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Win-PySetup

Last updated at Posted at 2025-07-08

はじめに

当記事は、Windows+Git Bash (pyenv-win編) です。

当記事はgemini-2.5-pro (2025年1月時点データを使用)に書かせたものです。
各情報について一応の精査は行いましたが、何かしらの問題が潜んでいる可能性もあります。
十分気をつけて使用してください。

この記事は、WindowsユーザーがGit Bashをメインのターミナルとして使い、モダンなPython開発環境を構築するための手順をまとめたものです。

「プログラミング学習を始めたいけど、Windowsのコマンドプロンプトは使いにくい…」
「Web上のチュートリアルがMacやLinux前提で、コマンドが違って困る…」
「複数のPythonバージョンをプロジェクトごとに使い分けたい!」

そんな悩みを抱えるあなたのためのガイドです。

この記事でやること

  • Git for Windows (Git Bash) のインストール
  • Pythonのバージョン管理ツール pyenv-win の導入と設定
  • Git Bashとpyenv-winを連携させ、快適に使えるようにする
  • プロジェクトごとに独立した環境を作る venv の使い方

この記事でやらないこと

  • Git自体の詳しい使い方 (git clone, git commit など)
  • Pythonの文法やライブラリの使い方

最終的に、LinuxやMacとほぼ同じ感覚で操作できる、ストレスフリーなPython開発環境をWindows上に構築することを目指します。

Step 1: Git Bash

まずは、この環境の土台となる「Git Bash」をインストールします。Git Bashは、Git for Windowsに同梱されているツールで、Windows上でLinuxライクなコマンド (ls, cd, pwd, grepなど) を使えるようにしてくれます。

1. インストーラーのダウンロード

Git for Windowsの公式サイトにアクセスし、インストーラーをダウンロードします。

2. インストール

ダウンロードしたインストーラーを実行します。基本的には「Next」を連打していけばOKですが、いくつか確認しておきたいポイントがあります。

  • エディタの選択 (Select Components)
    お好みのエディタ(VSCodeなど)を選択できます。よくわからなければ、デフォルトのVimのままで問題ありません。

  • PATH環境変数の設定 (Adjusting your PATH environment)
    ここが重要です。 真ん中の「Git from the command line and also from 3rd-party software」を選択してください。これにより、コマンドプロンプトやPowerShell、そして後で使うpyenv-winなど、他のツールからもGitのコマンドが使えるようになります。

あとはデフォルト設定のまま「Next」をクリックしてインストールを完了させます。

3. 動作確認

インストール後、スタートメニューから「Git Bash」を起動します。黒い画面が表示されたら成功です。
以下のコマンドを打って、バージョン情報が表示されるか確認しましょう。

$ git --version
git version 2.37.1.windows.1

補足: Git Bashのパス表記について

ここで一つ重要なことを覚えておきましょう。Git Bashの中では、ファイルの場所(パス)を指定する際に、Windows標準の \ ではなく、Linux/Macと同じ / を使います。

  • Windowsのパス: C:\Users\Taro
  • Git Bashでのパス: /c/Users/Taro

今後のコマンド操作はこのルールに従いますので、混乱しないようにしてください。

Step 2: Pyenv-win

次に、Python本体をインストールしますが、公式サイトのインストーラーを直接使うのではなく、pyenv-win というバージョン管理ツールを使います。

なぜ pyenv-win を使うのか?

  • 複数バージョンの共存: 「プロジェクトAではPython 3.8、プロジェクトBではPython 3.10」といった使い分けが簡単にできます。
  • 環境を汚さない: システム全体に影響を与えずにPythonをインストール・アンインストールできます。
  • 再現性の確保: プロジェクトごとにPythonバージョンを固定できるため、他の人と同じ環境を簡単に再現できます。

pyenv-winはPythonに標準で入っているツールではなく、別途インストールが必要な外部ツールです。これを使うことで、Python本体のバージョン管理が劇的に楽になります。

1. pyenv-win のインストール

pyenv-winはPowerShellを使ってインストールするのが簡単です。

Git Bashではなく、Windowsの「PowerShell」を起動してください。 (スタートメニューで powershell と検索)

PowerShellで以下のコマンドをコピー&ペーストして実行します。

Invoke-WebRequest -UseBasicParsing -Uri "https://raw.githubusercontent.com/pyenv-win/pyenv-win/master/pyenv-win/install-pyenv-win.ps1" -OutFile "./install-pyenv-win.ps1"; &"./install-pyenv-win.ps1"

実行後、PCの再起動を促される場合があります。その場合は指示に従って再起動してください。
これにより、pyenv-winがインストールされ、必要な環境変数が自動で設定されます。

Note: 環境変数とは、OSがプログラムの場所などを覚えておくための設定値です。pyenv-winPATHという環境変数を書き換えることで、Pythonのコマンドを乗っ取ってバージョンを切り替える仕組みを実現しています。

Step 3: Git Bash と pyenv-win を連携させる

pyenv-winはインストールできましたが、このままではGit Bash上でうまく動作しません。Git Bashがpyenv-winを認識できるように、設定ファイルに数行の魔法の呪文を書き加える必要があります。

1. 設定ファイルの編集

Git Bashを起動し、以下のコマンドでホームディレクトリに移動します。

$ cd ~

次に、~/.bash_profileという設定ファイルを開きます。VimやVSCodeなど、好きなエディタで開いてください。
(ファイルがなければ新規作成されます)

