(2016年時点での内容をアーカイブとして掲載しているため、一部の掲載内容が最新情報とは異なる場合がありますので、ご了承ください。最新のIBM Cloudのアップデート情報はIBM Cloud アップデート情報 や 柔らか層本をご参照ください。)
概要
物理サーバー(Bare Metal Server)を起動する流れは、基本的に 1.2 仮想サーバーを起動するには? と同じです。 これはSoftLayerのカスタマーポータルでは、物理サーバーと仮想サーバーの管理が完全に統合されているためです。 ここでは、物理サーバーの特徴的な項目を中心に、ご紹介します。
時間単位の物理サーバー
SoftLayerのアイコンをクリックしてホーム画面に移り、「デバイス」をクリックします。
ベアメタルサーバーの「時間単位」をクリックします。
時間単位で提供される物理サーバーは、30分程度で利用できるようにするため、選択可能な構成が限られています。これは、物理サーバーの注文を受けてから、データセンター常駐の技術員によって実施される、次の作業を短縮するためです。
(1)部品在庫引当 -> (2)組立て -> (3)ラック据付け -> (4)診断プログラム実行 -> (5)OS導入 -> (6)管理系プログラム導入 -> (7)リリース
データセンターによってご利用できるサーバーは異なりますので、データセンターが決まっている場合はこのフォームで選択下さい。青色の価格が表示されている文字をクリックすると選択できます。
さきほどオーダーを開始する際に「時間単位」を選択しましたが、ここで「開始価格 月あたり」の列の価格をクリックした場合は月額課金となります。この画面で「開始価格 時間あたり」の列の価格をクリックして、初めて時間単位の課金となりますのでお間違いのないようご注意下さい。
月単位の物理サーバー
月単位の物理サーバーを注文する場合、前述と同じように、メニューを選択して「 月単位 」をクリックすると、次の様な物理サーバーのリストが表示されます。 このリストは、1CPUマルチコア、2CPUマルチコア、4CPUマルチコアのサーバーにグループ化されています。 このリストの「開始価格 月あたり」列の金額をクリックして選択します。
「月単位」のベアメタルはオーダーメイドとなり、構成の選択肢が増えます。プロビジョニングには2~4時間程度を要します。
最大内蔵ディスク・ドライブ数
ここでは、下記のサーバー・リストの内容を細かく見ていきます。 表のタイトル行の「製造元」、「CPUモデル」、「Core数」、「CPU速度」までは、説明がなくても、分かると思います。 次の「ストレージ」の列で、「最大2ドライブ」は、内蔵できるディスク・ドライブは最大2個まで、「最大4ドライブ」は、内蔵ディスク・ドライブは最大4個まで、という意味になります。 この画面コピーでは、2CPUマルチコアのサーバーでは、最大36ドライブというモデルも選択できることが分かります。 この内蔵ドライブの最大数の違いは、サーバーのシャーシのサイズによって決まります。
次の写真はシャーシ・サイズ「 1U 」サーバーの写真で、上側は背面のLANケーブルの接続部分で、下側が前面パネル側で、2台の「 1U 」サーバーが取り付けられている状態です。 この写真から4個のディスク・ドライブのスロットがあることが伺えます。 「 U 」とは、ラックの機器搭載の高さの単位で、1.75インチ(44.45ミリメートル)に相当します。
次の写真はシャーシ・サイズ「 2U 」と「 4U 」のサーバーの前面パネル側の写真で、ディスク・ドライブのスロットが並んでいるのが分かります。
この写真のとおり、シャーシ・サイズ「 1U 」は最大4ドライブ、「 2U 」は最大12ドライブ、「 4U 」は最大24ドライブの収容能力があります。 物理サーバーでは、ディスク・ドライブを増設したい場合に、シャーシの物理的な収容能力を超えることができないので、内蔵ドライブの増設の要件がある場合には、ドライブ・スロット数に余裕をもったモデルの選択が必要です。
廉価な物理サーバーとして最大2ドライブというモデルもありますが、この場合、選択できるディスク・ドライブの種類がSATAに限定される点にご注意です。
最大メモリ搭載可能量
