認定スクラムマスター研修とは世界中で実施されている、スクラムチームメンバーやスクラムマスターになるために必要な素質を養うためのトレーニングコースです。アジャイル関連の組織の一つであるScrum AllianceのWebサイトから開催スケジュールを確認でき、日本国内では東京や大阪、名古屋などで開催されています。この研修を受けた後に受験可能となるオンラインでの試験に合格すると、Scrum Allianceによってスクラムマスターとして認定されます。
このScrum Allianceは一つの団体ではなく、いくつものREP(Registered Education Provider)が加盟しており、日本だとodd-e主催の研修が定期的に開催されています。
すでにScrum Allianceが誕生して15年以上経っており、国内にも数多くの認定スクラムマスターの方がいらっしゃると思うのですが、スクラムマスター研修に興味のある方向けにレポートを残しておきます。
※ 研修内容については極力記載しません。実際に研修を受けてみてください
- スクラムって何?という方に。
こちらの本をオススメしておきます。
スクラム 仕事が4倍速くなる“世界標準”のチーム戦術
ネット検索すると、スクラムとは〜〜というスライドやブログ記事がいくつもヒットしますが、怪しげなコンテンツを読んで時間を無駄にするくらいなら、上記の本を読んだ方が良いと思います。(体験談が多く、読みやすいかは兎も角)
# 私の自己紹介
・スクラム歴
4年ぐらい
・どんな仕事でスクラムしていたか
ラボ型開発を知る→映像配信サービス事業でスクラム→転職してRD(?)になり会社独自スタイル
・スクラムの恩恵は
定時で帰れてストレス少!
研修に参加するまで
いくつかのパートに分けてレポートを書いています。まずは参加前のお話を。
研修を見つける
私が参加したのは「スクラム」の提唱者の一人であるジェフ・サザーランド博士が所属するScrum Inc.が担当した研修でした。KDDIさんと永和システムマネジメントさんとの共催で、KDDIさんの研修施設で開催されました。
どこかからか連絡が来たわけではなく、下記の検索ページで自力で見つけました。
https://www.scrumalliance.org/courses-events/course?type=Csm;
他の参加者の方に聞いたところ、メルマガなどで知ったという方もいらっしゃっいました。
難しいのが、どの研修にも定員があるので、思い立ったら申し込むしかないかなと思います。お金の支払いは別タイミングだと思うので、もし企業で働いているなら、まずは申し込みをして並行して社内調整など進めてはどうでしょうか。
気をつけるポイントがあるのですが、コースをいくつか比較された方が良いかも知れません。
よく見て頂くと、かかる日数が2日だったり3日だったりのパターンがあり、金額も数万円の違いが見られると思います。
私の場合は、ジェフ・サザーランド博士みずからが講師となるという点で即決でした。
スクラムマスター研修の値段は◯◯円!みたいに言い切れないので、適宜確認をしてください。
※試験合格後の追記
色々な方の研修体験記を見たのですが、体で覚えるものや、座学中心なものなど色々な種類があるようです。
基本的には講師の方の裁量に任されている、ということでしょうか。
上記の検索サイトで調べると、2017年中は下記の講師の方の研修が日本であるようです。過去の研修体験記などを見ておき、研修スタイルを確認しておくというのも良いかも知れません。
社内調整
企業で働いている方の中には、色々な社内調整が必要となる方もいるかと思います。
例えばお金についてですが、会社の全額補助、会社一部補助、補助なしというパターンがあると思います。私自身は補助なしということで自費で参加しました。全体的には会社の補助有りの方が多かったような気がします。
研修内でいくつか事例を紹介されたのですが、経営陣を含めた意識改革を行った例がほとんどだったと思います。残念ながら、このパートを読みながら社内の説得に悩んでいる方、ボトムアップでスクラムの価値を伝え・説得しなければならない状況にある方は少数派かも知れませんよ。。。(そう、私も。。)
個人的な意見ですが複数人で一緒に研修を受けた方が効果が大きく、REPによっては団体割引もあるようなので、複数人で研修参加に取り組むと良いと思います。もしも社内に認定スクラムマスターがいるならば巻き込んで、研修参加のための援護をしてもらってはどうでしょうか。
※ 研修中に、スクラムが向かない企業・事業の説明がありました。企業によって魅力に思える点が違うと思うので、認定スクラムマスターに言い回し・根回しのアドバイスを貰った方が良いと思います。
※追記:認定スクラムマスターになりました!上長や周囲に、スクラムエバンジェリスト的な活動をしたいと思います! ^^
研修の準備
事前に大体の準備指示が来ると思いますが、いくつか「やっておけば良かった・やった方が良い」と思った事を。
#1.名刺を用意しておく
おそらく参加者全員が未来の認定スクラムマスターです。挨拶くらいは。。。と思っても、
参加人数が20人いるなら名刺は20枚は必要ですよね。
参加人数が50人いるなら名刺は50枚は必要ですよね。
