(2016年時点での内容をアーカイブとして掲載しているため、一部の掲載内容が最新情報とは異なる場合がありますので、ご了承ください。最新のIBM Cloudのアップデート情報はIBM Cloud アップデート情報 や 柔らか層本をご参照ください。)
概要
豊富なLinuxのソフトウェアを使って、高可用性の構成を組むことができます。 ここでは、よく利用されているハートビート(Heartbeat)、キープアライブ(Keepalived)という2つのソフトウェアを使った例をご紹介します。
ハートビート(Heartbeat)とは?
ハートビートは、クラスタを構成するために、通信とサーバー間のメンバーシップなどの基盤機能を提供するデーモン(プロセス)です。 これは他サーバー上のプロセスの存在や消滅を監視します。 そして、ハートビート・デーモンは、クラスタリソースマネージャ(CRM)と組み合わせて利用する必要があります。 このCRMは代表IPアドレスやサービスの開始と停止を担当して高可用化を実現します。 ペースメーカー(Pacemaker)は、ハートビートのためのCRMです。 (ご参考: http://www.linux-ha.org/wiki/Heartbeat ) このハートビートは、Linux-HAが提供するオープンソースの高可用化ソフトウェアです。 そして、ペースメーカーは、プロジェクトとして分離され、そのウェブサイトから情報提供されています。 (ご参考: http://clusterlabs.org/)
キープアライブ(Keepalived)とは?
キープアライブは、C言語で書かれたルーティング・ソフトウェアです。 このソフトウェアは、Linuxのためのロードバランシングと高可用性の単純で堅牢な基盤を提供します。 ロードバランシングの基本機能は、Linux Virtual Server(LVS)のカーネル・モジュールのレイヤ4ロードバランシングの上に成り立っています。 一方、高可用性は、VRRPプロトコルによって実現されています。 このVRRPは、ルーターを2重化した時のゲートウェア・アドレスを引き継ぐ場合に使われるものです。 キープアライブは、フリーソフトウェアです。 (ご参考: http://www.keepalived.org/)
アクティブ・スタンバイの構成例
この方式の異なる二つの高可用性を実現するためのソフトウェアは、それぞれ適用するサービスが異なっています。 どちらもアクティブ・スタンバイを構成しますが、ハートビートは、NFSサーバーやデータベース・サーバーなど、サーバーの上で動作するサービスが適用対象となります。 そして、キープアライブは、LinuxのロードバランサーであるLVSをアクティブ・スタンバイの構成にするものです。
それぞれの具体的な注文方法と設定方法は、以下のリンク先で、サンプル構成を例にご紹介していきます。
3.4.1 ハートビートを用いたNFSのHA構成
3.4.2 キープアライブを用いたLVSのHA構成