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量子コンピュータをどの書籍から学べば良いか?

量子コンピュータに興味はあるけれど、どの書籍から順に学べば良いか分からない人も多いと思います。

そこで、日本語の量子コンピュータ書籍のうち代表的なものについて、レベル感を紹介します。

後半は、レベルに隙間がある問題と、それを埋める本の紹介(宣伝)です。

この記事は2019年8月時点の状況に基づいて記述しました。

また、書籍についてのみ触れており、Webコンテンツは対象外としています。


日本語の量子コンピュータ書籍のレベル感

「日本語の書籍で量子コンピュータを学ぶ」を前提としたとき、どの書籍から学べば良いのでしょうか?

もちろん、人によって目的・知識も違うため、最適解は異なります。

ただ、参考になる方も多いと思われるため、日本語の量子コンピュータ書籍のレベル感をまとめてみました。

これがすべての書籍ではありませんが、ある程度傾向を表しているかと思います。

ご自身のレベルにあった書籍から始めて、2冊目や3冊目で右側のレベルの書籍を読むのが良いと思います。

日本語の量子コンピュータ書籍のレベル感.png

各レベルのざっくりとした説明と代表的な書籍は、次の通りです。


一般向け書籍

数式はあまりなく、概念の説明が中心。普通の書店に置いてあります。


愛好家向け書籍

一般向けの概念的な説明に加えて、高校生向け+αくらいの数式も登場します。ちょうど良いか、少し歯ごたえがあると感じるITエンジニアの方が多そう。ブルーバックスくらいのレベルです。


大学教養向け書籍

大学教養課程のレベル。数式は当たり前のように登場します。線形代数を平行で学びつつ読むイメージ。大きな書店に行かないと置いていません。


専門書

大学専門課程~大学院生のレベル。線形代数等の数学や量子力学を知っていると読みやすいと思います。大きな書店に行かないと置いていません。

ちなみに、「量子コンピュータと量子通信」は翻訳出版権の期間が過ぎているため重版や電子版の制作ができず、入手困難になっています。


愛好家向け書籍~大学教養向け書籍がほとんど存在しない

さきほどの図を見ると分かる通り、愛好家向け書籍~大学教養向け書籍はほとんど存在しません。

伝統がある分野ではなく比較的新しい分野なので仕方がないですが、このギャップは日本語の書籍で量子コンピュータを学ぶのに障害になるんじゃないかと思います。

では、どうすれば良いでしょうか?

実は量子コンピュータの同人誌を執筆している人たちがおり(私もそうですが)、この領域に含まれる量子コンピュータ同人誌が存在します。

Googleで「量子コンピュータ 同人誌」と検索するといくつか出てきますので、これら書籍で学ぶのも良いと思います。

自分で書いている同人誌で恐縮ですが、たとえば、愛好家向け書籍のレベルの内容として次のような書籍があります。

「高校数学からはじめる量子コンピュータ」

この書籍では、手計算やPythonで動作を確認しながら、ゆっくりと丁寧に量子コンピュータを理解します。

最終章では、実際に量子コンピュータの実機を使い自作プログラムを動かします。

2次元ベクトルや2x2行列が分かれば読み進められると思いますし、数学については「行列の説明」レベルから巻末に書いてあります。

そのため、読んで面白いと感じるITエンジニアの方は多いのではないかと思います。

紙版と電子版があり、次のサイトから購入できます。

「愛好家向け書籍~大学教養向け書籍がほとんど存在しない」問題を解決し、多くの人が量子コンピュータを学びやすくするために、今後も量子コンピュータ同人誌等を書こうと考えています。