概要
2021年から副業として仮想通貨トレードを始めた私が、人生初めて確定申告をする話。
仮想通貨収入の計算は30minほどで簡単に出来ました。
本業で給料を貰っていて、仮想通貨で利益を上げている人に参考になれば。
私が利用している取引所は以下の通り。
- bitflyer
- bitbank
- coincheck
- liquid
仮想通貨の確定申告の原理
以下のYoutube動画が参考になります。
要点だけ触れると、
本業などの収入にプラスして、仮想通貨の利益も雑所得として加算して納めるべき所得税を計算しなおす作業になります。
仮想通貨収入で確定申告が必要な人
仮想通貨収入は税制上、「雑所得」に区分され「所得税」に課税されます。
「雑所得」には以下のようなものが含まれます。
- 年金
- ネットショップなどでの収入 - 必要経費
- FX収入 - 必要経費
- 仮想通貨収入 - 必要経費
- etc
仮想通貨の収入など「雑所得」の合計が20万円を超える人は確定申告が必要になります。
また、収入から「必要経費」を引けることも肝になります。
いつやるの?
基本的に確定申告期間は以下の通りです。
2月16日から3月15日まで
3月15日が土日の場合は翌月曜が締め切りになるようです。
いつやるの?今でしょ!
どこでできるの?
スマホでできるみたいです。
本業の収入もスマホカメラで源泉徴収書からOCR読み取りができるみたいです。
(思ったより役所も進んでますね。)
(参考:https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/shinkoku/tokushu/kakutei_nagare.pdf )
仮想通貨収入の計算方法
各取引所から取引レポートをダウンロードすれば、
意外と簡単に計算できました。
総平均法と移動平均法
仮想通貨収入には「総平均法」と「移動平均法」の2種類の計算方法があります。
簡単に説明すると、以下の違いがあります。
- 移動平均法:仮想通貨の購入の都度、取得価額を算出する方法
- 総平均法:基準期間全体の購入金額合計を購入数量合計で除して算出する方法
(参考:https://www.aerial-p.com/media/moving-weighted-avarage.html )
私が利用している取引所の取引レポートは「総平均法」に対応しているものが多いため、
今回は「総平均法」で計算していきます。
一度採用した計算方法は原則3年間は変更が効かないそうなので、注意してください。
計算書
以下のリンク先から「暗号資産の計算書(総平均法用)」をダウンロードして利用します。
ExcelやSpreadsheetで読み込んで使えます。
各項目毎に何を入力していくのか説明していきます。
1. 暗号資産の名称
計算する「通貨の名称」を入れます。
各取引通貨毎に一枚の計算書を使います。
ex. BTC, ETH
2. 年間取引報告書に関する事項
1年間の合計購入量/金額、売却量/金額を埋めていきます。
各取引所の取引レポートから取得するため、取引所毎に説明します。
bitflyer
以下のリンクから取引レポートをダウンロードできます。
「年次」で「2021」をダウンロードすればいいです。
ダウンロードした取引レポートと各項目のマップは以下の通りです。
計算書の項目 | 取引レポートの項目 | 例 |
---|---|---|
取引所の名称 | - | bitflyer |
購入数量 | 年中購入数量 | 0.5 |
購入金額 | 年中購入金額(JPY) | 2500000 |
売却数量 | 年中売却数量 | 0.2 |
売却金額 | 年中売却金額(JPY) | 1200000 |
bitbank
bitbankの取引レポートは以下からダウンロードできます。
取引ペアを指定して、取引期間を「2021/01/01 0:00 ~ 2021/12/31 23:59」に指定して
「検索」を押下後に「csvダウンロード」を押下すればいいです。
bitbankは合計購入/売却など計算してくれていないので、自分で計算する必要があります。
Excelなどにダウンロードしたcsvをインポートして計算します。
まず各取引の「取引額」を出します。
「数量」と「価格」を掛けるだけでOKです。
以下のK列はF列とG列の積を出しています。
計算式は=F2*G2
など。
合計購入量を計算します。
E列が「buy」の時のF列の合計を出せばいいです。
計算式は=SUMIF(E$2:E,"buy",F$2:F)
同様に合計購入金額や合計売却量/金額、手数料も計算します。
- 合計購入金額:
=SUMIF(E$2:E,"buy",K$2:K)
- 合計売却量:
=SUMIF(E$2:E,"sell",F$2:F)
- 合計売却金額:
=SUMIF(E$2:E,"sell",K$2:K)
- 手数料:
=SUM(H$2:H)
計算できた各項目を計算書に記載していきます。
マップは以下の通り。
計算書の項目 | Excelの項目 | 例 |
---|---|---|
取引所の名称 | - | bitbank |
購入数量 | 合計購入数量 | 0.5 |
購入金額 | 合計購入金額 | 2500000 |
