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真の調査とは

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はじめに

お世話になっています!

突然ですが、開発中に「バグっぽい動き」や「ドキュメントと違う挙動」に遭遇したとき、どこまで掘り下げていますか?

この記事では、単なるググりでは終わらない「本当に意味のある調査」の姿勢について、実体験をもとに共有します。

よくある“調査”のパターン

あるOSSパッケージを使っていて、次のようなエラーに出会ったとします。

TypeError: Cannot read property 'x' of undefined

多くの開発者がとるステップは次のようなものです:

  1. エラーメッセージをググる
  2. Stack Overflowを眺める
  3. ChatGPTやCopilotに聞く
  4. よくわからなければワークアラウンドで逃げる、または放置

これでたまたま解決することもありますが、問題の本質を理解していないまま終わってしまうケースも少なくありません。

真の調査とは何か?

以下のようなアプローチをとることで、調査が「本質に近づく」ものになります。

GitHubリポジトリの issue / PR / commit を確認する

  • Issue: 自分と同じ問題が報告されていないか?似ているが微妙に違うケースはないか?
  • PR: 修正が既に提案・マージされていないか?なぜそう修正されたのか?
  • コミットログ: バグが入り込んだ履歴はどこか?直近の変更は何か?

実装を手元にcloneしてデバッグする

  • console.log()debugger を仕込むことで問題箇所を追える
  • 該当バージョンのタグやブランチをcheckoutして動作比較する
  • 自分のアプリに組み込む前に、ライブラリ単体での再現コードを試す

ドキュメントではなく「コード」を信じる

  • READMEやWikiは放置されていることがある
  • 実装コード(例:src/lib/)や型定義(*.d.ts)が一次情報
  • 特に型付き言語では関数の引数や返り値を見れば真実が分かる

必要ならissueを立て、建設的に報告する

  • バージョン・再現方法・期待する動作・実際の動作を簡潔に整理する
  • 再現可能なサンプルコードを載せると受け入れられやすい
  • 開発者側も助かるし、OSSへの貢献にもなる

実例:Next.jsでImageコンポーネントがビルド後に崩れる問題

Next.js 13.5.xを使っているとき、<Image />コンポーネントがビルド後(next export)にレイアウトを崩す問題に遭遇しました。

一見するとCSSかconfigの問題のように見えましたが、調査を進めると以下のことが分かりました。

  • GitHubのIssueで、既に複数の報告が上がっていた(例: next/imageとexportモードの相性)
  • 関連するPRがmainブランチにマージされていたが、まだnpmにリリースされていなかった
  • 該当のコミットを元にローカルでpatch-packageを使って暫定修正を当てることで解決

このように「コードレベル」まで追いかけていくことで、単なるワークアラウンドではなく、「正確な原因の特定」と「将来的な対応の見通し」が得られました。

まとめ

真の調査とは、以下のような行動を指します。

  • 二次情報(Qiita, Stack Overflow, ChatGPT)だけでなく、一次情報(コード、Issue、PR)にあたる
  • 問題の構造を理解し、因果関係を自分の手で確認する
  • 必要なら検証コードを書く、ライブラリを読んでみる、OSSにフィードバックする

調査力は、検索力ではなく、「問いを深める力」です。

こうした姿勢は、結果的に技術力の底上げにも、チームの信頼にもつながっていくと思います。

ご覧いただきありがとうございました!

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