概要
少し前に日本でも利用可能になったOpenAIのAIエージェントサービスであるOperatorを使って、モバイルアプリのリリース前に必要となるアプリストアへの登録作業の自動化ができるか試してみたので、そのメモです。
何をやったのか
モバイルアプリを実装した後、AppStoreやGoogle Play Store上にアプリを掲載するために、アプリを紹介するテキストや、フィーチャーグラフィック(アプリの魅力などを説明する画像)をはじめとする様々な情報を登録する必要があります。
今回は、Operatorを使ってAppStoreに以下3種類のテキストを登録できるか試してみました。
- プロモーション用テキスト
- 概要
- キーワード
結論
- 完璧ではないものの、自動で入力欄を探し出してテキストを入力してもらうことができた
- プロモーション用テキストとキーワードの入力はできたが、概要の入力はなぜかうまくいかなかったので自分で入力する必要があった
- 途中のタスクがうまくいかなかった場合に自分がタスクを実施し、後続のタスクを再度依頼するとうまく進めてくれた
- 全体的に、要求したタスクを完了するまでの時間が人間の3倍ほどかかる感覚。バッチ処理のような感覚でタスクを依頼するのであれば一定有用だが、ある程度スピードを要求されるタスクの場合はまだOperatorでは厳しい印象。
詳細
Operatorに、以下のプロンプトで指示しました。${}で囲んだ箇所は任意のテキストが入ります。
https://appstoreconnect.apple.com/にアクセスし、${任意のアプリ名}というアプリの審査情報編集画面へ遷移して。
遷移した後、「プロモーション用テキスト」のテキスト入力欄があるので、次の「」で囲まれたテキストを入力して:
「${任意のプロモーション用テキスト}」
その下に「概要」のテキスト入力欄があるので、次の「」で囲まれたテキストを入力して:
「${任意の概要テキスト}」
その下に「キーワード」のテキスト入力欄があるので、次の「」で囲まれたテキストを入力して:
「${任意のキーワードテキスト}」
Operatorがブラウザ経由で、指定したAppStoreConnectのURLにアクセスします。
ログインが必要になったので、Operatorから自分が操作を引き継いでログインを実行するように依頼されます。
認証情報を入力してログインを実行しました。
さすがに認証情報をエージェントに渡すのはセキュリティ的にまずいので今はまだ人間が実行する必要がありますが、将来的にはブラウザ側にAIエージェントが認証情報を入力できるようなツールが用意されるなどしてクライアントサイドで完結するようになれば、自動で入力できるようになることもあるかもしれません(とはいえ、2段階認証でどちらにせよ人が介在する必要がありそうですが)。
というわけで、以下の画面にたどり着いたのでここから作業を継続するようにOperatorに依頼します。
一部伏せていますが、アプリは異なる名前で3種類表示されています。
プロンプトではアプリ名を指示していましたが、Operatorは指示どおりに適切なアプリのページに遷移しました。
その後、ページを下にスクロールすると今回指示したテキストの入力欄が現れるのですが、そこまではプロンプトに含めていませんでした。
そのためか、Operatorはなぜか最初に左タブの「プロモーションコード」ページに遷移しました。
しかし入力欄が存在しないことに気づいたのか、元のページに戻りました。その後ページを下にスクロールし、無事に入力欄にたどり着きました。
そして「プロモーション用テキスト」を入力した後、「概要」の入力をするものかと待機していたら何秒経っても入力されません。
最終的に「プロモーション用テキスト」は自分で入力しました。そして操作を戻すと、「キーワード」は無事Operator側で入力してくれました。
まとめ
現時点ではまだ信頼できるほどではないものの、プロンプトの改善やモデル・エージェント性能の改善によって将来的にブラウザやデスクトップ上の定型作業を自動化するだけのポテンシャルは感じました。