この記事はAR Advent Calendar 2018の13日目の記事です。
はじめに
はじめまして。ENDROLLというARスタートアップで3Dデザイナーとして働いているSomaと申します。
ARで3Dオブジェクトをいかに現実と馴染ませるかを普段から考えているので、今回はそれをまとめてみます。
この記事をみて、こういう表現もあるんじゃないかな!みたいなコメントくれたら幸いです!!
目次
AR表現で考える必要がある要素は色々ありますが、今回は以下の要素をあげてみます。
- ライティング
- シェーダー、マテリアル
- エフェクトによる演出
- コンテクスト
(デザイナーなもんで、オクルージョンは専門外です、、、)
ライティング
ライティングはAR以外におけるゲームにおいても重要な要素ですが、ARではさらに重要性が高まります。
こちらの画像を見ていただければライティングの重要性を感じ取れるかと思います。
ここでポイントとなりそうな点を挙げてみます。
正直ライティングに関しては少ししか勉強していないので、逆にご教示いただきたいです。。。
- 現実の影と同じ向きの影
- 陰(光の当たらない部分)の表現
- 光量・影の大きさ
- 光の色相・明度・彩度
これらをうまく現実と近づければ近づけるほど、現実に馴染むAR表現ができます。
シェーダー、マテリアル
続いてはシェーダー、マテリアルです。
こちらもうまく使うことで、より高い基準でARを表現することができます。
もちろん現実のものに見えるように、ディテールやマテリアルを現実に近づけることも大事ですが、現実と干渉するようなシェーダーもARらしい表現です。
アカツキさんのこちらの動画がとてもわかりやすく、参考になります。
ガラスや半透明のようなシェーダーを使い、現実のものとうまく馴染ませています。
エフェクトによる演出
演出ももっとも重要な要素の一つです。エフェクトを使った自然に見える演出を探求しています。
現在試行錯誤して様々な演出を考えていますが、無限大に方法はあるでしょう。
直近で自分が考えているのは、異世界への扉やキャラクターの出現の演出です。
参考動画
デモだよ pic.twitter.com/VWf2LkFinv
— そーま (@masoma101) 2018年12月11日
地面から出てくる、フェードイン、テレポートのようなパーティクルを使った演出、などここは想像力をフルに使って演出を考えます。こういう動きがいいんじゃないか、こういう動きなら現実に馴染みそう!というのを社内でブレストし、現在それぞれを開発している最中です。
これは間違いなく現段階では正解も不正解もありません。
自社でいいと思ったアイデアを沢山出してAR業界を盛り上げていきましょう!
コンテクスト
コンテクストとは、文脈や背景となる分野によってさまざまな用例がある言葉であるが、一般的に文脈(ぶんみゃく)と訳されることが多い。文脈により「脈絡」、「状況」、「前後関係」、「背景」などとも訳される。
(Wikipediaより)
なぜ、その場所に、そのオブジェクトを置くのか、というコンテクストがAR表現では殊更に重要です。こちらに関してはプランナーの領域になりますが、デザイナーやエンジニアも考えていれば、より良いものを作ることができると思います!
例えば、
「カメラでこのマーカーを見てください。ドラゴンが出てきます。」
これは全くもってコンテクストがありません。
それに対して、このような表現はどうでしょうか。
「ここには、古来から幽霊が住んでいるという噂が絶えない。カメラで証拠写真を撮ってきてくれないか?」
「透明な材質でつくられた爆弾がどこかに隠されている。普通では見られないが、このカメラには特殊なスキャナが搭載してある。これを利用して爆弾を探してくれ!」
2つ目は本日(12/13)に行われるテックカンファレンス「iNTERFACE SHIFT」で、ENDROLLが没入型ARゲームとして実際に提供するコンテクストです!
まずカメラを通して探したくなるし、体験として何よりワクワクしますよね?
このように、場所やマーカー、カメラの意味付けがAR表現、特にゲームにおいて必要だと考えています。
#最後に
現在のARにおいては、オブジェクトをこだわってリッチにするより、
このような様々なAR表現を試すことが大事だと思います。今回は、
- ライティング
- マテリアル、シェーダー
- エフェクトによる演出
- コンテクスト
について書きました。
ARゲームとして新しいジャンルを作っていくために、色んな表現を模索していきたいですね!
それではみなさん良いお年を!!