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フーリエ変換を信号処理の観点から理解する

Last updated at Posted at 2024-01-18

定義式

j は虚数単位である.

X(f) = \int_{-\infty}^{\infty} x(t) e^{-j2\pi f t} dt

ここで$x(t)$は絶対化積分可能$\left(\int_{-\infty}^{\infty} |x(t)|dt < \infty\right)$

式の意味

この式は,時間領域にある$x(t)$から周波数領域の$X(f)$に変換している式と言える.

導出の準備

まず,フーリエ変換を理解する前に内積フーリエ級数展開について理解をしよう.

内積

内積はここ(信号空間$S_T$)では以下のように定義する.

\langle u(t), v(t) \rangle = \int_{-\infty}^{\infty} u(t) v^{*}(t) dt

信号空間$S_T$の$x(t)$と$y(t)$の内積の値が 0 であれば$x(t)$と$y(t)$は直交するという.

内積の定義は様々あるが,基本的には射影しているイメージ

周波数$f=1/T$の整数倍の周波数を持つ 2 つの指数正弦波関数の内積は以下のようになる.

\begin{align}
    \langle e^{i 2\pi n f t}, e^{i 2\pi m f t} \rangle
        &= \int_{t_0}^{t_0 +T} e^{i 2\pi n f t} (e^{i 2\pi m f t})^{*} dt \\
        &= \delta_{n-m}
        =
        \begin{cases}
            1 & \text{if } n = m, \\
            0 & \text{if } n \neq m.
        \end{cases}
\end{align}

よって周波数$f=1/T$の整数倍の周波数をもつ指数正弦波の集合は信号空間$S_T$の正規直交基底である.

フーリエ級数展開

フーリエ級数展開は以下のように定義される.

$x_T(t)$はここでは周期$T$の周期信号としている

\begin{align}
x_T(t) &= a_0 + \sum_{n=1}^{\infty} [a_n \cos(2\pi n f t) + b_n \sin(2\pi n f t)] \\
    &= \sum_{n=-\infty}^{\infty} c_n e^{j2\pi n f t}
\end{align}

係数は両辺を基底(求めたい係数についている関数)で内積をとって以下のようにして導出する.

\begin{align}
\langle x(t), cos(2\pi nft) \rangle &= \langle a_0 + \sum_{n=1}^{\infty} [a_n \cos(2\pi n f t) + b_n \sin(2\pi n f t)], cos(2\pi nft) \rangle \\

\int_{t_0}^{t_0 +T} x(t) cos(2\pi nft) dt &= \frac{T}{2}a_n \\

a_n &= \frac{2}{T} \int_{t_0}^{t_0 +T} x(t) cos(2\pi nft) dt
\end{align}
\begin{align}
\langle cos(2\pi nft), sin(2\pi mft) \rangle &= 0 \\
\langle cos(2\pi nft), cos(2\pi mft) \rangle &=
    \begin{cases}
        \frac{T}{2} & \text{if } n = m, \\
        0 & \text{if } n \neq m.
    \end{cases}
\end{align}

複素表現の場合も同じようにできる.

\begin{align}
\langle x(t), e^{j2\pi n f t} \rangle &= \int_{t_0}^{t_0 +T} x(t) e^{-j2\pi n f t} dt = c_n T \\
c_n &= \frac{1}{T} \int_{t_0}^{t_0 +T} x(t) e^{-j2\pi n f t} dt
\end{align}

なぜ内積でできるのかというと今回の基底が正規直交基底であるからである.
(a,b)という二次元座標の点を指すベクトルと(0,1)の点を指すベクトルの内積を考えれば,$(a, b)^t * (0, 1)^t = (0, b)^t$となり,y 座標が抽出できていることが分かるだろう.
今回は,ある周波数成分$e^{-j2\pi nft}$の係数をとってきていると考えるとちょっとだけ分かるかもしれない.

ここで$c_n$の意味について考える.
$c_n$はある周波数成分の係数となっている.つまり,これは周波数領域における値だということが分かる.
どのような値かというと,横軸を周波数$f$としたときの縦軸(振幅)の値である.
ただし,n は整数であることからグラフにしたときはなめらかな曲線ではなく,周波数が整数のところの振幅値のみとってきたような値となる.

フーリエ変換の導出

今までは周期$T$の信号において考えてきたが,これを非周期信号にも拡張させたい!!
方法として,$T \rightarrow \infty$にすれば非周期信号もフーリエ級数展開で表現ができる (これがフーリエ変換である)

\begin{align}
X(f) &= \lim_{T \rightarrow \infty} c_n \\
    &= \lim_{T \rightarrow \infty} \int_T x_T(t) e^{-j2\pi \frac{n}{T} t} dt\\
    &= \int_{-\infty}^{\infty} x(t) e^{-j2\pi f t} dt
\end{align}

これでフーリエ変換を導出することができた.

フーリエ逆変換

周期信号の周期を$\infty$にすると非周期信号の時間信号が作れるから

\begin{align}
x(t) &= \lim_{T \rightarrow \infty} x_T (t) \\
    &= \lim_{T \rightarrow \infty} \frac{1}{T} \sum_{n = -\infty}^{\infty} (T c_n) e^{j2\pi \frac{n}{T} t} \\
    &= \int_{-\infty}^{\infty} X(f) e^{j2\pi f t} df
\end{align}

おことわり

全て話すのは苦なのである程度の流れにしています.
また更新することがあるかも,,?

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