モチベーション
- 個人的には「集中力を上げて作業効率を改善するツール」として高く評価するJINS MEMEについて今の所管をまとめ、その魅力を共有したい。あるいは、判ってる俺スゲー感を高める。
JINS MEMEとは
製品のサイト
- (低価格)眼鏡メーカーのジンズ社が提供する、センサー付き眼鏡及びスマホアプリの事※コンセプトも参照
- Webサイトも参照の事、2種類あるが、このページでは「JINS MEME ES」についてのみ記述
- JINS MEME|TURN IT ON - 見るから、知るへ。 https://jins-meme.com/ja/
センサーとして
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アプリ(JINS MEME OFFICE)から確認すると、以下の3軸を計測
- 頭の揺れ(3D)
- 瞳の揺れ(2D)
- 瞬きの強さと時間
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上記を元に、ノイズを除去して、「集中力」について指数化したものをアプリで計算している
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開発者向け情報によれば、以下のデータを出力可能(自身でアプリを作る場合などは利用可能)
- 目に関するデータ
- 視線方向
- まばたき
- まばたきのスピード(Millisecond)
- まばたきの強さ(一般的に、50~200の間におさまります。)
- 身体に関するデータ
- 姿勢のズレ・頭の傾き(度)
- 歩行判定
- 加速度
- JINS MEMEに関するデータ
- ノイズ判定(データ検出エラー判定)
- 電池残量(5段階)
- 装着状態
- 目に関するデータ
機材として
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コスト
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デザイン
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機材としての難点
- 上記の購入可能な実店舗がメンテナンス対応も行うが、店舗数が少ない点は下記と加えて若干不便に感じる
- 瞬き関連を計測するセンサーとして重要なためか、鼻あてが柔らかめの金属製で少しズレ易く、その際には計測に不安が残る。また、ズレた場合の修正も取扱店舗でないと修正できないために煩わしい
- とは言え、通常のセンサー関連商品と比べればサポートは充実しているのも事実だが。
自分の主な使用目的
「集中力を管理する」
- 前回の投稿「集中力を管理する」で書いた様に、作業時間の質を上げる為の計測ツールとして利用している。
- 指数化された集中力が一定(60pt)を超えると"集中時間"、更に高レベル(80pt)を超えると"フロー状態"として1時間毎に記録されるのでチェックして自分の集中状況を知る
- 参考: 「JINS MEME OFFICE」の画面(折れ線グラフの赤色の部分が"集中時間")
だがしかし、、、
- 前回も書いたが、(少なくともJINS MEMEの言う)"集中"と"成果"は必ずしも一致しない。どちらかというと、文書を読み込んだり、既に経験が深い作業を行っている時の方が"集中"をしているが、(仕事内容にもよるが)"成果"はWebなどでリファレンスを調べたり、一瞬考える為に目線を外したりしてスクリプトを書いている時の方が大きい。
- 例えば、上記の画面で少し見切れているが9時から10時の時間は"集中時間"が15分間、"フロー状態"が3分間とあり1日で一番"集中"した時間帯だが実際は通勤中で、思い返すと、めちゃめちゃ真剣にマンガを読んでいた時だ。
- 基本的に、頭や瞳の動きが少なく、瞬きの速度も遅くなる方が"集中"と捉えられやすいらしく(※出典を調査中)、また"フロー状態"もその延長線として判定されるために「時間を忘れるほど単純な作業に集中した時」などで計測され易い。従って、単純にptを指標として"成果"を伸ばそうとすると齟齬がある。
考察: JINS MEMEの向き、不向き
- 以上から、使用に向いている状況と、不向きな状況がある。
- まず状況として、使用者の職種としてオフィスワーカーで、基本的に座ってPC操作などが中心作業であるのが向いており、歩きまわったりする職種では計測が難しい。使用箇所は同様にオフィス内の作業中が向いており、使用時間も同様にデスクでの作業中となる。ちなみに、階段の昇り降りなどの運動は瞬きと誤判定されたりして"集中"が測れ無い。(実務上は移動中なので当然問題ないが。)
- そして書いている様に"集中時間"の計測は可能で強力な集中管理ツールとなるが、"作業の成果"の為により深い集中状態に入ったかを計測してもうまくいかない。と思われる。
将来のビジネスを考える
データ分析の未来
- 筆者がデータサイエンティストを仕事としている事もあり、視点を代えてデータ分析への影響を考えてみる。
- 前提として、個人的には「データサイエンティストシンポジウム」などで耳にしたが、今後はデータ分析では"学習モデル"が価値を持つ時代となるとした上で考える。
- JINS MEMEの"学習モデル"は様々な眼鏡を掛けた人の(個人のノイズを除去して)集中状態を測るモデルであり、アプリの開発者ネットワークや共同の学術研究などを通じて適用範囲を広げようとしている。
- 既にWebサイトや実店舗のイベントからも伺えるが、オフィスワークの他に、子供の勉強についても適用範囲を広げようとしている。
- 一方で、上記の考察である通り"成果"との関連については、オフィスワークでも子供の学習でも、ユースケースを貯めて実証していく必要がある。
3つの可能性
- 一方でプラットフォームとして展開していく上でどこまでを自社で展開して、どこからをパートナーやその他のネットワークに任せるのは重要な判断と思われる。例えば、以下の3つの段階などが考えられる。
- 案1. あくまで機材の提供にとどまる(アプリはコンセプトモデルを出すのみ)
- 案2. 機材に加えてアプリの展開を広げてソフトウェアでビジネスをする
- 案3. 機材から取れるパーソナルデータを流通させるプラットフォームとなる
今後の検討課題
- 現状での利用方法は「集中力を管理する」に記載の通り、1時間毎の集中時間を振り返るのに利用している。
- 上記で述べた"成果"と紐づく管理をするためには「集中度合い(pt)」よりは「集中時間」に注意するなどの工夫で対応出来る。
- 課題としては、「長期での改善」についての道筋は試行錯誤の途中である。(1時間あたりの「集中時間」は判るが、定期的に見直して改善するサイクルが確立していない。)
おわりに
- 現状のまとめとして、JINS MEMEについて日頃考えていることを書き出した。稚拙な点や、判りづらい点はコメントをいただければ幸いです。
[TO DO] ビジネスの可能性の深掘りに加えて、開発者としてデータの活用方法などを深掘りたい
END