売却数量 | 合計売却数量 | 0.2 |
売却金額 | 合計売却金額 | 1200000 |
coincheck
コインチェックの取引レポートは以下からダウンロードできます。
「取引履歴」だと変なフォーマットで渡されてしまうので、
「取引履歴 業界標準フォーマット」をダウンロードしてください。
coincheckは合計購入/売却など計算してくれていないので、自分で計算する必要があります。
Excelなどにダウンロードしたcsvをインポートして計算します。
以下の計算式で各項目を計算できます。BTC
としている箇所は計算したい取引通貨にしてください。
- 合計購入量:
=SUMIF(E$2:E,"BTC",F$2:F)
- 合計購入金額:
=SUMIF(E$4:E,"BTC",I$2:I)
- 合計売却量:
=SUMIF(G$4:G,"BTC",H$2:H)
- 合計売却金額:
=SUMIF(G$4:G,"BTC",I$2:I)
- 手数料:
=SUM(L$2:L)
計算できた各項目を計算書に記載していきます。
マップは以下の通り。
計算書の項目 | Excelの項目 | 例 |
---|---|---|
取引所の名称 | - | coincheck |
購入数量 | 合計購入数量 | 0.5 |
購入金額 | 合計購入金額 | 2500000 |
売却数量 | 合計売却数量 | 0.2 |
売却金額 | 合計売却金額 | 1200000 |
liquid
以下のリンクから取引レポートをダウンロードできます。
「liquidフォーマット」で問題ないです。
レポートタイプ「年次取引報告書」で「起点:2021, 終点:2022」で「検索」を押下。
表示されたファイルをクリックすることで年次取引報告書を表示できます。
年次取引報告書と各項目のマップは以下の通りです。
計算書の項目 | 年次取引報告書の項目 | 例 |
---|---|---|
取引所の名称 | - | liquid |
購入数量 | 購入数量 | 0.5 |
購入金額 | 購入金額(円) | 2500000 |
売却数量 | 売却数量 | 0.2 |
売却金額 | 売却金額(円) | 1200000 |
3. 上記2以外の取引に関する事項
以下のケースの取引を記載します。
- ①暗号資産同士を交換した場合
- 取得した暗号資産の取引時点の価額を記載します。
- 交換業者が公表する取引相場をご利用ください。
- ②暗号資産で商品を購入した場合
- 取得した商品の価額を記載します。
- 購入の際のレシート等をご利用ください。
- 暗号資産で商品を購入した場合であっても、
交換業者が円にして支払っている場合があり、
この場合は記載する必要はありません。
私はこのケースに該当する取引をしていなかったのと、
細かいことを調べるのが億劫なので、ここでは割愛します。
すみません。
4. 暗号資産の売却原価の計算
前年から仮想通貨を所持していた人は、前年の計算書(H)(I)を(A)(B)に埋めます。
もし前年は計算書を利用していない場合、前年の計算も計算書を利用して行う必要があります。
5. 暗号資産の所得金額の計算
計算書の項目 | 説明 | 例 |
---|---|---|
信用・証拠金(差益) | 信用取引で得た利益を記載します。 | 100000 |
手数料 | 取引で発生した手数料の合計値を記載します。 | 10000 |
信用・証拠金(差損) | 信用取引で得た損益を記載します。 | 0 |
必要経費の計算
上記の方法で各取引通貨毎に所得を出しました。
ですがその合計がそのまま雑所得に計上されるわけではありません。
「計算書で計上した各取引通貨毎の所得合計」 - 「必要経費」 = 「仮想通貨所得」
となります。
ここで重要になってくるのが「必要経費」の計上です。
手数料は上記計算書の中で計上していますが、雑所得には他にも経費として計上できるものがあります。
例えば以下のようなものです。
- パソコンなど10万円以上の商品の減価償却費
- 通信費・電気代
- 家賃
- 消耗品(10万円未満)
- etc
経費の計上方法は以下のQiita記事が参考になります。
私は月に60hほど仮想通貨取引に使っているので、
60h / (24h * 30d) = 1/12
の比率で、家事按分しています。
上記Qiita記事によると、
光熱水道費については、「勤務日数相当分を日割り計算した上で、その2分の1を業務使用部分とみなす」という簡便法が国税庁から認められている
とのことなので、通信費などは上記比率から更に1/2倍して家事按分しています。
家賃については、業務時に使う部分として実際の家賃の2/3を家事按分して計上しています。
万一の時のために、経費全てのエビデンスを残しておくことが大事です。
GoogleDriveなどに保存しておきましょう。
仮想通貨所得の計算
ここまでで必要な情報は揃いました。
あとは以下の計算式で所得を計算するだけです。
「計算書で計上した各取引通貨毎の所得合計」 - 「必要経費」 = 「仮想通貨所得」
まとめ
初の確定申告ということで、最初はかなりハードルが高いように感じましたが、
実際に取り組んでみるとそこまで難しくはなかったです。
仮想通貨取引で確定申告する必要がある人の参考になれば幸いです。