データセンターの基礎知識
夏のISに参加する際に、データセンターについての知識を少しでもつけようと思い、備忘録として残すことにする。筆者はJDCC(Japan Data Center Council)を知らなかったレベルである…
データセンターとは
データセンターとは、インターネット用のサーバやデータ通信、固定・携帯・IP電話などの装置を設置・運用することに特化した建物の総称。
つまり、分散するIT機器を集約設置し、効率よく運用するために作られた専用施設。1995年の阪神淡路大震災を契機として、ニーズや関心が高まった。
特徴
- 多くの通信回線が引きこみ済
- 複数の通信業者の通信回線が利用可能
- 地震に強い構造
- 耐震:構造自体が頑丈(揺れに耐える)
- 免震:免震ゴムやすべり支承などで揺れを抑える(揺れを遮断)
- 制震:制震ダンパーで揺れを抑える(揺れを吸収)
- 大容量蓄電池や自家発電装置がある
- 停電時のために無停電電源装置(UPS)
- 火災対応は二酸化炭素やフロンガスによる消化
メリット
セキュリティー
- 内部IT統制・情報漏洩対策
- 事業継続計画(BCP)対策
コスト削減
- アセットレス経営(オフバランス化)
- IT部門のアウトソース化
- 基本的に従量制課金方式
省エネ
- サーバの負荷に応じた空調コントロール
- フリーアクセスフロア
- ホットアイル/コールドアイル分離
- CO2削減
利用方法
ハウジング(施設のスペースを借りる)
コロケーション/ケージングともいう。自社で使用したい機器を持ち込めるというメリットがある。ラック等を借りるタイプと、スペース自体を借りるタイプがある。
ホスティング(事業者側が用意したものをレンタルする)
いわゆるレンタルサーバーである。事業者が用意したサーバやストレージ機器を共有又は占有で利用する。スペックや利用時間に応じて課金される。
クラウド活用のリスク
- 特権ユーザによるアクセス
- コンプライアンス
- データの隔離方法についての把握
- データ復旧時間/完全リストアの有無
- 特定の調査や証拠開示におけるベンダの協力有無
- 買収・合併吸収後のデータ回収方法及び後継への移植可否
日本国内の現状について
メリット
- 治安が良く、政情不安定のリスクが少ない
- 電力供給・通信インフラが安定
- 高品質な運用を担う人材が豊富
課題
- 政府・自治体等との施策との連動強化
- 国内事情にあっていない海外発ガイドライン流布
- データセンターに特化した人材育成・ガイドラインなし
「ガラパゴス」化とは
調べているとよく出てくるので記載しておく。
日本で生まれたビジネス用語であり、孤立した環境で最適化が著しく進行すると、エリア外との互換性を失い孤立して取り残される。そして、外部から適応性と生存能力の高い種が導入されると最終的に淘汰される危険に陥ること。
要約すると、日本市場に合わせすぎると海外に適応できなくなるだけでなく、海外から汎用性が高く低価格の製品や技術に勝てなくなるということである。
参考文献
https://cloud.watch.impress.co.jp/docs/cdc/special/1183705.html