上記サーバー・リストのタイトル行の「 Ram 」では、「 2GB-4GB 」や「 8GB-128GB 」といった表記がされています。 これは、例えば、「 2GB-4GB 」は、最小2GBメモリ、最大4GBメモリですよ、という意味です。「 8GB-128GB 」では、同様に最小8GB、最大128GBとなります。なぜ、このような制約が発生するのでしょうか? その理由を次の写真を例にして見ていきます。
この写真の上の部分で、緑色の基盤に黒いLSIが実装された物は、メモリ・モジュールという電子部品で、このモジュールで2GBや4GBといった単位の記憶容量があります。 そして、写真の下の部分、3つの黒い棒で両端に白い左右対称の部品が付いている物があります。 これはメモリ・スロットと呼ばれる電子部品で、上のメモリ・モジュールを下のメモリ・スロットに挿して使用します。 このメモリスロットは、基盤に3個取り付けられてますから、メモリ・モジュールの1個が4GBの容量があれば、4GB(4GBx1),8GB(4GBx2),12GB(4GBx3)の単位で増設が可能です。言い換えると、最小4GB、最大12GBのメモリ搭載能力で、増設単位が4GBということになります。 これは例であって、実際の物理サーバーのメモリの規格が同じというものではありませんが、基本的な考え方は同じです。
ここで、同じレベルのCPUスペックでも、メモリの搭載可能量によって、月額の料金が上がる理由は、メモリ・モジュールを取り付けるメモリ・スロット数が増えることで、関連の部品数が増え、回路が複雑になるためです。
物理サーバーのマザーボードに実装されているメモリ・スロット数によって、最大搭載メモリ量が制限される点を考慮して、物理サーバーのモデルを選択します。
基本ソフトウェアの選択
物理サーバーに導入する基本ソフトウェアとして、OS、ハイパーバイザー、アプライアンス・ソフトウェアの中から選択することができます。 さらに「 Other 」を選択することで、任意の基本ソフトウェアを導入することもできます。
次の2つの画面コピーは、それぞれ異なるモデルの物理サーバーを選んだ時のOSの選択画面で、選択項目が異なっていることが分かります。 このように物理サーバーのモデルによって、選択できるOSが変わるという点に注意が必要です。 もし選択したい基本ソフトウェアがリストにない場合は、物理サーバーのモデルを変更してみると良いでしょう。
「時間単位」のサーバーキットは選択できるOSが限られています。
「月単位」のオーダーメイドなら選択肢が多く「other」でお好きなOSも持ち込み可能です。
ディスク・ドライブの選択
ベアメタルでは内蔵ディスクがデフォルトではRAID構成ではないことにご注意下さい。ディスクの追加方法とRAIDの設定方法を説明します。
2番目のディスクを追加する場合は、「 Disks 」の 「 2 None 」をクリックすると、「 Assign Disks 」が現れるので、これをクリックして、「 SATA 」をクリックすると、以下の画面の状態になります。 ここでは、500GBのディスクを選択します。 そして、次に1番目と2番目のディスクをミラーリング(RAID1)していきます。
ディスクが決定されると、「 Assign Disks 」の右側に「 Create RAID storage group 」のボタンが現れます。 ここで、次のようにディスク1とディスク2を選択して、「 Create RAID storage group 」のボタンをクリックします。
次の画面で、「 Type: 」で「 RAID1 」を選択し、「 Partition Template: 」でスワップのエリアを大きくしておきます。「 Done 」をクリックすると完了です。
ネットワークのインタフェースの選択
次のアップリンク・ポート速度では、リンク速度、および、2本を束ねて冗長化(Redundant)して利用するか、1本の利用でコストを節約するかの選択ができます。 もしも、10Gbpsを選択したいのに、リストに無い場合、物理サーバーのモデルを変更してみると良いでしょう。 物理サーバーでは、前述の1Uサーバーの背面パネルの写真の様に、最初から赤色のパブリック、青色のプライベートのLANケーブルが2本ずつ接続されています。 この画面で、2本利用するか1本だけにするかを選択できるわけです。
物理サーバーの特徴的な部分の説明は以上です。