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LapisさんのLazuriteを1/256倍ぐらい使う記事 (まだ書き途中)

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この記事について

LapisさんのLazuriteを、ちょっとイレギュラーな方法で遊んでみようと思います。
実用性はあまり考えてません。
筆者のところではLazurite 920J で試していますが、オリジナルのLazurite SubGHzの方もだいたいうまくいくかと思います。

記事は気長に段階的に更新していこうと思います。

まずは、LazuriteIDEの動きを観察してみる

そもそも、LazuriteIDEそのまま使うつもりはない のですが、
どんな具合でコンパイラ等々を叩いてるのか、とか、焼き込みはどのコマンド使ってるのか、とかを見てみます。

IDEのフォルダ構成を眺める

デフォルトのインストール先は C:/LazuriteIDE/ になっています。
とりあえず、ここにインストールされている前提で話を進めていきます。
コマンドラインからビルドすることを前提に考えると、興味あるのは

  • bin/
  • hardware/

の2つのフォルダだけです。

bin/

文字通り実行のバイナリが入っています。
bin/直下には、

bin_hex_converter.exe
hexとバイナリの変換を行う
lazurite_ft232_ctrl.exe
FT232のGPIOピンを操作して、Lazuriteを書き込みモードに遷移させる
XYM.exe
XMODEM方式(懐)でバイナリをLazuriteに送信する

みたいな、主に書き込み関連のツールが入っています。

bin/U8Dev/

ツールチェーン一式が入っています。古めかしいIDEやICEのツールとかも入っているみたいですが、
使うことはないでしょう、

bin/U8Dev/Doc/

地味に大事なドキュメントフォルダです。
コンパイラとCPUの命令セットは入ってますが、何故かペリフェラル類のドキュメントが抜けてるので、
ML620Q503/Q504 ユーザーズマニュアル も一緒に
入れておくと良いかと思います。

hardware/lazurite_subghz/

主にソースが入っています。

hardware/lazurite_subghz/ml620q504/

ペリフェラル類のドライバです。微妙に下記のlazuriteのフォルダの中身と相互依存しています。

hardware/lazurite_subghz/lazurite/

Arduinoとだいたい互換のAPIの実装が入っています。オリジナルのArduinoのC++と違って
Cで実装しているので、使用感の似たAPIといった方が良いのかもしれません。

hardware/lazurite_subghz/sub_ghz/

Lazuriteの無線モジュール(bp3596)のドライバが入っています。
コンパイルするとワーニングがいっぱい出ます。

ビルドの動き

この辺りはわりあい素直で、LazuriteIDEのウィンドウに
実行しているコマンドラインが表示されるので、それを追っていくとだいたい理解できます。

  1. コンパイラ(ccu8),アセンブラ(rasu8)でcファイルからobjファイルを生成 (.c -> .asm -> .obj)
  2. objファイルをライブラリアン(libu8)まとめて、libファイルを生成 (.obj -> .lib)
  3. libファイルとobj(startup部分) をリンカ(rlu8)くっつけて、HEXファイルを生成
  4. HEXファイルをバイナリに変換

ここで実行しているような感じでコマンドを叩いてあげれば、
実行ファイルが出来そうな感じです。

書き込みの動き

書き込みもわりかしシンプルな動きです。ウィンドウにコマンドが表示されないので、
子プロセスの起動が見えるようなツールみたいなのを
使って、起動しているコマンドを追っかけて行きます。

  1. lazurite_ft232_ctrl.exe で TEST0,1端子を上げ下げして書き込みモードに。
  2. XYM.exeでファイルを転送
  3. lazurite_ft232_ctrl.exe で TEST0,1端子を上げ下げしてリセット

XMODEMを使ったファイル転送がレガシィな感じで素敵です。
この辺も、あまり特殊なことはやってなくて、素直にコマンド叩いているという感じです。

ビルドの方と合わせて、この辺のコマンドを実行すれば、
イメージの作成から、Flashへの焼き込み、実行ができそうです。

AWESOME toolchain

このLapis Semiconductorのu8向けコンパイラ、かなり癖あるというか、
とってもイカれたしたコンパイラです。

  • C89対応、規格が古いのでgccでコンパイル通るコードで通らないものがいっぱい。
  • 変数名やマクロ名に最大31文字の制限がある。
  • LFNにちゃんと対応していない。DOS時代の8.3形式でないと受け付けないところがある。

