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2.2 データセンターレベルの冗長化

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(2016年時点での内容をアーカイブとして掲載しているため、一部の掲載内容が最新情報とは異なる場合がありますので、ご了承ください。最新のIBM Cloudの情報は IBM Cloud DocsIBM Cloud アップデート情報柔らか層本をご参照ください。)

解決したい課題

一般にデータセンターの設備は、受電設備や配電設備レベルでの冗長化、停電に備えた自家発電設備、ダーク・ファイバーの2系統化など、大切な情報システム機器を保護し可用性を高めるための対策が施されている。 このため、データセンターや回線に起因する障害の可能性は極めて低く、もし発生したとしても、短時間で回復できると見込める。 しかし、地震、津波、火山噴火など、地域のインフラに甚大な被害をもたらす自然災害に対しては、ひとたび被災すると、復旧までには、数ヶ月から数年を要する場合がある。
たとえば、製造業などでは、主力製品の工場は複数の地域に分散することで、この様なリスクに対応している。 これと同様に、情報システム基盤においても、このような考え方で、複数のデータセンターへ分散配置することで、リスクを分散することは重要な施策である。

ソリューション・パターン

Citrix NetScalerの広域負荷分散機能(GSLB; Global Server Load Balancing)を利用して、利用者から近い地域のデータセンターにリクエストを振り分けながら、複数のデータセンターで平行稼働することができる。

インプリメンテーション

カスタマーポータルから、それぞれのデータセンターに、NetScalerを注文する。 NetScalerのモデルによってGSLBが利用できないものがあるので注意が必要である。
GSLBを適用したいドメインのDNSサーバーへ、そのサブ・ドメインのネームサーバーとして、NetScalerのIPアドレスを登録する。
NetScalerをGSLBのDNSサーバーとして設定する。 また、GSLBの設定も行う。
これにより、一般のクライアントが、GSLBを利用した団体のドメインをアクセスした場合、最適なIPアドレスが、NetScalerのDNSサーバーから応答されることになる。
一つのデータセンターと通信できない場合、DNSは活動中のデータセンターのIPアドレスを応答することになる。

効果

広域災害が発生した場合に対しても、サービスを継続できる。
平常時から平行運用しているため、切り替えの失敗などのリスクが無く、失敗防止のための訓練なども必要ない。
平常時は、2箇所のデータセンターで負荷を分散しておき、災害時には、生き残ったデータセンターのサーバーを増強することができるため、無駄なコストが発生しない。

懸念事項・注意点

サブ・ドメインを設定する必要があるため、DNSの管理者との調整が必要である。
データセンターごとにNetScalerを2重化するとコストがかかる。
負荷分散対象のサービスは、必ずDNS名をもったURLを指定する必要がある。

参考資料

Citrix NetScaler Global Server Load Balancing Primer https://support.citrix.com/servlet/KbServlet/download/22506-102-671576/gslb-primer_FINAL_1019.pdf
3.3.2 専用ロードバランサー(Citrix NetScaler)を使うには?

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