(2016年時点での内容をアーカイブとして掲載しているため、一部の掲載内容が最新情報とは異なる場合がありますので、ご了承ください。最新のIBM Cloudの情報は IBM Cloud Docs や IBM Cloud アップデート情報 、柔らか層本をご参照ください。)
解決したい課題
ロードバランサーは、ウェブ・サーバーの可用性を高める上で重要な機器であるが、専用のアプライアンス機器を購入すると、たいへん高額であるという課題がある。 ウェブ・サーバーを複数並べるだけで可用性が向上するわけではない。 このため代表となるIPアドレスを保持し外部からのリクエストを振り分けるロードバランサーが無くてはならない。 しかし、このロードバランサーは、たいへん高価であるだけでなく保守費用も必要である。 さらに、ロードバランサー自体の故障に対して、影響を軽減するための2重化を考慮すると、周辺のネットワーク機器まで含めてのコスト増となる。
ソリューション・パターン
月額数千円のローカル・ロードバランサーから、高性能な NetScaler ロードバランサーまで、ビジネスの段階や成長にあわせて、適切なものを相応の料金で選択できる。
インプリメンテーション
1台以上のウェブ・サーバーを構築する。 これらのサーバーは、仮想サーバーと物理サーバーの両方を含む構成であっても良い。
カスタマーポータルから、ロードバランサーを注文する。
ロードバランサーの代表IPアドレスが付与されて起動する。 この代表IPアドレスをDNSへ登録する。
ウェブ・サーバーの各IPアドレスに対して、ロードバランサーの振り分ける設定をおこなう。
ローカル・ロードバランサーの場合、同時接続数をアップグレードできる。 SSL機能も追加してウェブ・サーバーの負荷をオフロードできる。
性能が必要な場合は、専用ロードバランサーを適用することができる。
ロードバランサーのハードウェアが故障して修復の時間で、大きな金銭的な損失が見込まれる場合には、2重化構成を組むこともできる。
効果
高額の設備投資無しに、ロードバランサーを使ったウェブ・サーバーの冗長構成を利用できる。
ウェブ・サーバーの一つに不具合が発生しても、サービスを継続することができる。
オートスケールと併用することで、アクセス数が増大した場合、プライベート・イメージ・テンプレートからサーバーを起動して、自動的に対応できる。
懸念事項・注意点
ローカル・ロードバランサーの設定は、SoftLayerの提供するパブリック・IPアドレス範囲に対して可能である。
エントリーレベルのローカル・ロードバランサーの場合、仮想サーバーの能力を十分使い切るまえに、ローカル・ロードバランサーの同時接続数の制限に到達することがある。 このため、カスタマーポータルからロードバランサーの同時接続状況の確認する必要がある。
N+1構成を考慮する必要がある。 処理に必要なサーバー数がN台であった場合、その内の1台が故障しても処理が継続できる様に、N+1台の構成を考慮する。
1台構成よりも余分にコストが必要となる。 1台で実行するよりも、ロードバランサーや2台目のサーバーのコストが追加となり、コストは2倍以上になる。
参考資料
3.3 ロードバランサーを利用するには?
3.3.1 ローカル・ロードバランサーを使うには?
3.3.2 専用ロードバランサー(NetScaler)を使うには?
6.8 NetScalerを2重化するには?