifact機能を用いるとsvg画像などを生成することはできます.
- 音声読み込み: むりっぽいです.
- ファイル読み込み: 以下のファイル形式をサポートしています.
pdf,docx,csv,txt,html,odt,rtf,epub
excelやGoogleスプレッドシートなどはサポートされていません.
機能・特長
-
アプリ: 現在はiOSとAndroidで利用可能です.
-
Artifacts機能:画面を左右に分割し,左側でAIと対話しながら指示を出し,右側に生成された制作物を表示する機能です.これにより,AIとのインタラクションと制作物を同時に確認しながら作業できます.
以下のようなものを作成できるようです.
Documents (Markdown or Plain Text)
Code snippets
Websites (single page HTML)
Scalable Vector Graphics (SVG) images
Diagrams and flowcharts
Interactive React components
この機能の活用事例としては以下のようなものがあります.
- メールの文章生成
- 資料をマインドマップで可視化
- 業務フローをシーケンス図で可視化
- スライド作成
- アプリやゲームの開発(公開・編集も可です)
- Webサイトの作成
- ロゴ(svg画像)の作成
-
Projects機能: 有料ユーザーのみプロジェクトごとに資料やプロンプトを共有し,共同作業を行える機能です.PDFなどの資料をアップロードし,約500ページ分に相当する200Kのコンテキストウィンドウに対応します.プロジェクト固有のカスタム指示を定義でき,チームメンバーで利用可能です.
イメージはChatGPTのGPTsのようなものだと思ってください.
3. Gemini
GeminiはGoogleが開発した生成AIで,グーグル製品と相性がいいです.
モデル
- Gemini1.5 Flash: 現在のGoogleの軽量モデルの中で最新のモデルです.
コンテキストウィンドウ(読み込めるトークン数)が非常に多いので,長い文章や,動画などを読み込む際に便利です.
マルチモーダル
- 画像認識: できます.
- 画像生成: できます.(日本語には対応していないっぽいです.)
- 音声読み込み: できます.
- ファイル読み込み: 有料版ではgoogle docsやpdfなどのファイルを読み込むことができます.
機能・特長
Googleが作ったということもあり,Googleサービスとの連携が強いです.
例えば,解答にyoutubeの動画を埋め込んでくれたり,google mapsを使って地図を表示してくれたりします.
有料版ですが,最近ChatGPT-4oに性能で勝ったと言われているGemini-1.5-Pro-Exp-0801
がリリースされました.
比較表
モデルの性能に関しては,chatbot-arenaを参考にしています.
無料版のモデルで見ると,ランキングは以下のようになります.
Rank | Model |
---|---|
1 | GPT-4o |
2 | GPT-4mini |
3 | CLaude-3.5Sonnet |
4 | Gemini1.5 Flash |
ただし,Gemini1.5 FlashとClaude-3.5Sonnetの差は残念ながら大きく空いてしまっています.
ランキングは2024年8月11日時点のものです.
まとめ
それぞれの生成AIには特長と制約があります.使用目的や必要な機能に応じて,最適なモデルを選ぶことが重要です.無料版を試してみて,自分に合った生成AIを見つけてください.
また,世の中にはwrtnや,天秤AIといった,これらのモデルや有料版のモデルを無料で使えるものもあります.
資料の読み取りなどはできないです.ただのチャットをするには十分です.
完全無料なので,様々な憶測があるかもしれませんが,知っている上で選択することが重要なので一度見てみて下さい.
以上が,ChatGPT,Claude,Geminiの無料版における比較でした.それぞれのAIを活用して,効率的に情報収集やタスクをこなしていきましょう.