HTTP1.1とHTTP2の違いと進化
インターネットの世界では、Webページやアプリケーションとサーバー間の通信が日々行われています。この通信の基盤となるのがHTTP(HyperText Transfer Protocol)です。時代と共に進化してきたHTTPには、主にHTTP1.1とHTTP2という二つの主要なバージョンがあります。この記事では、これらのバージョンの違いとそれぞれの特徴について解説します。
HTTP1.1 の特徴
HTTP1.1は1997年に導入され、現代のWeb通信の基盤を築きました。以下はその主な特徴です。
キープアライブ
- 一度のコネクションで複数のリクエストとレスポンスを行うことが可能です。これにより、都度コネクションを確立する必要がなくなり、通信の効率が向上しました。
パイプライン
- 一つのレスポンスが完了する前に、複数のリクエストを送信できる機能です。しかし、リクエストの順序に依存する「ヘッド・オブ・ライン・ブロッキング」の問題が残りました。
HTTP2 の進化
HTTP2は2015年に公開され、HTTP1.1に比べて大幅なパフォーマンス向上が図られました。
ストリーム
- 一つのコネクション内で複数の仮想コネクション(ストリーム)を作成し、それぞれ独立して通信が可能になりました。これにより、ヘッド・オブ・ライン・ブロッキングの問題が解消されました。
バイナリ形式
- HTTP2では、テキストベースではなくバイナリ形式でデータを送受信します。これにより、処理速度が向上し、エラー発生のリスクも低減しました。
ヘッダー圧縮(HPACK)
- 重複するヘッダー情報を毎回送信する代わりに、変更された部分のみを送信することで、データ量を削減しました。
サーバープッシュ
- サーバーがクライアントの次のリクエストを予測し、必要なリソースを事前に送ることができるようになりました。これにより、ページの読み込み時間が短縮されます。
まとめ
HTTP1.1はWeb通信の基本を確立しましたが、時代の変化と共に新たな課題が浮上しました。それに応える形で登場したHTTP2は、パフォーマンスの向上、通信の効率化、そしてよりスムーズなWeb体験を実現しています。この進化により、ユーザーは高速で快適なインターネット環境を享受できるようになりました。