VBAエキスパート試験の分類
4種類あります。
Standard が上位資格です。
- Excel Basic
- Excel Standard
- Access Basic
- Access Standard
受験
今回はExcel のBasic と Standard を受けてきました。
2コマ連続で押さえると、連続受験できます。
(Basic が30分ほどで終わり、そのまますぐに Standard を開始できたので、時間の節約になりました)
※なお、以降の内容はすべて個人の主観に基づいた感想です。
特に出題の傾向などは、実際には私の感想と異なる場合もあると思いますので、ご注意くださいませ。
勉強方法
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純粋に Excel VBA の勉強を通じて技術向上することが目的だったので、試験対策本や過去問は一切やりませんでした。
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(業務やソーシャルワーキングでVBAツールは作っているものの)本業プログラマーではなく、VBAを本格的に学んで活用し始めてから日も浅く本格的な開発の経験が無いので、スキルが客観的にどの程度の水準なのか測りたかったのも動機です。
勉強量
- 書籍 : 4冊 計約2,000ページ。ほぼ往復の通勤電車と昼休みのみの学習、所要期間は2ヶ月ほど。
- ハンズオン : 書籍で理解しにくかったサンプルコードを写経。
- 実践 : 本業で隙を見てはツールや独自関数を作成して同僚に使ってもらったり。ランサーズ等でも何件か業務遂行(集計ツール作成やスクレイピングの案件)。
ざっくり言うと、上記で 読書50時間 + 実践50時間 = 計100時間くらい でしたので、目安にはなると思います。
ただし、Excel へ習熟していることが前提です。
また、PCやプログラミング関係の基本的な知識の有無でも差が出ると思います。
(なお試験合格だけを目的に暗記をこなすなら、最短でもっと短時間の勉強で取れるかもしれませんが、単なる暗記だけではVBAで成果物を作る役には立ちにくいと思いますので、あまりオススメはしません)
テストの内容
概要
- Basic、Standard ともに50分、40問でCBT方式。
- 1,000点満点中、『最低合格点』が700点(成績表にそう書いてあった)。加えて内訳の全項目、一定以上の点数が必要かも。
- すみません、問題の形式は調べていません。。(受験ごとにランダムで選択される?)
Excel Basic
- 選択問題が多く、内容も簡単なので難易度は低い。入門書を1冊しっかりやっておけば取れそう。
- 類似のパターンの問題が繰り返し出てきて、少し飽きる。
- IF文の条件式の"<>"を"="と誤認したせいで少し苦しんだ問題があった。(問題はよく読みましょうw)
- 50分あったが、20 ~ 30分くらいで終わった。
- 920点で合格。終わると即、次の試験を開始できる(受験会場の対応によってはできない場合もあるかも)。
Excel Standard
- 入力問題が非常に多く、入力補完も無いため、暗記力が問われる。
- 問題に非常に偏りがあったように感じた。具体的には、やたらとテーブルの操作の問題が多かった。逆に外部アプリとの連携なんかは、ほぼ無かった。
- 意外なことに WorksheetFunction の問題も執拗に出てきて、使い慣れているのでラッキーな気分だった。(でもこれVBA?)
- Basic と同様、類似の問題が繰り返し出てくるが、あまり詳しくなかったテーブル操作が執拗に出題されて、合格を諦めかけた。。(何通りもの集計列の追加や削除や転記のコードの、穴埋め入力問題など)
- 逆に類似の問題が繰り返される中で、問題文に別の類似問題の回答につながる構文があったり(たとえばテーブルの列の指定で[@列名]の構文が他の問題文から分かったり)して、ラッキーも。
- Basic で選択問題だったのと同じ部分が、入力問題として出てきたりして、連続受験で少し得した、かも。
Standard の難易度
問題の内容
(リファレンス系の本も一通り読みはしていたが)試験用の暗記学習のようなことをしておらず、利用経験がほぼ無く知識が薄かったテーブル関連のプロパティやメソッドや、その他うろ覚えの関数の挙動やら組込み定数名等々。
そのほとんどが入力問題で、知識が無ければ絶対解けない。
推測による回答は全くできないので、試験対策の暗記勉強無しでは、難易度はかなり高いと感じた。
持ち時間
(前半に分からない問題が偏っていたこともあり)半分経過時点で、問題が半分まで進めておらず時間切れの危機を感じた。
1問あたり約1分しかなく、即答できないものは少し考えているとあっという間に2、3分経ってしまうので、考えている時間がない。
後半は納得いくまで考えるのはやめてギアを上げて、どうにか間に合った。
自信もあまり無かったので最後は見直しまでして、時間はほぼ使い切った。
結果
750点で、ギリギリ合格
内訳は最低で50%の項目もあり、本当にギリギリで運が良かったかも。
役に立つか?
Standard は(実務で役立ちにくい)暗記問題の側面はある。
ただ内容は実務での利用頻度が高いと思われるもので、実際のコーディング経験がけっこう点数に反映されそうだと思った。
(Range なら Resize や CurrentRegion などをソラで書けるかどうか、みたいな感じだったり。その他どう考えても本ではなく実務経験で覚えたような WorksheetFunction の使い方や二次元表に対する多重ループの回し方だったりがかなり出題され、わりと実践的だった)
(Basic & Standard で)約2.5万円も支払って適度なプレッシャーがかかったおかげで、1,000ページもあるリファレンス系の本なんかを通読するモチベーションになったので、個人的には(勉強面で)とても役に立った。
問題には出なかったものが大半だが、仕入れた知識で確実にコーディング力の幅が広がってスキルが上がった実感もある。
(個人的には、クラスモジュールを活用して効率的にコーディングできるようになるのが、今の課題)
これから勉強する人へ
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VBA のスキルを証明できるだけの実績が既にある人 : おそらく取る意味は無いと思います。
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VBA のスキルを証明する必要が無い人 : VBA が趣味でもなければ、取る意味は無いと思います(それより自分の業務に直結した分野を勉強した方が良いと思います)。
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VBA のスキルアップをしたい初心者 : 本気でやれば十分取れるし、客観的に見ても一応転職に有利になることもありそうなので、オススメです。(といっても転職については事務職か、さもなくばExcel VBA の開発会社に未経験枠で入ろうとするのでもない限りは、あまり価値は高くないと思いますが...)
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費用について : 個人の価値観次第ですが、お金に余裕がない人は無理に払ってまで取る価値は無い気がします。
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勉強方法について : 独学一択だと思います。このレベルなら独学で取れないと、実際にVBAで成果物を作っていくのは難しい気がします。(暗記問題とはいえ、出題されるのは実務でよく使うような知識ばかりでした。誰も知らないようなものはほぼ出ません。...たぶん)
おわり