AWSについてきちんと勉強し始めて半年ちょっと。
いろいろとぼんやりしながらSCSの勉強をしてしまっているので、基礎から整理することにしました。
Active Directory(AD) とは
Microsoftが提供している、Windows server OS向けの機能。
会社や組織が保有している人材や情報などの各種リソースを管理するためのディレクトリ。
主な機能
ユーザー認証とアクセス制御
人、モノ、データなどの情報を「ドメイン」で管理している。
「ドメインコントローラー」はユーザーIDとPWを使用してユーザー認証を行う他、データの閲覧・編集権限等の編集が可能。また、データへのアクセス範囲、ユーザーの所属部署等の情報、使用しているデバイス等の情報を管理している。
ドメインツリーとフォレスト
ドメインツリー
例として、本来アクセスできない親ドメインに、子ドメインからアクセスできるようにポリシーが設定された状態のこと。親子ドメイン間に信頼関係がある。
フォレスト
親子とは全く別のドメインと信頼関係を結び、アクセスが可能になった状態。
シングルサインオン(SSO)
ユーザーが所属するドメインにユーザーID, PWでログインした場合、ドメインツリーやフォレスト内にある別ドメインのリソースに認証不要でアクセスできること。たとえば、所属ドメインのドメインコントローラーから認証を受けた場合、ドメインツリー内の別ドメインが管理しているサーバーやプリンター等に認証なしでアクセスが可能となる。
フェデレーション
外部のクラウドサービスやWebサービスへSSOができる関係のこと。
Active Directoryは、Microsoft Azure や Microsoft 365といった外部クラウドサービスとも1つのID・パスワードで接続できる。
AWS Directory Serviceとは
Microsoft ADを、AWSの他のサービスと併用するために使用するサービス。
サービス名 | 概要 |
---|---|
AWS Managed Microsoft AD | AWS上にマネージド型のMicrosoft ADを構築するサービス。 AWS上にフルスペック型のMicrosoft ADを構築したい場合や、Linuxアプリケーション用にLDAPサポートが必要な場合に使用。 EC2インスタンスをAWS Managed Microsoft ADに結合すると、ユーザーはオンプレのワークロードへアクセスする際と同様のSSOで、AWSクラウドのWindowsワークロードにアクセスできる |
Simple AD | Linux-Samba ADで構築されたマネージド型Directory Service。 シンプルにユーザーID、PWのみで管理する場合に使用。 小規模なユーザー管理を目的として、既存のシステムと連携する必要がない場合に便利 |
AD Connector | 既存のオンプレADに対してリダイレクトするADのプロキシサービス。 既存ADを互換性のある AWSサービスと併用する場合に最適。 AD Connectorを使用して、Amazon EC2インスタンスを既存のADドメインに結合することも可能 |
オンプレの既存ADとの接続パターン
Microsoft AD を利用
双方向に信頼関係を構築するほか、同一リージョンで稼働するためレイテンシーの考慮がほぼ不要。AWS側で完結して設計・拡張が可能。
AD Connector を利用
認証の都度既存ADへ問い合わせを行うため、レイテンシーの問題がある。また、既存ADのスペックにも左右される。
利用方法の例
AWSユーザーを管理
認証機能としてADを利用し、認証済みのユーザーに適したIAMロールを割り当てる。MFAの利用も可能
AWS CognitoのSAML(Security Assertion Markup Language)として利用
Cognitoユーザープールを設定し、使用するSAMLとして「Microsoft AD Federation Service」を選択する
手順:Amazon Cognito ユーザープールを使用してサードパーティの SAML ID プロバイダーを設定する方法を教えてください。
AWS Cognitoとの使い分け
より大きな規模のユーザー管理をおこなったり、ソーシャルID認証にも対応しているスケーラブルなディレクトリが必要な場合は、Cognitoを使用する認証がおすすめ。
参考
- AWS Directory Service とは?
- 要点整理から攻略する『AWS認定 セキュリティ-専門知識』
- Active Directory(アクティブディレクトリ)をゼロから解説、関連用語もまとめて紹介
- Active Directoryとは?メリットやデメリット、使用上の注意点などを解説