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正規表現エンジン(ロブ・パイクのバックトラック実装)をRubyで写経した

Last updated at Posted at 2021-02-25

元になっているのは『プログラミング作法』に載っている、ロブ・パイクが書いたコード(以下「ロブ・パイク版」)ですが、40行以内で正規表現エンジンを構築 | POSTD の方を見て書いてみました。JavaScript の方が読み慣れているのと、リポジトリにテストコードが用意されていたためです。

def drop(text, n)
  text.chars.drop(n).join()
end

def empty?(str)
  str.nil? || str.empty?
end

def match_one(pattern_char, char)
  return true if empty?(pattern_char)
  return false if empty?(char)

  pattern_char == "." || pattern_char == char
end

# ロブ・パイク版では match
def search(pattern, text)
  if pattern[0] == "^"
    match(drop(pattern, 1), text)
  else
    match(".*" + pattern, text)
  end
end

# ロブ・パイク版では matchhere
def match(pattern, text)
  return true if empty?(pattern)
  return true if empty?(text) && pattern == "$"

  case pattern[1]
  # when "?"
  #   match_question(pattern, text)
  when "*"
    match_star(pattern, text)
  else
    match_one(pattern[0], text[0]) &&
      match(drop(pattern, 1), drop(text, 1))
  end
end

# def match_question(pattern, text)
#   (
#     match_one(pattern[0], text[0]) &&
#     match(drop(pattern, 2), drop(text, 1))
#   ) ||
#     match(drop(pattern, 2), text)
# end

def match_star(pattern, text)
  (
    match_one(pattern[0], text[0]) &&
    match(pattern, drop(text, 1))
  ) ||
    match(drop(pattern, 2), text)
end

たったこれだけで正規表現の基本的な機能が実現できるのすごい&おもしろいですね。

ロブ・パイク版では . ^ $ * だけをメタ文字としてサポートする最低限の実装をまず示し、演習問題で ? などを追加する流れになっています(なので、上に貼ったコードでは ? の部分をコメントアウトしてみました)。


書籍『ビューティフルコード』では「1章 正規表現マッチャ」をブライアン・カーニハンが書いており、ロブ・パイク版について解説しています。

このコードが生まれた経緯について書かれていて、ここもおもしろい。

 1998年、ロブ・パイク(Rob Pike)と私は、『プログラミング作法』(原題『The Practice of Programming』、Addison-Wesley刊)という本を執筆していました。(略)
 問題は、既存の正規表現パッケージはどれも大き過ぎたということでした。(略)それでは教育用に適しているとは到底言えません。
 そこで私はロブに、正規表現の基本的な考え方が読み取れる最小限の、ただしそれでいて有用でつまらなくないパターンが書けるようなパッケージを探そうと提案しました。コードが本の1ページに納まるようなら理想的だと思いました。
 ロブは自分の部屋に入って行きました。今思い返してみると、1〜2時間も経たないうちだったと思います。彼は30行のCのコードを携えて部屋から出て来ました。そのコードが、『プログラミング作法』の第9章に掲載されているものです。(略)

参考

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