# VSCodeで開く場合
$ code .bash_profile

# Vimで開く場合
$ vim .bash_profile

開いたファイルに、以下の3行を追記して保存します。

.bash_profile
export PYENV_ROOT="$HOME/.pyenv/pyenv-win"
export PATH="$PYENV_ROOT/bin:$PATH"
export PATH="$PYENV_ROOT/shims:$PATH"

解説

  • export PYENV_ROOT=...: pyenv-winがどこにインストールされているかをGit Bashに教えます。
  • export PATH=.../bin...: pyenvコマンド自体を使えるようにします。
  • export PATH=.../shims...: これが最重要! pythonpipといったコマンドを実行した際に、pyenv-winが割り込んで適切なバージョンのPythonを呼び出してくれるようにします。このshimsという仕組みのおかげで、バージョンの自動切り替えが可能になります。

2. 設定の反映と確認

設定を反映させるために、Git Bashを一度閉じて、再度起動してください。

新しいGit Bashの画面で、以下のコマンドを実行します。

# pyenv-winのバージョン確認
$ pyenv --version
pyenv 2.64.11

# whichコマンドでpythonの場所を確認
$ which python
/c/Users/YourUser/.pyenv/pyenv-win/shims/python

which pythonの実行結果が、上記のように /c/ から始まるスラッシュ区切りのパスで、かつ shims を含んでいれば連携は成功です!

Step 4: Pythonをインストール

いよいよPythonをインストールします。pyenvを使えばとても簡単です。

1. インストール可能なバージョンの一覧表示

$ pyenv install --list

インストールできるPythonのバージョンがずらっと表示されます。

2. 特定のバージョンをインストール

ここでは例として、3.10.6 をインストールしてみましょう。

$ pyenv install 3.10.6

インストールには数分かかる場合があります。コーヒーでも飲みながら待ちましょう。

3. 使用するPythonのバージョンを設定

インストールしただけでは、まだそのバージョンは使われていません。pyenvで使うバージョンを指定します。

  • global: PC全体でデフォルトとして使うバージョンを指定
  • local: 現在いるフォルダ(プロジェクト)内だけで使うバージョンを指定

まずはglobalで設定してみましょう。

# インストール済みのバージョンを確認
$ pyenv versions
* system (set by C:\Users\YourUser\.pyenv\pyenv-win\version)

# globalでバージョンを指定
$ pyenv global 3.10.6

# 再度、バージョンを確認
$ pyenv versions
  system
* 3.10.6 (set by C:\Users\YourUser\.pyenv\pyenv-win\version)

*3.10.6 に移動しました。これで、PCのどこでもpythonと打てば 3.10.6 が使われるようになります。

4. 動作確認

本当にバージョンが切り替わったか、確認してみましょう。

$ python --version
Python 3.10.6

$ pip --version
pip 22.0.4 from c:\users\youruser\.pyenv\pyenv-win\versions\3.10.6\lib\site-packages\pip (python 3.10)

指定したバージョンが表示されれば成功です!

Step 5: プロジェクトごとに環境を分ける (venv)

ここまでの手順で、pyenvを使ってPCにインストールするPythonのバージョンそのものを管理できるようになりました。
最後の仕上げとして、今度はプロジェクトごとに使用するライブラリを分離するための「仮想環境」という仕組みを使います。この仮想環境を作るために使うのが、Pythonに標準で搭載されている venv です。

pyenvvenvの役割分担

  • pyenv (司令塔): どのバージョンのPython本体 (python.exe) を使うかを決めるツール。(例: 3.8系か、3.10系か)
  • venv (小部屋): 1つのPythonバージョンの中で、ライブラリを隔離するための機能。(例: Aの部屋にはDjango 3.0、Bの部屋にはDjango 4.0を置く)

この2つを組み合わせるのが、モダンなPython開発の基本スタイルです。

1. プロジェクトフォルダの作成と移動

$ mkdir my-project
$ cd my-project

2. 仮想環境の作成

以下のコマンドで、my-projectフォルダの中に.venvという名前の仮想環境(ライブラリを入れておく小部屋)を作成します。

$ python -m venv .venv

3. 仮想環境の有効化 (activate)

作成した仮想環境を有効化(アクティベート)します。このコマンドは、パスの区切り文字が / であるGit Bash特有の書き方です。

$ source .venv/Scripts/activate

実行すると、コマンドプロンプトの行頭に (.venv) という表示が追加されます。これが仮想環境に入っている印です。

(.venv) 
$

4. 仮想環境内での作業

この状態でpip installしたライブラリは、.venvフォルダの中にだけインストールされ、PC全体や他のプロジェクトには影響を与えません。

# 仮想環境内でrequestsをインストール
(.venv) 
$ pip install requests

# インストールされたライブラリを確認
(.venv) 
$ pip list
Package    Version
---------- -------
certifi    2022.9.24
charset-normalizer 2.1.1
idna       3.4
pip        22.0.4
requests   2.28.1
setuptools 62.2.0
urllib3    1.26.12

5. 仮想環境の無効化 (deactivate)

仮想環境から抜けるには、deactivateコマンドを実行します。

(.venv) 
$ deactivate

$

行頭の (.venv) が消え、元の環境に戻りました。

おわりに

お疲れ様でした! これであなたのWindowsマシンには、

  • Linuxライクなコマンドが使える Git Bash
  • Pythonのバージョンを自在に切り替えられる pyenv-win
  • プロジェクトごとに環境を分離できる venv

という、モダンで実践的なPython開発環境が整いました。

この環境をベースにすれば、Web上の多くのチュートリアルをスムーズに進めることができるはずです。
次はぜひ、VSCodeとターミナルを連携させたり、Gitを使ったバージョン管理に挑戦してみてください。

Happy Hacking!

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