今迄の反省点、改善ポイント
水上ドローンの制作を2018年11月~2019年1月の3ヶ月に渡って挑戦しましたが、安定した動作を達成することが出来ませんでした。制作を再開するにあたり、改善すべき事項を整理しました。
改善ポイント
USBインターネット通信端末 L-02Cの不安定さ
インターネットネット通信用にUSBのL-02Cを使用しました。これ単体ではそれなりに安定するのですが、カメラと同時に利用すると頻繁に切断されたり、RasberryPIから認識しなくなります。電源の供給をRasberryPI本体と別取りすると安定するらしいのですが、ボート内に余分のスペースは全くありません。
とはいえ、この不安定さを改善しないと使い物になりません。
内部の配線がカオス
狭い船内スペースに無理矢理詰め込んでいたので、断線やソケットが外れるトラブルが度々発生していました。その度に、テスト、開発作業を中断して再チェックを行っていました。そのため作業が全く先に進みません。
電池を交換する度に、配線をやり直す必要が有る
船の蓋の上に、カメラやら、L-02を配置したのが原因。蓋を開ける度に、配線を外してやり直す必要が有りましす。
この様な問題を改善しないとこれ以上先に進めません。先ず、船内スペースを確保して配線、モジュールの設置に余裕を待たせることから始めます。
追加スペースをどう確保する?
制作したボートはとにかく重い(1kgオーバー)、そのため追加のサイドフロートは必須です。1号機ではペットボトルをくくりつけていましたが、その中の空洞部分が狙い目です。ここに搭載スペースを確保する事にしました。
↓の横にひっついているペットボトルが現在のサイドフロート。中の空洞を利用します。
サイドフロートの制作
サイドフロートにスペースを確保することは決まりましたが、どうやってつくればいいのか?プラスチックの小物入れ等から流用するつもりでいましたが、結局適当な物が見つかりませんでした。手間は掛かりますが自作する方法を探ります。
3Dプリンター購入
いわゆる物理的な「ものづくり」の経験はありません。最初の一歩として3Dプリンターを購入してテストしてみる事にしました。
↓を買いました。¥18900 激烈に安いです。
GEEETECH 3Dプリンター Prusa I3 Pro B
ユーザーが組立るキット品ですが、信じられないくらい安いです。それでもきっちり調整すれば、10万円クラスの完成品に匹敵するそうです。
3Dプリンター
組み立て
Youtubeに組立て手順の動画があります。この通り組み立てれば良いのですが、梱包されている部品と微妙に異なる部分が有ります。そこは自分で解釈して手順を工夫するひつようがあります。
geeetech prusa I3 pro B DIY 3D printer Building instruction
後はマーティーさんという方が詳細な手順をアップしてくれています。感電に関する注意事事項も触れられており、電気に十分な経験が無い方は読む事をお勧めします。
マーティーの工房日誌
組み立て自体はそれ程難しくありません(自作PCの組み立てより3倍位難しい)。仕事後の時間を利用して2週間程で組み立てが完了。さらに細かな微調整、試行錯誤を加え、まともに印刷できるようになるのに一月の時間を要しました。ですが時間を掛けた価値はありました。
組み立ての感想
めちゃくちゃ面白かったです。ステッピングモーター、タイミングベルト、アクリルと金属パイプを利用したフレーム、制御用Arduinoを使ってここまで精密な動作(0.1mm単位)が出来るというのは驚きでした。又、勘のいい人であればさらにここから改造、機能アップも出来ると思います。
既製品を買うより自分で組み立てたほうがいいと感じました。トラブル時に自分で対応できるようになりますし。
モデリング
次にプリントするデータの作成です。これはAutocad社のFusion360というツールを利用します。プロ向けのツールらしいですが、非商用であれば無料で利用出来ます。プロ向けツールだけあって機能は充実しています。細かな操作方法は書けないですが、チュートリアルムービーを見ながら2週間程ツールと格闘すれば、ある程度は使えるようになると思います。
試作、いろいろ
3Dプリンタに慣れるため、いろいろ作ってみました。
パーティションの壁に引っかけるペン立て↓
モデリングデータ
実際に印刷したもの
強度も十分で、ボートの部品製作に利用できる目処が立ちました。
サイドフロート印刷
4つの部品に分けて印刷します
サイドフロート本体
縦 19cm × 横 6cm × 高さ 6cm。プリンタで扱えるサイズのギリギリです。制作前は水漏れを心配していましたが、十分な肉厚(現在2.5mm)を確保し、内部充填率を100%にすれば水漏れは起きていません。
サイドフロートの蓋
サイドフロートの蓋です。蓋とフロート本体のかみ合わせはCAD上で寸法が合っていればきっちりかみ合います。3Dプリンタの精度は凄いですよ。
ボート本体、サイドフロートを繋ぐフレーム
ボート本体とフロートを接続するフレームです。内部充填率100%で印刷したので、強度は十分確保出来ています。又、フレームに溝を開けており、ここにケーブルを這わせます。
##フロートの蓋、件フレームとのジョイント部
フロートの真ん中に取り付けて、フレームとの接続に利用します。
#印刷、本体への組込み
全てのプリントに多大な時間(30H位)を要しました。ボートに組み込んだ結果、こうなりました↓サイドフロート内に大きなスペースを確保する事が出来ています(水に浮く事も確認済)。