全員と名刺交換をしないとしても、10枚くらいは必須かと。
私は、もっと名刺を持っていくべきだったと思いました。
#2.身だしなみに注意
私が参加した研修だけかも知れませんが、謎の撮影がかなりありました。
ジェフ・サザーランド博士とも一緒に写真を撮って頂いたのですが、格好くらいはもっとシッカリとしていくべきだったと反省。。
#3.用語くらいは知っておく
スクラム未経験の方向けですが、スクラムで用いる単語やツールについて、言葉の意味くらいは知っておいた方が良いと思います。
思ったよりスクラム未経験の方がいらっしゃったのですが、用語などを知っておくと理解がスムーズになると思います。
研修中で気をつけること
・注意ではないですが全体的な指導が入ったのが、「質問が少ない。わからない事が出たら聞け」ということでした。
単なる受け身な授業ではないとは理解していたものの、私自身、休み時間に個別に質問に行ったりしていました。参加者が様々な理由で気兼ねしていたと思うのですが、活発な質疑によって他の人が気付いていない・知らないような、ためになる話がいくつも聞けたように思います。
一緒に参加されたみなさん。ありがとうございました。
研修を終えて
良かったこと
盛り沢山なのですが「古い資料ではxxxとしてあるけど、最新は◯◯◯だよ」というアップデート情報が得られたのは、中でも特別かなと思いました。
参加者の中では比較的、経験豊富な部類に入ってしまった(研修の最初に経験年数順に整列する)のですが、「そうだよな〜」という知識の整理・裏付けはもちろん、新たな学びも多くありました。すでにスクラムに参加したことがある方でも、ジェフ・サザーランド博士に直接指導頂くというのは有意義な時間になると思います。(アヴィさんのトレーニングも素晴らしかったです)
思ったこと
まず、学んだことを忘れないようにしたいと思いました。残念ながら私が所属する会社では、スクラム完全導入はないだろうなと考えたからです。スクラムが向かない企業・事業の例に全く同じというわけでは無いのですが、今時点で私の目線からでは、無理にエッセンスを取り入れても期待されるパフォーマンスは出ないだろうと思いました。
一般的に語られる例ですが、例えばスプリントを回せないような短い期間のプロジェクトでは、効果的な「振り返り」が出来ません。スクラムが向いていない場合は、スクラムをしないという決断をするのもアリなのです。
そのため、社外{と・で}何かスクラムに関われたらなと思いました。
オンライン試験を受験したら、また記事を更新したいと思います。
追記
試験に合格し、認定スクラムマスターとなりました。
受験にあたり、他の方のブログ記事などを参考にさせて頂きました。改めて、色々な発見があったので、あとがきを残しておきたいと思います。
(研修について思うことは、上記研修の項に差し込み追記)
スクラムとアジャイルについて
アジャイルソフトウェア開発宣言 というものがあります。こちらの内容については、リンク先を参照ください。
またKDDIさんのブログ記事(http://cloudblog.kddi.com/devops/4787/) に、リーン・スクラム・アジャイル・スクラムの流れについての画像があります。
スクラムとアジャイル、、、これは1対1の関係というよりも、
サザーランド博士がリーンに影響を受け「スクラム」を再定義し、
サザーランド博士がスクラムをしている中で「アジャイル」に辿り着き、
サザーランド博士がKAIZENしたものが「スクラム(改)」となった、という流れで見た方がわかりやすいかもですね。
(サザーランド博士はアジャイルソフトウェア開発宣言の署名者に名を連ねています)
1990年代に広まった「スクラム開発」が20年ものKAIZENを経て、「スクラム(改)」として提案されたように思います。
※またまた「スクラム」とネーミングされてますが、どなたか理由を御存知でしたら教えてください。。
2016年にスクラムガイドの更新があり、また下リンクの書籍も出版されましたが、個人的には内容は「スクラム(改)」だという印象を受けました。
スクラム 仕事が4倍速くなる“世界標準”のチーム戦術
既にスクラムマスター研修を受け、認定スクラムマスターである皆様方に置かれましても、
スクラム(改)の研修に参加してみては如何でしょうか。
試験に関して
私が参加した研修は上記の通り「最新のスクラム」についての研修だったので、試験の方が古いものになっており、研修の最後に注意点など含めてコメントを頂きました。
試験の流れなどについても説明があるので、研修中は研修内容に集中して問題ないです。
試験を受ける際には、ポップアップを許可するなどPC環境によっては事前設定が必要かもしれないので、英語の注意書きはキチンと読むようにしましょう。
試験自体は日本語で受けられるので、身構えなくても大丈夫です。
心配性の方は、24/35正解すれば良いので、見直しをして確実に24問正解していることを確認しましょう。
おわりに
下記リンクから、認定を受けた方を検索することができます。
https://www.scrumalliance.org/community/certificant-directory
みなさんのチームに認定スクラムマスター/認定プロダクトオーナーはいますか? ^^