ちょっと色々試してみると…

test.c
int test() {
    return 1;
}
compile.cmd
C:\Users\user>ccu8 /TML620504F test.c  <--- これはOK
C:\Users\user>copy test.c test-function.c
C:\Users\user>ccu8 /TML620504F test-function.c  <--- NG. ファイル名にハイフンが入ってると駄目
C:\Users\user>copy test.c testfunction.c
C:\Users\user>ccu8 /TML620504F testfunction.c  <--- OK. ファイル名にハイフンが入ってなければ通る
C:\Users\user>copy test.c te-st.c
C:\Users\user>ccu8 /TML620504F te-st.c  <--- NG. LFNでなくてもハイフンはNG

ファイル名のハイフンは駄目、だけど...

test-2.h
extern int test2();
test2.c
#include "test-2.h"

int test2() {
    return 2;
}
compile.cmd
C:\Users\user>ccu8 /TML620504F test2.c  <--- OK. includeで見るヘッダファイルでのハイフンはなぜか許される

なかなか奇怪な挙動です。

includedirectory/test3.h
extern int test3();
test3.c
#include "test3.h"

int test3() {
    return 3;
}
compile.cmd
C:\Users\user>ccu8 /TML620504F /Iincludedirectory test3.c  <--- NG. /IはLFNを受け付けない
C:\Users\user>ccu8 /TML620504F /IINCLUD~1 test3.c  <--- OK. 8.3形式のディレクトリ名ならいける。

/IにLFNは駄目。だけど、

compile.cmd
C:\Users\user>copy test3.c longfilenametest3.c
C:\Users\user>ccu8 /TML620504F /IINCLUD~1 longfilenametest3.c  <--- OK. ファイル名はLFNで通る。

/Iが駄目なら#includeはどうか?

test3x.c
#include "includedirectory/test3.h"

int test3() {
    return 3;
}
compile.cmd
C:\Users\user>ccu8 /TML620504F /I. test3x.c  <--- OK. プリプロセッサのinclude文はLFNで通る。

文法で影響あるのは、シンボルの31文字制限.

test_longfunc.c
char* lazurite_is_awesome_iot_platform() {
    return "Lazurite is awesome iot platform.";
}
compile.cmd
C:\Users\user>ccu8 /TML620504F test_longfunc.c
CCU8 C Compiler, Ver.3.41
Copyright (C) 2008-2013 LAPIS Semiconductor Co., Ltd.

test_longfunc.c
test_longfunc.c(1) : Warning : W3000 : Identifier truncated to 'lazurite_is_awesome_iot_platfor'

Error(s)     :  0
Warning(s)   :  1

途中で切られるので、

test_longfunc2.c
char* lazurite_is_awesome_iot_platform() {
    return "Lazurite is awesome iot platform.";
}

char* lazurite_is_awesome_iot_platform_for_newbie() {
    return "Lazurite is awesome iot platform.";
}

のような場合、

compile.cmd
C:\Users\user>ccu8 /TML620504F test_longfunc2.c
CCU8 C Compiler, Ver.3.41
Copyright (C) 2008-2013 LAPIS Semiconductor Co., Ltd.

test_longfunc2.c
test_longfunc2.c(1) : Warning : W3000 : Identifier truncated to 'lazurite_is_awesome_iot_platfor'
test_longfunc2.c(5) : Warning : W3000 : Identifier truncated to 'lazurite_is_awesome_iot_platfor'
test_longfunc2.c(5) : Error : E4030 : 'lazurite_is_awesome_iot_platfor' already has a body

Error(s)     :  1
Warning(s)   :  2

重複定義で死にます。
シンボル名の制限は引っかかると手が打ちづらいです。

もっとも、これがOKでも他のところで色々ひっかかるところがあるので、
githubからコロッとソース持ってきてコンパイルして使う、というのはちょっと無理がありそうです。

LLVMのCBackendを使ってアレコレする

以下、後日更新。

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